いまも進化をつづける“独創性”の伝統

ウブロとは、フランス語でヨットの「舷窓」（船体横にある丸型の窓）のこと。製品のベゼル部分はまさにそのカタチであり、群雄割拠が著しいラグジュアリー・スポーツウォッチの世界でも、他のブランドとは一線を画した明確なキャラクターでセレブリティたちから「指名買い」される存在だ。

じつはこのキャラクターは、1980年に最初の製品を世に送り出したころからのもの。そもそもウブロ創業のキッカケは、時計業界で活躍していた創業者のカルロ・クロッコ氏自身の思いだった。当時の市場に、みずからがほしいと思うスポーツウォッチがなく、「ならば自分で作ってしまおう」と企画したのがはじまりだ。

カロッコ氏の作り出したこの革新的なスポーツウォッチの最初の顧客が、ギリシャの元国王だったというエピソードは愛用者のあいだでは有名だ。間もなくウブロは、映画俳優やミュージシャンなど氏の個人的なネットワークで次第に知られるようになり、富裕層のあいだで秘かに評判になっていく。その魅力は2004年からブランドのマネジメントを引き継いだ現代時計界のカリスマ、ジャン・クロード・ビバーの手でさらに高められ、人気は爆発した。

2005年に発表された、セラミックやラバー、ゴールドなど先端素材を大胆に組み合わせた「ビッグ・バン」、そして2007年に登場したビッグ・バンの「オールブラック・モデル」が作った“文字盤からストラップまですべてが精悍なブラック”というトレンドが、いまも時計界を席巻しているのはご存知のとおりだ。

満を持して、史上最強のダイバーズ登場

2011年のウブロも、このブランドのつねではあるが話題性、魅力には事欠かない。ミニッツリピーター機構つきのクロノグラフや、素材自体に赤いカラーをつけたサファイアクリスタル風防を使ったモデル、レディスファッションの世界で圧倒的な人気を誇るレオパード柄を全面にあしらったレディス・クロノグラフ、初のホワイトセラミックモデル、そして買収したムーブメント開発メーカー BNBコンセプト社の技術を継承する完全自社開発の複雑モデルコレクション「マスターピース」など、どれもご紹介に値するものばかりだ。

だがそんな魅力的なコレクションのなかでも、OPENERS読者の皆様にぜひご紹介したいのが、ダイバーズウォッチ史上はじめて4000メートル防水を実現した「キング・パワー・ダイバー4000 カーボン」だ。すべてのひとを驚かせる大胆で力強いデザインとスペックは、まさにウブロというブランドの真骨頂である。

キング・パワー・ダイバー4000 カーボン
驚きの4000m防水を実現した、現在最強のプロダイバーズ

創業以来、ダイバーズを作りつづけてきたウブロが完成させた、時計史上最強4000メートル防水を実現した注目のハイスペック・ダイバーズ。ケースやベゼルはすべて、鋼鉄より遥かに軽量で剛性にも優れた、自社ファクトリー内のオートクレープ（窯）で焼成するカーボンファイバー製。ケースサイドに大型のヘリウムエスケイプバルブを装備し、プロダイバーがおこなうヘリウム混合ガスを使った飽和潜水にも対応する。大型モデルだが、腕に着けてみると予想外の軽さとフィット感に感銘を受ける。4000メートル防水というおなじ基本スペックで、ケースとベゼルの素材をチタンとしたモデル（予価・174万3000円）もある。

自動巻き、直径48mmのカーボンファイバー製ケース、カーボンファイバー製ベゼル、ラバーストラップ、世界限定1000本、233万1000円（予価）。発売時期未定。

ウブロジャパン
Tel. 03-3434-3002