スカルトレンドを牽引してきたベル&ロス最新作「ラッフィング スカル」|Bell & Ross
Bell & Ross|ベル&ロス
スカル。それは死と隣り合わせのなかで
自らの使命をまっとうするため
Bell & Rossが仕掛けた次なるスカルは、"微笑むスカル"だ。しかもユーザーがゼンマイを巻き上げる力を利用してスカルの下顎が動き出す仕掛け。その不敵な笑みは、見る者を釘付けにする。とても大事なことだから、もう一度言います。そのスカルの不敵な笑みは、見る者全員を釘付けにする。
Text by TSUCHIDA Takashi(OPENERS)
巻き上げるたび、腕上のスカルが微笑みかける
もともとスカルモチーフはパイレーツたちの間で用いられてきたアイコンだ。スカルを崇めることで、勇気をもらい、あらゆる敵を恐れさせると考えられてきたからだ。時は下り、スカルは軍隊でも用いられた。それは自分の弱さを忘れさせないものとして。時には死と隣り合わせのなかで、自らの使命をまっとうするべく、多くは制服や飛行機の機体にスカルをシンボルとして掲げたのだ。ベル&ロスの「BR 01」シリーズが幾度となくスカルモチーフを打ち出してきた背景には、こうしたストーリーがある。
しかし、今回のスカルモチーフはこれまでのものとは趣を異にする。なぜなら、香箱の動きと直結してスカルが微笑むからだ。この自動規律的に動きが加わる機構を、時計の専門用語では「オートマタ」と呼ぶ。14世紀に登場して以降、中世の人々、そして貴族たちを魅了してきたオートマタだが、ベル&ロスが創造したオートマタは、そうしたノスタルジックなものではない。スカルが微笑むのだ。しかもその微笑みは、自分だけに向けられている。つまり、"意味深"このうえない。
このモデルのために新しく開発されたムーブメントCal.BR-CAL.206には、ゼンマイを巻き上げる香箱芯から、スカルの下顎を動かす歯車がのびている。裏側から見ると、ちょうど6時位置の角穴車(ゼンマイ巻き上げ時に作動)の芯につながっている歯車がそれだ。一方で、スカルの右口元から右こめかみにむかっての歯車が告時用の輪列である。
そして頭頂部には調速機構。このレイアウトが、まるで生きたスカルであるかのような錯覚を誘う。しかもスカルは4本の柱によって支えられ、浮遊しているようにも見える。
500本限定としてリリースされるこのモデルは、アメリカ・ラスベガスで5月31日(木)から開催している時計宝飾展「COUTURE」にてローンチ。世界最大のマーケット、アメリカ本国で行なわれる、時計の祭典である。またバリエーションとして、スカルにダイヤモンドを一列装飾したプレシャスなモデル(世界限定99本)や、ダイヤモンドをさらに敷き詰めたフルパヴェモデル(同じく世界限定99本)のローンチも決まっている。
スカルというシンボル的にも、またオートマタの見地からも、スカルが微笑むという動きは、このジャンルの金字塔となるだろう。