CITIZEN|2013年新作ウォッチ、バーゼル現地レポート
CITIZEN|シチズン
芸術的なインスタレーションも大きな話題に
「プロマスター」の革新を告げるふたつのフラッグシップ
2009年のバーゼルワールドから、技術開発力にデザインの美しさが伴った近未来型の時計、「シチズン エコ・ドライブ コンセプトモデル」を発表し続けてきたシチズン。今年は、1989年に誕生したスポーツウォッチシリーズ「プロマスター」に、最先端の技術と遊び心のあるデザインという価値をくわえ進化。あらたな命を吹き込む。
Text & Photographs by SHIBUYA Yasuhito
約5万6000個のムーブメントによる幻想的なインスタレーション
会場の大リニューアルに伴って、各ブランドのブースの位置もデザインも、ほぼすべてが一新された2013年のバーゼルワールド。スペースを贅沢に使った斬新なデザインのブースが存在感を競ったが、シチズンはそんな新ブースのなかで間違いなく、もっとも高い評価を得たブランドのひとつだ。フェア開催中は常に多くの来場者で賑わっていたし、地元テレビ局からの取材も何度も見かけた。
その原動力となったのは、ブースに設置された、世界の建築・デザインアワードを数多く受賞してきた注目の建築アーティスト集団DGT(ドレル・ゴットメ・田根/アーキテクツ)による、約5万6000個のムーブメントの地板を使った美しく幻想的なインスタレーション“FROZEN TIME”。
一等地だったメインホール1階から2階へのブース位置移動のデメリットを補ってあまりある吸引力で、シチズンが掲げる「技術と美の融合」というプロダクトポリシーを強烈にアピールした。
また今年は、メディアへのプレゼンテーション方法も会場に合わせて一新。メディアごとに個別に説明をする方式から、初の総合プレゼンテーションを開催。そこで発表された新作は、コンセプトモデルや発売に関しては1年以上先といった趣のプロダクトとは違い、すでに発売することが決定した“フラッグシップモデル”と銘打つ、ふたつの新作だ。
人工衛星から時刻情報を受信するサテライトシステムを搭載した“世界最速で宇宙と繋がる時計”、新作「プロマスター エコ・ドライブ サテライト ウエーブ・エア」。そしてもうひとつが、1989年に誕生したスポーツウォッチシリーズ「プロマスター」を代表するモデルのひとつであり、再び“アルティクロン”の名を冠し復活を遂げた「プロマスター エコ・ドライブ アルティクロン シーラス」。
どちらもシチズンの看板技術であるソーラークォーツシステム「光発電エコ・ドライブ」を使ったタフで多機能なモデルで、ブース同様に日本的な詩心が感じられる、使い込むほどに良さがわかる魅力的なスポーツウォッチである。
代表取締役社長の青柳良太氏は「腕時計は工業製品だが、思い入れが入りやすい特別なもの。製品として優れているだけでなく、知性、情熱、革新が感じられる腕時計を、総合時計メーカーとして全方位で作りたい」と現地で語り、腕時計事業の積極的、多角的な展開を表明した。
現地で発表されたプロマスター以外にも、コンセプトチェンジをおこなった「カンパノラ」のように、デザインやコンセプトをさらに進化させたさまざまなモデルの登場に、今後、大いに期待できそうだ。
シチズンお客様時計相談室
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