パリ現地リポート|Range Rover
Range Rover|レンジローバー
4代目となるレンジローバーはMake It Better
レンジローバー(ヴォーグ)がフルモデルチェンジ。先代比420kgの軽量化が話題だが、スタイリングももちろん変化している。レンジローバーの今後を占う一台を、パリサロンのブースより島下泰久氏がリポート。
Text & Photographs by SHIMASHITA YasuhisaPhotographs by MOCHIZUKI Hirohiko
約10年ぶりのフルモデルチェンジ
ショーに先立ち、9月7日に地元イギリスにて発表された新型「レンジローバー」が、パリでいよいよ世界に向けてお披露目された。フルモデルチェンジは約10年ぶり。1970年の初代モデルの登場以来、4世代目のモデルということになる。
伝統を引き継ぐスタイリングは一見、保守的に見えるかもしれない。しかしながら車体はより低く、フロントグリルやウインドウにはより強い角度がつけられている。
全長はほぼキープだがホイールベースは40mm伸ばされ、後方に向かって絞り込まれたシェイプと相まって、見れば見るほど、いかにもレンジローバーでありながら、しっかりあたらしいということに気付く。
「狙ったのは“Change”ではなく“Make It Better”。DNAをどう引き継ぎ、どう引き伸ばすかは非常に重要な命題でした。行き過ぎてはDNAが失われてしまいますし、進化を畏れてはレトロ志向になってしまう。このバランスが大事なのです。レンジローバーはアンダーステイトメントなブランドですから、あまりにプログレッシヴではいけない。そこに非常に注力しました」
そう言うのはランドローバーのデザインダイレクターであるジェリー・マクガバン氏である。
その意味で言えばデザインだけでなくコンセプト自体、変化ではなくあくまで進化が志向されている。しかし、その手法は大胆だ。何より驚かされるのは、SUV初のオールアルミ製ボディの採用。これにより車重は最大でじつに420kgも軽減されている。これは走行性能にはもちろん、環境性能の向上にも大いに貢献している。
ハイブリッドも予告
さらに新型レンジローバーは、近い将来のハイブリッドモデルの登場も明言した。V6ディーゼルエンジンと電気モーターの組みあわせにより、システム出力338psを発生するいっぽう、燃費は6.3ℓ/100km(約15.9km/ℓ)、CO2排出量は169g/kmを実現するという。