MINI COOPER CLUBMAN|ミニ クーパー クラブマン 試乗
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2015年3月17日

MINI COOPER CLUBMAN|ミニ クーパー クラブマン 試乗

MINI COOPER CLUBMAN|ミニ クーパー クラブマン

ニッチを埋める、エステートMINIの魅力(1)

ワゴンボディをもつ「MINIクラブマン」。最新モデルはエンジン性能が向上し、一部デザイン変更された。ジャーナリスト 小川フミオが試乗し、コンパクトなボディと楽しい操縦性という魅力を味わった。

文=小川フミオ写真=阿部昌也

全ラインナップの装備、仕様変更

MINIおよびMINIクラブマン、そしてコンバーチブルの全ラインナップにおけるデザインおよび装備内容が一新された。販売元のビー・エム・ダブリュー株式会社が、2010年10月7日づけで発表したもの。先ごろ、そのうちの1台、MINI クーパー クラブマンに試乗した。

同車は、MINIのステーションワゴン版として、2008年2月から日本で発売され、スタイルと機能性を両立させたモデルとして人気を博している。

MINI クーパー クラブマン(6MT 279.9万円、6AT 292.9万円)は、快適性とスポーティ性を併せもったモデルとして日本で人気が高い。2010年5月にエンジンに改良がほどこされ、燃費と出力ともに向上している。具体的にはオイルポンプのマッピング変更やエンジン内部のフリクション低減などのファインチューニングによるものだ。

BMW|MINI CLUBMAN04

BMW|MINI CLUBMAN08

2010年10月に挙げられたエクステリアとインテリアの変更点は以下のとおりだ。

・新デザインのフロントバンパー
・標準ホイールのデザイン変更
・LEDランプをリアコンビネーションランプに採用
・歩行者保護を目的としたボンネット形状変更
・ボディ色追加
・エアコンやオーディオの操作スイッチをクロームからブラックへ変更
・ローラーブラインド式のラゲッジルームトリムの採用(クラブマン専用)

MINI クーパー クラブマンは、バンパー形状が変更されたことで、全長が45mm延長されて3,980mmになった。全体の印象に大きな変更はないが、試乗した印象は意外なほどスポーティで、とくに足まわりは硬めだ。

軽快な1.6リッターNAエンジン

エンジンは122psの最高出力を発生する1.6リッター4気筒。自然吸気なのだが、意外ともいえるほど活発に走ることができる。車両重量が1.2トンと比較的軽いことも、軽快なフットワークに寄与しているのだろう。オートマチックトランスミッション搭載モデルでも、出足はよく、さらによくまわるエンジンのため、加速も気持ちがよい。

MINIクーパー クラブマンの美点は、ハンドリングのよさにある。上位モデルにはよりスポーティなクーパーSがあるが、それでも、スポーティな仕様をあらわす「クーパー」の名に期待されるものがきちんとあたえられたできだ。そして先述したように、回転マナーのよさという美質をもつエンジンのおかげで、ギアをみずから選ぶいわゆるマニュアルシフトを使用すれば、ATでも楽しさは十分に味わえる。

MINI COOPER CLUBMAN|ミニ クーパー クラブマン

ニッチを埋める、エステートMINIの魅力(2)

古びないMINIの魅力

MINIクーパークラブマンはステーションワゴンボディをもつものの、快適性より走行性能を楽しむクルマだ。その意味でも、マーケットのニッチ(すきま)にうまくはまっている。MINIは利便性というより、存在そのものを楽しむモデル。クラブマンはそのバリエーションのひとつと考えていいだろう。

インテリアは、各種コントロールがブラックのグロス仕上げになった。ラジオのコントロールは使い勝手向上のためとデザインも変更されている。細かいところではあるが、これだけでもけっこう印象がことなって見えるから興味ぶかい。“エレガントで高品質に”がデザイン変更の意図というが、その効果は上がっていると感じられる。

BMW|MINI CLUBMAN07

BMW|MINI CLUBMAN11

また円弧を描くドア内部のハンドルのデザインも、その美しい魅力が薄れていない。基本的な考えかたがしっかりしているのだろう。MINIはいまも古びていない。走行性能だけでなく、審美的な価値の面でも、MINIは健在だ。

MINIが全長3,740mmであるのに対してMINIクラブマンは3,980mm。そのぶん、後席の居住性もよく、後席乗り込みのために、うしろヒンジの小さなドアをもつのも、標準モデルにない特徴だ。前のドアを開けないとひらけないエクストラのドアは、子どもを後席に乗せるユーザーには重宝される装備になっている。

我が国におけるMINIラインナップは、標準のハッチバックモデル、このクラブマン、そしてコンバーチブルと3つの車型で構成されているが、2011年1月には4ドアボディに4輪駆動システムを組み合わせた「クロスオーバー」がくわわる予定だ。そこにあってクラブマンは、MINI独特の低く構えたスポーティなルックスと、4メートルを切るコンパクトな全長と、荷物積載の機能性を兼ね備える点で、独特の個性がある。

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MINI Cooper Clubman|ミニ クーパー クラブマン
ボディ|全長3,980×全幅1,685×全高1,445mm
エンジン|1.6リッター 直列4気筒
最高出力|90kW(122ps)/6,000rpm
最大トルク|160Nm/4,250rpm
駆動方式|FWD
トランスミッション|6段AT
価格|292.9万円

           
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