「アメリカン1921」100周年を祝す、ヴァシュロン・コンスタンタンのアーカイブピース展覧会「クラシック ウィズ ア トゥイスト」|VACHERON CONSTANTIN
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2021年9月24日

「アメリカン1921」100周年を祝す、ヴァシュロン・コンスタンタンのアーカイブピース展覧会「クラシック ウィズ ア トゥイスト」|VACHERON CONSTANTIN

VACHERON CONSTANTIN|ヴァシュロン・コンスタンタン

「フォルム」と呼ばれる特殊な形の時計から独創的な表示モデルに至るまで、ヴァシュロン・コンスタンタンの20世紀初頭のアーカイブピースを展示

ヴァシュロン・コンスタンタンは、1920年代を特徴づける大胆さと創造性が体現されたアイコニックなモデル「アメリカン1921」の100周年を祝し、20世紀初頭に手掛けた自由闊達なアーカイブピースを展覧する「クラシック ウィズ ア トゥイスト(Classic with a Twist)」を、2021年10月11日(月)まで、ヴァシュロン・コンスタンタン 銀座ブティックにて開催している。

Text by OZAKI Sayaka|Edit by TSUCHIDA Takashi

20世紀初頭の精巧な時計製造技術によって誕生した貴重なアーカイブ

ヴァシュロン・コンスタンタンは、時計収集家の間で人気を博すアイコンウオッチ「アメリカン 1921」の100周年を祝し、アーカイブピースを展示する「クラシック ウィズ ア トゥイスト(Classic with a Twist)」を開催している。
1910年代から1930年代のヴァシュロン・コンスタンタンは、並外れた芸術的創作に熱心に取り組んだことで名を馳せた。本展で披露される多種多様な「フォルム」と呼ばれるケース(非ラウンド型ケース)や特殊なデザインは、ブランドの歴史における刺激的な一時代を映し出すものだ。
「Classic with a Twist = 伝統的でありながら遊び心がある」は、狂騒の20年代やアールデコ運動の流れの中でヴァシュロン・コンスタンタンが編み出した、様々な形状やデザイン、幾何学図形を大胆に用いた型破りな形状、さらにはいくつかの特殊な表示やオフセンターの表示に見られる、旺盛な創作意欲と唯一無二のスタイルを証明するものだ。
腕時計は、19世紀の終わりまで女性だけが着けるアクセサリーと考えられていたが、20世紀に入ると、腕元で時刻が分かる機能性や快適さが理解され、男性をも魅了するようになった。ヴァシュロン・コンスタンタンは、腕に着けて使うスタイルの将来性を見抜き、1889年にはバングルタイプの女性用ブレスレットウオッチを創作した。これが、メゾンのアーカイブの中で製造された時期を知ることができる、おそらく最も古い腕時計だ。
そしてムーブメントの小型化の目覚ましい進歩によって、ケースの形状も驚くほど多種多様な前衛的デザインが可能となり、トノー(樽型)、ロザンジュ(ひし形)、レクタングル(長方形)、クッション、オーバル、横から見て湾曲したタイプなど極めて独創的なウオッチが製造された。「クラシック ウィズ ア トゥイスト」では、こうした1910年代から20年代にかけて創作されたアーカイブピースが展示され、現在も引き継がれる、あらゆるアイコニックなケース形状を鑑賞できる。
「Ref.10242」は、1917年に製造された18Kイエローゴールド製のスクエア型腕時計だ。この形状は、1910年代に建築や芸術の世界で起こっていた幾何学デザインのトレンドを反映したものだが、時計としては、伝統的なラウンド型の懐中時計との訣別を表す革新的なスタイルとなった。
1919年製造の「Ref.11144」は、「尖ったひし形」を意味するポインテッド・ロザンジュ型の腕時計。18Kイエローゴールド製ケースの洗練されたラインに向かって長く伸びるブラックエナメルのアラビア数字と、細かなグレイン仕上げを施したシルバートーンのダイアルが、大胆で独創的な印象を与える。また、18Kイエローゴールド製のしなやかなブレスレットが、本物のジュエリーのように腕のカーブを包む。
「Ref.11507」は、1919年に製造されたクッション型腕時計だ。これはヴァシュロン・コンスタンタンが、腕への装着に適したケースを考案する中で誕生した形状のひとつで、先駆的なモデルのひとつに数えられる。
そして同年の1919年製造の「Ref.12131」は、クッション型ケースに1時と2時の間にリュウズを備えたウオッチ。径11リーニュのRAニュー・アメリカン・キャリバーが搭載され、リュウズはケースの右側に配されている。スモールセコンドはもともとの位置の7時から8時の間に置かれ、リュウズと対角線を成している。
そして1922年製造のトノー型「Ref.10357」は、腕時計が一種のジュエリーとして次第に日常的なアクセサリーとなったことを表すモデルだ。18Kイエローゴールド製の湾曲したケースに、細かなグレイン仕上げが施されたダイアルを搭載し、ブラックエナメルによる上品なアラビア数字と外周のミニッツトラックが配されている。
また1928年製造の「Ref.11487」は、ムーブメントの小型化により、腕元にさらなる上品さをもたらす美しいプロポーションを実現したウオッチだ。ケースバックにはアメリカ合衆国でヴァシュロン・コンスタンタンの代理店を務めたE.E.Robert New Yorkの名が刻まれ、この種の時計がアメリカの顧客を魅了したことを示している。
1929年製造の超薄型懐中時計「Ref.10152」は、1920年代後半にロベール・カールが発明し、「クロノスコープ」の名で特許を取得した大胆な複雑機構を搭載。ジャンピングアワーを備え、12時位置の窓で時間の数字を示し、分はダイアルに沿って回転するミステリアスなアロー型のインデックスによって表示される。これらの特別な表示は、ヴァシュロン・コンスタンタンの精巧な技術を通して、創造性の幅広さを示すものだ。
1929年に製造された「Ref.10164」は、「サプライズウオッチ」とも呼ばれ、ヴェルジェ・フレールが特許を取得したシャッターウオッチの原理を生かしたもの。ハンドバッグやポケットの中にしまい携行したり、あるいはデスクに置いて使えるよう工夫を凝らした小さな宝石は、ホワイトゴールドで作られ、両側にカボションカットのルビーが10個あしらわれている。
展覧会「クラシック ウィズ ア トゥイスト」は、1910年代から1930年代、ジュネーブからアメリカ合衆国へと向かう時代を背景として、当時の嗜好や腕に時計を着けるスタイルの普及について詳しく紹介するとともに、“伝統”と“型破り”が絶妙な調和を成すようにテクニックとスタイルを凝らし、思いもよらぬ美的表現を開発して成功を収めたヴァシュロン・コンスタンタンの転換点をも浮彫りにする展覧会だ。

クラシック ウィズ ア トゥイスト (Classic with a Twist)

  • 会場|ヴァシュロン・コンスタンタン 銀座ブティック
  • 住所|東京都中央区銀座7-8-8
  • 会期|2021年9月7日(火)~10月11日(月)
  • ※新型コロナウイルス感染症対策のため、人数制限がかかっている場合があります。来店前にブティックへお問い合わせください。
問い合わせ先

ヴァシュロン・コンスタンタン
Tel.0120-63-1755
http://www.vacheron-constantin.com