911デザイナーF.A.ポルシェ死去|Porsche
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2014年12月25日

911デザイナーF.A.ポルシェ死去|Porsche

Porsche 911|ポルシェ 911

フェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェ

「911」を生んだ男

誕生以来、現在にいたるまで、世界中を魅了しつづけている名車、ポルシェ「911」。その生みの親の一人である“ブッツィ”ことフェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェ氏が、2012年4月5日この世を去った。

Text by SUZUKI Fumihiko(OPENERS)

よいデザインは率直である

「ポルシェのスポーツカーの形を決めているのは、いまでも911の生みの親である、フェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェが築いたデザイン文化だ」

ポルシェA.G.社長兼CEO マティアス・ミューラーは、フェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェの死を悼む発言のなかでそう語った。

1935年12月11日、シュトゥットガルトに生まれたフェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェは、史上もっとも成功した大衆車のひとつに数えられる、フォルクスワーゲン タイプ1、いわゆる「ビートル」や、戦時中はティーガー戦車の設計者として知られたフェルディナント・ポルシェを祖父にもつ。幼いころよりその祖父の設計事務所や工場で、自動車に囲まれた日々を過ごしたという。

1943年、戦災を避けて家族とともにオーストリアに移住。戦後の1950年に再びシュトゥットガルトに戻ったF.A.ポルシェは、ヴァルドルフ学校を経て、ウルム造形大学でインダストリアルデザインを学び、1958年、父の経営するポルシェK.G.(当時)の設計事務所で働きはじめる。

そのポルシェK.G.において彼は、父、フェリー・ポルシェの設計によるポルシェの名を冠した初のクルマ、「356」シリーズの後継モデル開発プロジェクトで中心的な役割をはたした。1961年、「695」あるいは「T7プロトタイプ」とよばれるモデルを発表。これが1963年、フランクフルトモーターショーに登場する「901」こと、初代「911」の原型だった。

また、1962年に生まれたF1カー「804」、1964年にデビューしたポルシェ初のミッドシップスポーツ「904」こと「カレラGTS」もF.A.ポルシェによるデザインである。

Ferry (right) and Ferdinand Alexander Porsche in the Porsche Design-Studio (ca1959

Ferdinand Alexander Porsche in his Designoffice (1963)

ポルシェK.G.の株式会社化にともない、経営の一線から退いた彼は、1972年、生まれ故郷であるシュトゥットガルトに「ポルシェ デザインスタジオ」を設立。1974年、現在の本拠地であるオーストリアはツェル・アム・ゼーに移転後は、数十年にわたり時計、メガネ、筆記用具など紳士小物のデザインにたずさわった。また、「Design by F.A.Porsche」のブランド名では、カメラやコンピューター周辺機器、包丁など多数の家庭用品、消費財のデザインも手がけた。

その信条は「デザインは機能的でなくてはならず、機能的であるためには、見た目に美しい形でなくてはならない。『最初に説明しないとわからない』では話にならない」というものであり、「正しいデザインの製品に、装飾は要らない。その存在を高めるものは、みずからの形態だけであるべきだ」と語る彼は、「よいデザインは率直である」という信念を持っていたという。

経営の一線から退いたのちも、ポルシェのカーデザインに協力し、監査役会のメンバーとして生涯にわたりポルシェA.G.と密接な関係を築いたフェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェ。

今後はツェル・アム・ゼーはシュットグートの地に永眠する。

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