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2015年4月1日
BASELWORLD 2009|“揺るぎなき価値”の追求へ
BASELWORLD 2009|バーゼルワールド 2009
“揺るぎなき価値”の追求へ
去る3月、スイスにて世界最大の時計見本市である「バーゼルワールド」(通称バーゼルフェア)が開催された。今後つづく新作モデル特集に先駆けて、今年の傾向をここでご紹介。
文と写真=渋谷康人
“揺るぎなき価値”の追求へ
こんな不況下だからこそ、いつの時代も変らないものを。少数でも、自分たちにしかつくれない“揺るぎなき価値”のある腕時計を――今年のバーゼルフェアには、そんな作り手たちの熱い思いが溢れていた。
この十数年、年を追うごとに賑わいが加速してきた世界最大の時計宝飾フェアの雰囲気も、今年は一転、ついに落ち着いたものになった。
そんななか、世界中から集まったバイヤーやジャーナリストの熱い注目を集めたのが、「タグ・ホイヤー」や「オメガ」、「ゼニス」など、今日の機械式腕時計がデザイン的にもメカニズム的にも完成した時代、1960年代から1970年代初頭にかけて登場した名作の複刻モデルと、「ブルガリ」や「ブライトリング」から登場した、自らの手でじっくり時間をかけて開発した新型ムーブメントを搭載した“マニュファクチュール”モデルのふたつ。
いずれも、ブランドの歴史や哲学に基づいた、そのブランドでなければつくり得ない力作といえる。
またシャネルやディオール、グッチなど、ファッションメゾンがリリースした、時計専業メーカーに負けない本格モデルも見逃せないトピックのひとつである。