美食大陸オーストラリア、美食とワインをめぐる旅へ|ビクトリア州 ハイ・カントリー|特集

特集|美食大陸オーストラリア、美食とワインをめぐる旅へ|ビクトリア州 ハイ・カントリー

Restaurant Australia: Where Unique Food & Wine Experiences Await

特集|美食大陸オーストラリア、美食とワインをめぐる旅へ

Spin Off ビクトリア州 ハイ・カントリー

美食の街メルボルン。オーストラリアには以前、紹介したシドニーというもうひとつのグルメシティがあるが、はたしてどうちがうのだろうか?

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Text & Photographs by TERADA NaokoSpecial thanks to Tourism Australia, Tourism Victoria, Cathay Pacific.

メルボルンVSシドニー、美食シティはどう、ちがうのか?

かつてシドニーで暮らし、ジャーナリストとして長年、両都市を訪問してきた経験から言えるのは、メルボルンのほうが地産地消を意識し、より地元密着型であるということだ。それには理由がある。いまでこそ、シドニーはシーフードから肉、乳製品、フルーツなどすばらしい食材がそろうが、地理的には決して農産物を育てるのに適した場所ではなかった。

土壌は石灰岩の岩盤におおわれ、背後にはユーカリに囲まれた標高2000メートルの世界遺産、ブルーマウンテンズ山脈がそびえ立つ。その苦難の歴史は18世紀、英国からシドニーに入植がおこなわれたときまでさかのぼる。探検家たちは苦労の末にブルーマウンテンズの山超えルートを開拓。そして、ようやく西側に広がる豊かな牧草地と巡り合うことになるのだ。ちなみにそんな探検家たちへのリスペクトは、ブラックスランド、ローソン、ウェントワースといったブルーマウンテンズの町や滝の名前として残されている。

ひるがえって、メルボルンのあるビクトリア州は、周辺に豊かな自然が広がる土地。さらに19世紀には、近郊のバララットで金が見つかり、一躍、ゴールドラッシュ時代を迎える。結果、さまざまな民族が入植し、メルボルンだけでなく周辺にも町や村が生まれ、食糧供給ニーズによって、農業も飛躍的に発展した。また、中国、ドイツ、イタリアなど、世界各地からやってきた入植者のおりなす多様性が、食にも影響するのは必至。そうした歴史的背景が、メルボルンやビクトリア州の食事情に色濃く反映されている。

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訪れたのは南半球の冬にあたる6月。うしろにはブドウ畑が広がる

実際、メルボルンの有名レストランのシェフたちは、ビクトリア州産の食材を使うことに積極的だ。生産者との距離が近いというのも大きいだろう。まさに“ファーム・トゥ・テーブル(農園からテーブルへ)”を実践するのが、メルボルンのダイニングシーンだといえる。

最新&最強のグルメエリア、ハイ・カントリー

そのビクトリア州の美食トレンドは、ズバリ、カントリーサイドにあると断言したい。もともとビクトリア州は、ヤラバレーに代表されるプレミアムワインの産地として知られ、オーストラリアのなかでもワインツーリズムが盛んな場所のひとつ。テイスティングルームや、地元の食材を使った料理を提供するレストランを備えたワイナリーも多く、ワインホッピングを目的にした愛好家や、週末に滞在するレジャー客のための秀逸な宿もすくなくない。

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ビクトリア州のワインツーリズムを体感するべく、今回はハイ・カントリーでもっとも知られているワイン産地のひとつ、キングバレーを訪れた

それにくわえて、メルボルンに集中していたガストロノミー系レストランが徐々に進出しつつあり、チョコレートファクトリーやクラフトチーズショップといった専門店も急増。エッジの効いた若手による、あたらしいワイナリーなども登場している。

なかでも高品質なグルメスポットと化しているのが、ハイ・カントリーと呼ばれるエリア。うつくしい山岳地帯が広がる州北東部を指し、「オーストラリアン・アルプス」と称されるオーストラリアきってのスキーリゾート地でもある。ふもとにあるブライト、ビーチワースをはじめ、点在するカントリーサイドの町には、魅力的なグルメスポットがある。

Page02. ハイ・カントリーのおすすめグルメスポット

ABOUT
TERADA Naoko

トラベルジャーナリスト 東京生まれ。日本とオーストラリア・シドニーの旅行会社勤務後、編集プロダクションを経てフリーランスとして独立。いままでに60ヶ国を訪れ、年間150日は国内外のホテルに宿泊。世界の極上ホテル&リゾートに精通。女性誌、旅行サイト、新聞、週刊誌などで、独自の視点とトレンドを考えた斬新な切り口の紀行文、旅情報などを執筆。近年は豊富な海外ツーリズム経験を活かし、日本の観光立国化に尽力、関連セミナーなどに多数出席するほか、山口県観光審議委員も務める。現在、幅広い海外ジャーナリスト、アーティストとの交流をベースに、メディアの視点に立った日本へのプレスツアーの発起人として活動中。 ブログ ハッピー・トラベルデイズ http://blog.excite.co.jp/naoterada 著書 『ホテルブランド物語』角川書店 共著 『ロンドンのホテル』日経BP企画社 『タイのスパ』日経BP企画社など