伊藤嶺花×N.ハリウッド 尾花大輔|スピリチュアル対談(前編)
スピリチュアル対談 vol.11|N.ハリウッド 尾花大輔
伊藤嶺花が“視た”ゲストの肖像
「希望とよろこびの光をもたらすために今世を生きる王者」(前編)
さまざまなステージで活躍するクリエイターをゲストに迎え、スピリチュアル ヒーラーの伊藤嶺花さんが、ひとが発するエネルギーを読み解くリーディングと複数の占星術を組み合わせ、クリエイターの創造力の源を鑑定。現世に直結する過去生や、秘められた可能性を解き明かし、普段は作品の陰に隠れがちでなかなか表に出ることのない、クリエイター“自身”の魅力に迫ります。
文=オウプナーズ写真=KADOI Tomo
第11回めのゲストは、メンズファッションブランド、N.ハリウッドのデザイナーである尾花大輔さん。古着屋からキャリアをスタートさせ、2000年に自身のブランド「N.HOOLYWOOD(N.ハリウッド)」を設立、今や活動を海外にまで拡げている。対談前編では、まず自身の創作についてを中心に聞いた。
伊藤・尾花 よろしくお願いします。
伊藤 ふたりとも、名前に「花」の文字がつきますね。
尾花 漢字の並びがキレイなのっていいですよね。僕の名前は海外では覚えられづらいですけどね。
伊藤 そうですか?
尾花 松坂大輔がでてきてはじめて「ダイスケ」って覚えられるようになって、さらにオバマ大統領効果もあって、そこからは調子いいです。「オバマ」で「ダイスケ」(笑)。
伊藤 海外の方だと、「オバマ」って聞こえちゃうかもしれないですね(笑)。母音が一緒ですし。
尾花 そう。「オバナ」だって言ってるのに「オバマ」になる(笑)。昨年生まれた息子は「大造」というのですが、“Z”が入っている名前は海外では受けがいいですね。そういえば最近知り合いの方が数字の音で自分の名前のサインをしているのを見て、そういう感覚が懐かしいなと思って、僕も自分の名前を「087」と数字で表記した香水を作ったんです。海外でどういう意味だ?って聞かれるんだけど、“オレの名前だ”、みたいな(笑)。
先シーズンから活動拠点をN.Y.へ。その心境の変化は?
尾花 ブランドをはじめてから10年目というのもあって、アグレッシブに何か動いていきたい、って気持ちがあったんですよね。パリでのコレクション発表も2007年ごろから何度かやっていたのですが、ヨーロッパの雰囲気が僕にはあまりしっくりこなくて。
伊藤 閉鎖的な感じがしちゃったのでしょうか?
尾花 うん、閉鎖的な印象はありますよね。もちろんいろんな刺激だったり衝撃的な出会いもあったけれど、自分のなかで“ここで勝負していくって場所ではないな”という気持ちがあって。一回それをクローズさせて自分の好きな街、ニューヨークでやろうって決めてからはあれよあれよという間に進んでいった。結局、予想外に良い評価もいただいて、最後にはうまくおさまったんだけど、実感がない……みたいなね(笑)。
伊藤 コレクションのテーマは何だったのですか?
尾花 ニューヨーク一発目ということもあってどうしようかなと思ってはいたんですけど、原点にもどって “昔から自分がシンプルにかっこいいと思うことは何か”を考えて。そこで、犯罪者を追いかけるようなテーマにしたいなと思ったんです。カタログもテーマの“POLICE PICTURE”を連想していただけるよう作成しました。ショーではなくインスタレーション方式で発表したのですが……言葉でしゃべりはじめたら2万時間くらいかかっちゃいますが(笑)。
伊藤 2万時間。すごい(笑)。
尾花 (カタログを見ながら)これは、捕まった犯罪者たちが、警察でマグショットを撮られているイメージです。
伊藤 本当ですね!
尾花 ニューヨークでのインスタレーションは、広いスクエアな空間の一面の壁に、30センチくらいのスリットを入れて、モデルとビューワーのスペースを分けて見せたんです。ゲストはそのスリット越しにモデルを覗き見るという趣向。観客の向こう側に、犯罪者を模したモデルが出てきては、正面をストロボでパシャ、横向かせてパシャ、っていう犯罪写真みたいなことをやって。
伊藤 おもしろい。昔からこういう写真が好きなんですか?
尾花 そうですね。そのへんに転がっているようなパルプな物とか、アメリカのリサイクルストアやフリーマーケットでたまたま見つけたような写真とか、意味のないものがすごく好きでしたね。前はそういうインディーズ精神たっぷりなものが好きで、正直、すごく有名な写真家が撮ったものってどうなの? って気持ちが強かったんです。今は“いいものはいいんだ”って認められるようになってきましたけど(笑)。
スピリチュアル対談 vol.11|N.ハリウッド 尾花大輔
伊藤嶺花が“視た”ゲストの肖像
「希望とよろこびの光をもたらすために今世を生きる王者」(前編)
直感を大事にしながら考え、全力であたっていくタイプ
──尾花さんは、こういうアイデアはポンポンと浮かぶタイプなんですか? それともじっくり詰めていくほうなんでしょうか。
尾花 すごく時間をかけていきますね。コレクションを発表する1週間前には、すべてのアイテムが完成された状態でそろっている。ぎりぎりにはならない。ぎりぎりが大嫌いなんです。すべてがコンプリートされた状態でのレディメイドの良さを追求するタイプなので、早い段階でしっかり煮詰まっていないと、あがったときの雰囲気がどうしてもしっくりこないんですよね。
伊藤 そのときの直感を大事にしつつ、全力であたっていくタイプですからね(笑)。
尾花 まさしくそのとおりで、打ち合わせもぱっと見たなかでいちばんピンときたものを選ぶ。つぎの打ち合わせのときにはどれを選んだか忘れてることが多いです(笑)。
伊藤 記憶がないんですね(笑)。
尾花 下の子たちが「これを選んでました」って教えてくれたり(笑)。でも2度見て同じようにピンときたものは、それに決めることにしています。もともと何かを作ることに対して、歴史や時系列などの時代背景をすごく考えるほうなんですけど、それ以外のものにかんしてはまったくの直感。……そんな僕のバイブレーションってどうでしょうか?
伊藤 ものすごく、強いです。
尾花 ものすごく強い、ですか?
伊藤 強いです。じつは今日お話するにあたって、昨日、遠隔での透視リーディングをさせていただいているんですけれど、感じたとおり、ものすごく強いですよ、エネルギーが。直接お会いしてお話していって、そのエネルギーの強さを確認させていただいています。
尾花 ええぇー。そうですか? 言ってしまえば僕、ブランドとしては東京ではメジャーなものになってきている。でもすごくあまのじゃくな部分もあるから、素直に“オレ、メジャーです!”って思考を切り替えられないタイプなんです。ブランドは有名になっていく、周りの方々が盛り上げてくださる、でも自分はもっと細々とやっていきたいし、表に出て“オレ、どうですか?”っていうタイプじゃないし、迷いもあって。でも写真家の篠山紀信先生と“メジャー”ということについて話す機会があってから、“メジャーにたいして責任もって向いあわなきゃいけない”ということをちゃんと思えるようになった。
伊藤 なんて言うか、今回の人生の使命みたいなものなんですよね。世界をフィールドに、社会的な大役を果たさないといけないんですよ。
尾花 本当ですか!?
伊藤 そういう使命のもとに、生まれちゃっている。ご自身が生まれるまえに決めてきているんですよね。メジャーになるというよりは、メジャーにならなきゃいけないひと。メジャーになることが目的だったら、一過性のものとしてすぐに消えていきますが、尾花さんの場合は、あくまで世の中に対して何かをするうえでの基盤として“メジャー”というものがあるんです。人望を集めて、いろんな方のお力添えがあってはじめて大役を果たせるわけですから。メジャーであることは、その土壌というか。世の中のために生きるひとなので、これからもどんどんメジャーになっていきますよ(笑)。
尾花 わかりました。そうならざるを得ない使命を、一生懸命全うします!
尾花大輔|OBANA Daisuke
N.HOOLYWOODデザイナー
1974年1月28日、神奈川県出身。1992年、専門学校中退後、古着屋でバイヤーとショップマネージャーを兼任。1995年古着のセレクトショップ「go-getter」の立ち上げに携わる。当時の古着の価値観に疑問を抱くようになり、リメイクやオリジナルの展開をはじめる。2000年、自身のブランド「N.HOOLYWOOD」を設立。2007年にはパリでの作品発表、2008年香港出店、2010-11AWコレクションよりニューヨークに発表の場を移して現在にいたる。