美食大陸オーストラリア、美食とワインをめぐる旅へ|ビクトリア州 ハイ・カントリー|特集

特集|美食大陸オーストラリア、美食とワインをめぐる旅へ|ビクトリア州 ハイ・カントリー

Restaurant Australia: Where Unique Food & Wine Experiences Await

特集|美食大陸オーストラリア、美食とワインをめぐる旅へ

Spin Off ビクトリア州 ハイ・カントリー

次世代のワイナリーが、あたらしいワイン&フードのトレンドをつくる

Dal Zotto Wines(ダル・ゾットー・ワインズ)

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ファンキーなラベルのプロセッコ。ほかにもスティルワインもあるが、まずはこれを

ビクトリア州を代表する美食といえばやはりワイン。そのワインにもあたらしい潮流が生まれつつある。たとえば、ハイ・カントリーでもっとも知られているワイン産地のひとつ、キングバレー。このあたりは昔からイタリア系開拓者たちが多く、現在もピノグリ、サンジョヴェーゼといったイタリアンタッチのワインをつくるワイナリーが点在するが、最近は次世代後継者へと受け継がれることで、従来の伝統的なワイン製法からイノベーティブなアプローチへと変えているところが増えている。

それはワインだけでなく、ワイン&フードを意識した設備・サービス。ライフスタイルとしての美食が浸透してきていることのあらわれであろう。

Dal Zotto Winesは1987年に初代オーナーであるオットー・ダル・ゾットー氏が立ち上げたワイナリー。現在は息子であるマイケル氏とクリスチャン氏が、ワインメーカー&ブランドマネージャーとして引き継ぎ、トラットリアを兼ねたワイナリーとして営業している。ここの特徴はオーストラリアではじめて、プロセッコ種によるスパークリングワインを生み出したこと。オットー氏の故郷ヴェネト州へのオマージュとして長年温めてきた夢を実現。2代目によるファンキーなボトリングと軽やかな泡の味わいはシーフードにもよく合い、国内にも確実に定着しつつあるようだ。ワイナリー&トラットリアの窓の外には、広大なブドウ畑と古いユーカリの巨木があり、夏にはテラスでボトルを開けながらこの雄大な風景を堪能するのが楽しい。

Dal Zotto Wines
http://www.dalzotto.com.au

Pizzini(ピッツィーニ)

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クッキングレッスンは本格的なキッチンスタジオで。定員は4~10名

キングバレーのもうひとつのワイナリーがPizzini。オーナーのアルフレッドとカトリーナ・ピッツィーニ夫妻もイタリア系。1978年にこの地でブドウの栽培をはじめ、1994年に最初のワインをリリース。ピノグリージョ、アルネイス、フリウラーノ、ヴェルディッキオ、ヴェルドゥッツォといったイタリア種を主体に、バラエティあるワインを生産している。

そして、ここではカトリーナ夫人による本格的なイタリア料理のクッキングレッスンが受けられる。ワインセラーの横に設けられたキッチンスタジオはまさにプロ仕様。クラスはパスタ、ドルチェ、リゾット、ペイストリーなどさまざまだが、すべてここのワインにあうように考案されている。筆者が体験したのはニョッキとアップルスチュードル。調理後はテーブルを囲み、自分たちがつくったニョッキとともにワインを堪能。じつに楽しい体験となった。

Pizzini
http://www.pizzini.com.au/pizzini/

Feathertop(フェザートップ)

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石づくりの建物はオーストラリアのワイナリーとしては異色。廃材やアジアから移築したオーナメントなどが随所に

このほか、個性的な魅力を持つのが日本未入荷のFeathertop。25年の歴史を持つ中堅ワイナリーだが、ハイ・カントリーの冷涼な気候を活かした繊細なワインは秀逸。「James Halliday Australian Wine Companion」の2014と2015で、5スターワイナリーに選出された実力派だ。

また、ここはレストランとラグジュアリーなファームステイホームを併設し、滞在することも可能。4人まで宿泊できる「Mt Buffalo View Apartment」は、広々としたキッチン&ダイニングを備えた2ベッドルーム・アパートメント。「The Peggy Adelaide Suite」は2名用のスイートルーム。いずれもアジアンアンティークが絶妙にあしらわれ、アーティスティックな空間になっている。

Feathertop
http://www.boynton.com.au

Brown Brothers(ブラウン・ブラザーズ)

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ワインセラーにはコレクションもののビンテージが。126年の歴史を感じさせる

また、オーストラリアワイン好きならば、ぜひ訪れてみたいのがBrown Brothersだ。オーストラリアを代表するワイナリーで、ハイ・カウントリーへのゲートウェイ的存在、ミラワに位置する。1889年、ジョン・フランシス・ブラウンにより誕生した歴史あるワイナリーで、リースリングの貴腐ワインをはじめてオーストラリアでつくったことでも有名。伝統にこだわらず、常に革新的なワインづくりを目指し、現代のニーズにあった製品をいまも生み出しつづけている。

それを支えるのが「Kindergarten」と名づけられたミニワイナリーだ。ここでは実験的な小ロットでの醸造がおこなわれ、高品質なワインができてはじめて、生産ベースで醸造を開始するという。ワインセラーに隣接したレストランでは、ヘッドシェフ、ダグラス・エルダー氏によるローカルな食材を活かしたコンフォートフードを提供。スパークリングから白、赤ワイン、さらにデザートワインと、フルコースの料理にあうワインがそろうのも老舗ワイナリーの実力だといえる。

Brown Brothers
http://www.brownbrothers.com.au

ハイ・カントリー滞在は高級B&Bからセルフアパートメントまで

Ovens Valley Motor Inn(オーブンズ・バリー・モーターイン)

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クイーンベッドルーム。奥にキチネットがある

ハイ・カントリーまでは、メルボルンからクルマでおよそ4時間。日帰りで行くことも可能だが、フード&ワインを満喫するにはやはり1泊はしたい。ブライトは小さなモーテルやB&Bが主流で、そのなかで人気があるのはOvens Valley Motor Inn。クルマを目の前に停めることができるモーターインで、改装が施された24の客室は、シンプルながら快適。小さなプールやテニスコートなども備えている。

Ovens Valley Motor Inn
http://www.ovensvalleymotorinn.com.au

Freeman on Ford(フリーマン・オン・フォード)

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エレガントな朝食ルーム。朝食メニューもボリュームのあるカントリーブレックファスト

ビーチワースで評判なのはFreeman on Ford。トリップアドバイザーのトラベラーズチョイス2015で「トップ・オーストラリアB&B」に選ばれたラグジュアリーな宿だ。ビクトリア様式のエレガントなスイートルームを含め、ゲストルームや館内にはアンティークな調度品が配されて、19世紀当時をおもわせる。アフタヌーンティーなどゲストのためのサービスが整っているのも特筆すべき利点。メインストリートに位置するので散策やショッピング、ダイニングにも最適だ。

Freeman on Ford
http://www.beechworthluxurybedandbreakfast.com.au

なお、ハイ・カントリーは冬場、スキーリゾートエリアとなりシーズン中はスキーヤーでにぎわう。宿泊も込み合うので早めに予約をしたほうがいい。今回のようにフード&ワインを楽しむための訪問なら、冬以外の季節がお勧めだ。さわやかな夏や紅葉も楽しめる秋、おだやかな春など四季を感じさせ、旅心をかきたてる。

<取材協力>
オーストラリア政府観光局http://www.australia.com
ビクトリア州政府観光局 http://jp.visitmelbourne.com

ABOUT
TERADA Naoko

トラベルジャーナリスト 東京生まれ。日本とオーストラリア・シドニーの旅行会社勤務後、編集プロダクションを経てフ […]