Mercedes-Benz F125!|将来のSクラスを示唆する(?)画期的な水素燃料PHV
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2015年3月3日

Mercedes-Benz F125!|将来のSクラスを示唆する(?)画期的な水素燃料PHV

Mercedes-Benz F125!|メルセデス・ベンツ F125!

将来のSクラスを示唆する(?)画期的な水素燃料PHV

ダイムラーは、フランクフルトモーターショーでメルセデス・ベンツの燃料電池プラグインハイブリッドのコンセプトカーF125!を公開した。

文=松尾 大

2025年導入開始を目指した技術

Fという文字が頭につくように、メルセデスのコンセプトモデルとして公開されたF125!。数字の125は自動車の125年、つまりダイムラーとベンツが自動車を発明してから125周年となることを意味するものだ。そして、次世代の燃料としてダイムラーが注目する水素をモーターの動力源とする燃料電池車である。

このF125!、ディメンションを見てもわかるとおり、将来のSクラスのありかたを示唆したモデルだと言える。ダイムラーによると2025年の導入開始を目指した技術だということで、二代先のSクラスはこのようなカタチで登場するのかもしれない。

注目の燃料電池技術は水素から電力を生み出し、前後各車輪付近にレイアウトされた4個のモーターを駆動する。すべてのモーターによるピーク出力は230kWを発生し、プラグインハイブリッドとすることで、最大航続距離は約1,000kmと発表されている。もちろん、CO2排出量は0である。エクステリアについては、コンセプトカーらしく、派手ないでたちでガルウイングドアを採用。ボディやシャシーには、FRP、カーボンファイバー、アルミ、高張力鋼板を組み合わせ、軽量かつ丈夫に仕上げたとしている。

Mercedes-Benz F125!|メルセデス・ベンツ F125!

Mercedes-Benz F125!|メルセデス・ベンツ F125!

30気圧という低圧で水素の貯蔵が可能?

燃料電池の課題といえば、水素をいかに貯蔵するかということだ。なにしろ、通常、水素を貯蔵する場合、700気圧程度の超高圧にしないといけない。また、その圧力に耐えるためにタンクの形状を円筒形にする必要があり、スペース効率面で問題があった。そして、ご想像のとおり爆発の危険があるため水素の自動車への活用が危惧されている。今回F125!では、床下のアセンブリに貯蔵合金を配置し、水素を約7.5kg貯めることが可能になったという。しかも、低圧の30気圧で貯められるというから夢のような技術だ。と、思ったらまだ理論的な数値に過ぎないそうだ。登場するまでは少々時間がかかるだろう。

ただ、ダイムラーのツェッツェ会長は、ガソリンが枯渇した場合の解決策は水素燃料電池だと明言している。それだけに、この水素貯蔵技術さえ進歩すれば、F125!の性能は現実のものとなるのはまちがいない。

Mercedes-Benz F125|メルセデス・ベンツF125
ボディサイズ|全長4,998×全幅1,980×全高1,430mm
ホイールベース|3,333mm
最高出力(フロントモーター)|50kW(68ps)
最大トルク(フロントモーター)|75Nm(7.6kgm)
最高出力(リアモーター)|100kW(136ps)
最大トルク(リアモーター)|200Nm(20.4kgm)
最高出力(トータル)|230kW(313ps)
最大トルク|3440Nm(350.8kgm)
水素消費量|0.79kg/100km(126.5km/kg)
CO2排出量|0g/km
航続可能距離|1,000km以上
駆動方式|4輪駆動

           
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