マクラーレンのワンオフモデル「X-1」初披露 |McLaren
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マクラーレンのワンオフモデル「X-1」初披露
マクラーレンは、先日のサーキット専用コンセプトマシンの発表につづき、カリフォルニア州モントレーで開催された自動車イベント「The Quail」にて、コンセプトモデル「マクラーレン X-1」を初披露した。
Text by AKIZUKI Shinichiro(OPENERS)
究極のテーラーメイド マクラーレン
マクラーレン・オートモーティブは、8月17日にカリフォルニア州モントレーで開催された自動車イベント「The Quail」にて、コンセプトモデル「マクラーレン X-1」を発表した。 このクルマは、マクラーレン社内にあるビスポーク専門部門、「マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)」が担当し、「MP4-12C」をベースに、ある特別な顧客のためにつくられたワンオフモデルだ。
その依頼者はあくまで匿名だが、「マクラーレンF1」をはじめ、「メルセデス・ベンツSLRマクラーレン」、「MP4-12C」を所有するという熱狂的なマクラーレン・エンスージアストだという。今回のX-1プロジェクトは、MP4-12Cがデビューする3年も前からスタートしており、マクラーレン代表ロン・デニス氏と活発な議論を交わしながら開発が進められたとのことだ。
“timeless and classical elegance(時を超えた古典的な優雅さ)”をコンセプトとするX-1。このクルマの独創的なデザインは、ジャンルを超えたさまざまなのものからインスピレーションを受けている。自動車では、1953年の「クライスラー・デ・レガンス・ギア」、1939年の「メルセデス・ベンツ540K」、1971年の「シトロエンSM」などがその代表。自動車以外では、フランク・ロイド・ライトの建築で有名なグッゲンハイム美術館、アールデコ調のジャガー・ルクルトの時計、モンブランの万年筆のほか、グランドピアノといったものまでもが、発想の源泉として挙げられている。ユニークなのは、それらのアイデアのなかに、野菜の「ナス」が存在していることだ(シルエットがそう見えなくもないが)。
X-1のデザインは、イギリス・ロイヤルカレッジオブアート卒業生のフォン・イェオがつとめ、マクラーレンのデザインディレクター、フランク・ステフェンソンが監修した。18カ月を要したデザイン作業で、もっとも難しかったのは、ミッドシップレイアウトのクルマに、“いかに伝統的なFRレイアウトのイメージを投影させるか”であったという。またX-1のハイライトともいうべき、アルミニウムとニッケル素材で構成された特徴的なリヤサイドウイングは上下可動式で、このクルマをより特別な存在とした、とされる。
MP4-12CをベースとするX-1は、カーボンファイバーモノセルシャシーをベースに、おなじツインターボV8エンジンを搭載する。ボディサイズは、MP4-12Cより109mm長い4,658mm。全幅も188mm長い2,097mmとなるが、全高は1,199mmとおなじだ。いっぽう、ボディサイズアップにより懸念された重量増だが、カーボン素材を多用したことで約1,400kgと、1,434kgのMP4-12Cから、若干の減量となったという。