シングルモルトの世界に酔いしれた夜「MHD グランド モルト テイスティング 2012」|MHD Moet Hennessy Diageo
LOUNGE / EAT
2015年6月10日

シングルモルトの世界に酔いしれた夜「MHD グランド モルト テイスティング 2012」|MHD Moet Hennessy Diageo

MHD Moet Hennessy Diageo|MHD モエ ヘネシー ディアジオ

「MHD グランド モルト テイスティング 2012」開催

奥深いシングルモルトの世界に酔いしれた夜

約100カ所ほど存在すると言われるシングルモルトの蒸留所。なかでも、アードベッグ、タリスカー、ラガヴーリンといった、世界のモルトウイスキー愛好家に人気の高い12の蒸留所を所有するのが、MDH モエ ヘネシー ディアジオ社だ。そんなMHD社のシングルモルトを一度に味わうことのできるイベント「MHD グランド モルト テイスティング 2012」が去る9月10日、恵比寿のアクトスクエアで開催された。

Text by TANAKA Junko (OPENERS)

個性あふれる12ブランドが集結

スコットランドが誇る、シングルモルトウイスキー。これは、大麦麦芽(=モルト)を原料とするモルトウイスキーのうち、単一の蒸留所でつくられたウイスキーだけに与えられる、いわば称号のようなもの。その一番の魅力は、なんといっても蒸留所ごとにまったく異なる独自の味わいを楽しめること。シングルモルトウイスキーには、蒸留所のこだわりや歴史、それぞれの土地が持つ気候や風土までもが溶け込んでいるのだ。

シングルモルトを取り扱う酒造メーカーのなかでも、トップクラスのラインナップを誇るMHD社。タリスカー、アードベッグ、ラガヴーリンなどの強烈な個性派から、グレンモーレンジィ、グレンキンチーといった穏やかな味わいのものまで、世界でも有数の12ブランドが名を連ねる。

そんな12ブランドの魅力とともに、シングルモルトのある豊かなライフスタイルを提案するイベントが「MHD グランド モルト テイスティング」だ。2回目となる今回のテーマは「Find your flavour(=お気に入りの1本/飲み方を見つけて)」。テイスティングコーナーでは、各ブランドの主力商品だけでなく、限定ものや秘蔵コレクション、発売前の商品も登場し、訪れた約300人の来場者を大いに沸かせていた。

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そのほか、シングルモルトを使ったさまざまなカクテルを提供するバー、フードとのマッチングを体感できるフードマッチングセミナー、シングルモルトの風味を食べ物や植物で表したユニークなディスプレイ、さらにはテイスティングしてブランド名を当てるクイズなど、さまざまな趣向を凝らした体験型コーナーは、途中入場制限がかかるほどの人気ぶりであった。

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さらに、ブランドの魅力をみずから語るべく、アードベッグ、タリスカー、ラガヴーリン、グレンモーレンジィの4つの蒸留所から所長が来日。ウイスキー評論家、土屋守氏とのトークショーが開催された。

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「アードベッグ」及び「グレンモーレンジィ」
蒸留・製造責任者
ビル・ラムズデン博士

ラムズデン博士は、伝統に忠実でありながら、新しい取り組みにも積極的に挑戦しつづけ、多くの賞と称賛を得ている。また、樽熟成のパイオニアとしても知られ、世界中のワインやスピリッツの産地を旅して周り、つねに最高の樽を追い求めている。
「日本の愛好家の知識と情熱の深さにはいつも驚かされています。今夜は、アードベッグが宇宙実験に参加したことを記念してつくられた限定商品『アードベッグ ガリレオ』をお持ちしました」。また、グレンモーレンジィに関しては「樽熟成に強いこだわりを持っている世界でも類を見ないシングルモルトです。最高の樽で熟成された香り高い味わいを楽しんでください」とコメント。

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「タリスカー」
蒸留所所長
マーク・ロッホヘッド氏

20年以上ウイスキー業界に携わってきたロッホヘッド氏は、4年前にスカイ島に移住した。

「日本を訪れるのは2回目です。スカイ島という人口1万人あまりの島からやってきました。そこには、自然豊かなスコットランドのなかでも特に美しい景色が広がっています。タリスカーのシングルモルトは、そんなスカイ島へみなさんをいざなってくれることでしょう。ぜひいろいろ試してみてください」

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「ラガヴーリン」
蒸留所所長
ジョージー・クロフォード氏

バーを経営する両親のもとで、ウイスキーの“英才教育”を受けたクロフォード氏。今年の4月、故郷のアイラ島へ戻り、ラガヴーリン創業以来初となる女性マネージャーに就任した。

「ようやく念願の来日を果たすことができました。ラガヴーリンはアイラ島を代表する銘柄のひとつです。テイスティングをするときには、ぜひ目を閉じて、ピートの香るスモーキーな風味を存分に味わってみてください」

トークショー終了後は、みずからボトルをすすめたり、質問にも気さくに応じたりと、来場者と積極的に交流をはかっていた彼ら。それは、さながら蒸留所を巡るミニツアーといった様子で、奥深く、多彩なシングルモルトの世界をより身近に感じる一夜となった。

<MHD社 シングルモルト12ブランド>

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アードベッグ

1815年設立/アイラ島

強烈なスモーキーさと繊細な甘さが完璧に調和した、世界が熱望する“究極”のシングルモルト。3年連続世界No.1に選ばれた蒸留所だ。もっともデリケート、かつ複雑な味わいを持つモルトウイスキーとして、世界中で高く評価されている。

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タリスカー

1830年設立/スカイ島

スカイ島唯一の蒸留所が生み出す力強いシングルモルトは、まさに男性的なモルトウイスキー。タリスカー独特の、爆発的なコショウの風味と海の香りは、ウイスキー愛好家から高く評価されている。『宝島』の著者、ロバート・ルイス・スチーブンソンに「King of Drinks(酒の王様)」と評されたほど、長年にわたりずっと愛されつづけているシングルモルトだ。

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ラガヴーリン

1816年設立/アイラ島

アイラ島のラガヴーリン湾に面した、絵画のように美しい蒸留所でつくられるシングルモルト。情熱的、スモーキー、豊かな香味で、多くの愛好家からアイラ島発のシングルモルトの決定版として評価されている。

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グレンモーレンジィ

1843年設立/北ハイランド

ハイランド地方に伝わる“官能”のシングルモルト。スコットランドでもっとも背の高い蒸留器から生み出されるのは、ピュアで華やかな味わい。さらに、厳選された上質なオーク樽で熟成された豊かなフレーバー。スコットランドで一番飲まれているシングルモルトである。

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カリラ

1846年設立/アイラ島

カリラとは、ゲール語で「アイラ海峡」を意味する言葉。アイラ島とジュラ島を隔てる海峡で、その周辺はスコットランド西岸において、もっとも風光明媚とされる地域だ。この奥まった入り江に建つカリラ蒸留所は、近年非常に人気が高まっている注目の蒸留所である。

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グレンキンチー

1837年設立/ローランド

ローランド地方に現存する数少ない蒸留所のひとつ。スコットランドの首都、エディンバラの喧騒からわずか32キロの距離にありながら、大麦畑に囲まれたのどかな風景のなかに位置する。生み出されるウイスキーは「エディンバラモルト」と呼ばれている。

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ダルウィニー

1898年設立/ハイランド

地上から約326メートルの場所に位置する、スコットランドで2番目に標高が高い蒸留所。人が居住している地域としては、スコットランドでもっとも寒い場所とされている。ヘザー(ツツジ科の灌木)と蜂蜜の香りが特徴的なウイスキーを生み出すこの蒸留所。じつは政府の気象観測所も兼ねており、気温と湿度を計測するのが、この蒸留所で働くスタッフの毎朝の日課となっている。

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クラガンモア

1869年設立/スペイサイド

卓越したシングルモルトの産地として、また鮭の釣り場として知られるスペイサイドを代表する蒸留所。創立者、ジョン・スミスが設計した、上部が平たい独特のかたちをしたポットスチルがエレガントなウイスキーを生み出す。また、ここは鉄道を引いた最初の蒸留所でもある。

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オーバン

1794年設立/西ハイランド

スコットランドで最古の蒸留所のひとつ。オーバンの街は、蒸留所を中心に発展したと言っても過言ではないほど、地域社会に貢献してきた。ライタン型のポットスチルにより、ハイランドとアイランドの特徴を併せ持つ、個性的なモルトウイスキーが生み出される。

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グレンエルギン

1898年設立/スペイサイド

著名な蒸留所建築家である、チャールズ・ドイグ・オブ・エルギンによって設計・建築された建築美の光る蒸留所。蒸留所の南東に位置するミルビュイ・ロッホ湖近辺の豊かな天然水で仕込むシングルモルトは、蜂蜜のような甘さとモルティな香味が支配するスペイサイドの個性を前面に打ち出した味わいである。

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クライヌリッシュ

1819年設立/北ハイランド

1819年に設立されたクライヌリッシュ蒸留所は、1967年隣の敷地に元の建物とまったくおなじ設計で建てられ、新しい蒸留所として生まれ変わった。旧蒸留所はブローラと改名し、83年まで稼働していたが、現在はクライヌリッシュ蒸留所のみが稼働し、通好みのシングルモルトを作り出す。

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ノッカンドゥ

1898年設立/スペイサイド

蒸留所についたユニークな名前は、ゲール語で小さな黒い丘を意味する「ノック・アン・ドゥ」に由来し、パゴダ(仏塔)型の屋根を持つ建物はなんとも幻想的。ボトリングは単一蒸留年のカスクからのみおこなわれ、ボトルには蒸留した年が明記されている。ほかにこのようなシングルモルトはほとんどなく、ノッカンドゥ独自の個性となっている。

           
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