伊藤嶺花 × 清川あさみ|スピリチュアル対談 Vol.10(前編)
スピリチュアル対談 Vol.10|清川あさみ
伊藤嶺花が“視た”ゲストの肖像
「自由自在に光を操り“美”を創りつづける魔女」(前編)
さまざまなステージで活躍するクリエイターをゲストに迎え、スピリチュアル ヒーラーの伊藤嶺花さんが、ひとが発するエネルギーを読み解くリーディングと複数の占星術を組み合わせ、クリエイターの創造力の源を鑑定。現世に直結する過去生や、秘められた可能性を解き明かし、普段は作品の陰に隠れがちでなかなか表に出ることのない、クリエイター“自身”の魅力に迫ります。
文=オウプナーズ写真=鈴木健太
第10回目のゲストは、アーティストの清川あさみさん。衣装やアートワークを手がけた写真集『美女採集』や、『人魚姫』『銀河鉄道の夜』など不朽の名作をモチーフにした絵本では、リアルとファンタジーが混在した独特の世界を表現。前編では、10月に発売となった作品集『ASAMI KIYOKAWA - 5 Stitch Stories』と『銀河鉄道の夜』を手に、ご自身のクリエイションについて語っていただきました。
強いて弱い、黒くて白い、そして深い──女性の魅力を引きだした『美女採集』
伊藤 お仕事、幅広いですよね。
清川 作品集『ASAMI KIYOKAWA - 5 Stitch Stories』が出たので持ってきたんですけど、これを見ていただくとだいたい何をしているか分かっていただけると思います。内容は、過去10年間の作品の一部です。
伊藤 すごーい。肩書きとしてはアーティストになるんですか?
清川 刺繍アーティストだったり、アートディレクターだったり。一番仕事として多いのはアートディレクターと、美術館でのアーティスト活動なんですけど、けっこうバラバラで、場所によって呼ばれ方がちがう(笑)。
伊藤 あさみさんといえば『美女採集』ですよね。
清川 『美女採集』は、本当に趣味からはじまったんですよ。もともと女のひとに興味があって。強いし弱いし、黒いし白いし、深いじゃないですか。女のひとのキレイなところも汚いところもふくめて、女性ってなんなんだろうって。
伊藤 女性って、二面性をもっていて、その顔が瞬時に入れかわりますよね。
清川 そう、だからタイプ別に分けると、男のひとよりも複雑な気がするんです。女の子の欲求とか欲望とかってすごいなって思うし。私は、最初はグラビアに興味があって、グラビアのスタイリストもやったことがあるんです。そこから、グラビアでもありアートとしてもおもしろい作品ができないかなって思いはじめて。美女って世界共通だし、美女をズラッと美術館に並ばせたら絶対におもしろいと思って提案を持ち込んだら、受け入れてもらえてスタートしたんですよね。それで、2003年くらいから写真に刺繍する方法で人物を縫うことをはじめていたのが『美女採集』と繋がったんです。
スピリチュアル対談 Vol.10|清川あさみ
伊藤嶺花が“視た”ゲストの肖像
「自由自在に光を操り“美”を創りつづける魔女」(前編)
現実的な世界も好き、けれどすぐに想像した空間に行くことができる
伊藤 “美女を縫う”ってすごい発想ですよね。
清川 昆虫の剥製とかも針で刺してあるじゃないですか。なので“針で刺す”という行為が「採集」感というか、コレクター感があっておもしろいなって思ったんです。気になる美女がいたらパッって捕まえて、パパッって刺して保存するみたいな(笑)。
伊藤 面白い。いままで何人くらい採集したんですか?
清川 先日発売した『AKB48×美女採集』でかなり人数が増えたので、AKB48の女の子たちを入れたら80人から90人くらい(笑)。
伊藤 すごいですね。モデルにする女性もあさみさんが選んでるんですか? すごい豪華ですよね。
清川 長澤まさみさん、沢尻エリカさん、堀北真希さん……ほとんどそうですね。読者目線で見たいだろうなって思ってお声がけしたひともいれば、個人的に会いたかったひともいますけど(笑)。
伊藤 もともとアートに興味があったんですか?
清川 学生時代に美大の予備校に通っていて、関西の美大の推薦をいただいていたんですけど、急に東京に行きたくなって。なんて言うんですかね、いまの環境からいなくなりたくなるというか。
伊藤 留まっていたくないんですよね。
清川 そうなんです。自分を知っているひとがいる場所にいたくないって思った時期があって。それで、東京だったら誰も知らないからと思って飛び込んだ感じです。服飾の学校だったんですけど、結局、自分は服を作りたいんじゃなくて、着たり買ったりするのが好きなんだって気付いてしまい、まったく裁縫に興味がわかず。だから刺繍も、学校を卒業してからはじめたことなんです。いまになって学生時代の経験が役に立ったなって(笑)。
伊藤 この世界観っていうのは?
清川 もともとこういうのが大好きなんです。ものすごい現実的な世界も好きなんですけど、すぐ想像した空間に行けちゃうひとなんですよ。パッと現実逃避できるんです。旅行とかも、その場に行かなくても頭のなかで旅行しちゃうタイプ。たとえば、エジプトには行ったことないんですけど、行ったらこんな感じだよねって想像できてしまうので、海外旅行とか予約するんですけど、一週間前くらいに行きたくなくなっちゃうんですよ。こんなもんだよねって思っちゃうんです。
伊藤 それ、本当に行ってるんですよ。わたしも遠隔ヒーリングとかするときそうなんですけど。
清川 やっぱりそうなんですか? クリエイターだから、海外に行って刺激を受けた方がいいとかよく言われるじゃないですか。でも、行ったところでなにも変わらないと思うんです。
伊藤 変わらないでしょうね。意識の方が俊速で動いていますから。じつは、あさみさんも私も魔女なんですよ。
スピリチュアル対談 Vol.10|清川あさみ
伊藤嶺花が“視た”ゲストの肖像
「自由自在に光を操り“美”を創りつづける魔女」(前編)
事例がないこと、正解がないことをする表現者
清川 え、魔女!?
伊藤 昔、魔女だったことがあるんです。人間って何回も魂がちがう肉体をもっていろんな時代を生きていくので、1回だけの前世ってことではないんですけど、魔女だった前世もあります。
清川 魔女同士! 間違いなく普通じゃないですよね?
伊藤 普通なフリをして生きる感じでしょうか(笑)。まさに、あさみさんが絵本を手がけた『銀河鉄道の夜』の世界ですよ。これって、そういうお話じゃないですか。
清川 ということは、宮沢賢治さんもおなじ人種ですか? じつはすごく通じるものがある気がするんですけど。
伊藤 めちゃめちゃスピリチュアルなひとですよ。この世界観そのままです。
清川 やっぱりそうなんですね! 絶対に自分と繋がっているはずだから、この絵本もやりたいなって思ったんです。まったくのカンなんですけど、私、意外とそういうの当たるんですよ。私の人生ほとんど直感なんです。
伊藤 導かれていますからね。使命としては、無意識な自分が決めているんですけどね。今回はこう生きようって思って生まれてきていますから。大きなチカラに導かれているんですよね。だから10年後、20年後にどうしたいとかそういうんじゃないんだと思います。世界観自体が大きいので。そのなかに当てはまるものであれば何でもいいんですよね。
清川 そうなんです、すごーい!
伊藤 事例がないこと、正解がないことをやり続けるんだと思います。美女採集も、正解のないそれぞれの個性で、世のなかに人気のある方々を手がけたいんですよね。
清川 そうなんです。でもどうして女性なんでしょう?
伊藤 もともと、奇麗なものが好きなんでしょうね。この世の中にある美しいものを自分でも楽しみたいという気持ちもあるんでしょうけど、みんながそれぞれに「奇麗」とか「かわいい」とか思っているもので彩ったら、世のなかが明るくなるじゃないですか。そういうなかでご自身が生きていきたいのだと思います。
清川 なるほどー。すごい納得できました。