パネライとブラバスが初コラボ! パネライ サブマーシブル S ブラバス Black Ops エディション|PANERAI
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2021年11月29日

パネライとブラバスが初コラボ! パネライ サブマーシブル S ブラバス Black Ops エディション|PANERAI

PANERAI|パネライ

100本限定の激レアモデル。しかもパネライ初のスケルトン自動巻きキャリバーを搭載

パネライから新しいパートナーとの共作の登場である。そのパートナーとはメルセデス・ベンツと手を組むドイツの老舗カーチューニングメーカー「ブラバス」。ブラックボディにアクセント・レッドを効かせたカラーコントラストが印象的なモデルだが、搭載するのは新開発のスケルトンムーブメントだ。パネライCEO、ブラバスCEOに、新作の魅力を解説していただいた。

Text by KOIZUMI Yoko

パネライとブラバスが海を舞台に、これまでにない時計作りに挑む

スケルトンモデルにとって最も大切なこと、それはクリアなルックスだ。パーツひとつひとつがシャープに見えることはスケルトンモデルの命綱である。したがって可能な限りパーツ数を減らして、スッキリとしたレイアウトにするのが定石。それゆえスケルトンモデルで大きな円盤パーツを使わなければならない日付表示を備えるモデルは、思いのほか少ないのである。
この視点で、改めて「パネライ サブマーシブル S ブラバス Black Ops エディション(PAM01240)」を見ると、おやおや、日付表示を備えている。それなのに円盤は見当たらない。これはどういうことなのか……。
その理由は、ポラライズドクリスタル日付表示を採用しているから。これはスイス・ヌーシャテルのマニュファクチュールにあるパネライのLaboratorio di Idee(アイデアの工房)で開発されたものである。日付表示窓の表面にポラライズドクリスタルを設置、このクリスタル面を通したときだけ偏光され、数字を読めるという技術だ。
パネライはこのモデルのために新たに自動巻きスケルトンムーブメントを開発。デザインと機能を高次元で両立させた、パネライのマニュファクチュールとしての手腕が明らかになったモデルといえる。
スケルトンムーブメントを邪魔することなく、日付表示をハッキリと見せるポラライズドクリスタル日付表示。

カーチューンメーカー「ブラバス」とのチャレンジ

「ブラバス」とは、メルセデス・ベンツのチューニングを手掛けるドイツの老舗カーチューニングメーカーだ。同社には自動車部門以外にも、船舶部門である「ブラバス マリン」がある。今回、この部署がパネライとともに時計を製作した。
パネライCEOであるジャンマルク・ポントルエ氏は「このパートナーシップは海という共通項が引き合わせてくれました」と話す。
とくに海洋環境への情熱は、互いを結びつける大きなファクターとなったという。
「両社の共通キーワードのひとつにヨットが挙げられます。パネライはクラシックヨット“アイリーン”を所有しており、またプラダのヨットレース事業「ルナ・ロッサ」のスポンサーとしても競技に関わっています。そして今回、ブラバスとの協業により、技術的な分野で深くボートを知ることができました。またお互いの成功事例を共有できるのは大きいですね。例えばパネライはボートを開発することはできませんが、ブラバスと組むことで開発事業に関与することができます。そして一緒にイベントができますのは嬉しいですね。いまパネライはエクスペリエンスという体験型のモデルを発表していますが、ブラバスも我々とともにエクスペリエンスを企画してくれているんです。2022年3月のWatches & Wondersを楽しみにしていてください」
6時と7時の間にブラバスのロゴ。ここにはマイクロローターの巻き上げ機構が格納されている。時計の駆動パワーを生み出す最重要箇所にブラバスのロゴを配しているのだ。
“アイリーン”とは、パネライが廃船状態だった帆船アイリーン号を3年の歳月をかけてレストアしたヨットのことだ。現在は地中海や大西洋を航海し、顧客へのもてなしやイベントに使用している。
ブラバスCEOであるコンスタンティン・ブッシュマン氏は「私たちは企業文化を重要視します。お互いの企業文化が共鳴し合えば速く前進することができます。ですから理解なしに、単に商品にロゴを付けるようなことはしません」と話す。
そのため両社は幾度となくミーティングを重ねたという。
「本当に協業して完成したものを送り出すことが大切です。我々は最初のミーティングからすぐにプロジェクトに取り組み始めました。両社のデザインチームは定期的に集まり、両ブランドのDNAを統合した、“ハイエンドで破壊的な威力ある製品”づくりに取り組んだんです。例えば『パネライ サブマーシブル S ブラバス Black Ops エディション(PAM01240)』のカラーリングにはブラバスの黒と赤を採り入れているんです。パネライの定番モデルとは表情が違うでしょう」と、ブッシュマン氏は誇らしげだ。
なぜなら、この黒と赤は「ブラバス」のハイエンドモデルである「Brabus Shadow900」の限定モデル“Black Ops”にインスパイアされたもの。黒いボディに赤い差し色が特徴の船体は、まさにこのモデルとの協調が感じられる。
「ブラバス マリン」の限定エディション「Brabus Shadow 900 “Black Ops”」。37台限定生産。45万ドル。© 2018 BRABUS Marine
また今回、コラボモデルの製作にあたり、ブラバスからパネライ側に技術的に新しい挑戦が望まれたそうだ。それを受けてパネライが新たに開発したのが自動巻きスケルトンムーブメント「P.4001/s」である。ベースとなるのは汎用性の高さで知られるオリジナルムーブメントP.4000。この完成により、“Shadow Black Ops”との親和性が生まれ、大胆かつ力強いデザインが生み出された。
「P.4001/s」ではマイクロローターが採用されているが、これも自動巻きの簡便性とスケルトンの美観を両立する要因のひとつだ。
ヌーシャテルのパネライマニュファクチュールで設計・製造された「P.4001/s」。ローターは両方向巻き上げが可能。0~3の数字が入った小さなダイアルはパワーリザーブインジケーター。
ポントルエ氏は「これまでパネライのスケルトンモデルはトゥールビヨンやムーンフェイズなど複雑機構搭載モデルにしか使われていませんでした。『P.4001/s』によって、パネライのダイビングウオッチ初のスケルトン自動巻きモデルが誕生しました。モデル名やムーブメント名にある『S』とは、このスケルトン仕様を受けて付けられたものです」と説明する。
『パネライ サブマーシブル S ブラバス Black Ops エディション』の発売は2022年2月、世界限定100本だ。
「すでに多くのクライアントが興味を示しています。限定品ではよくあることですが、とくにシリアルナンバー1を欲しがっています(笑)」と、ブッシュマン氏。

TEASER II 16 9

世界中のパネライファン、とくにブラバスファンにとって注目モデルとなっているが、一方で、パネライ×ブラバス第2弾はすでに進行中とのこと。ポントルエ氏は「モデルは今回同様サブマーシブルを採用します」と話しているが、その詳細はいましばらくお預けだ。
サブマーシブル S ブラバス ブラック オプス エディション(PAM01240)
ムーブメント|自動巻きメカニカル(パネライ自社製P.4001/s)
パワーリザーブ|約72時間
機能|時、分、秒(9時位置)、am/pm表示を備えたGMT
ケース|カーボテック™
ケース径|47mm
防水|30気圧
価格|561万円(税込)
問い合わせ先

オフィチーネ パネライ
Tel.0120-18-7110
http://www.panerai.com/

                      
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