すべて手仕事、1億8000万円の機械仕掛けの鳥|FRERES ROCHAT
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2015年10月1日

すべて手仕事、1億8000万円の機械仕掛けの鳥|FRERES ROCHAT

FRERES ROCHAT|フレール・ロシャ

スイス伝統のシンギングバードブランド復活

スイス時計の精緻なメカニズムを楽しめるのは、腕時計だけではない。からくり人形の仕組みと時計を組み合わせて制作された数々の時計があり、なかでも、設定した時刻にまるで鳥がさえずっているような機械仕掛けの“シンギングバード”の伝統はスイスに古くから継承されてきた。フレール・ロシャ社は、そんな精密なシンギングバードの老舗ブランドだ。

Text by KAWADA Akinori

手に乗るサイズで、伝統の精密工芸を実現

時計には、腕時計や懐中時計のほかに、置時計や柱時計があり、現代においても、工芸的に精緻を極めた機械式のクロックが作り続けられている。

このほど、日本に上陸したフレール・ロシャもそのひとつ。創業者は18世紀後半に活動していた時計師デヴィッド・ロシャと、19世紀まで活躍したフランソワ、フレデリック、サミュエルという3人の兄弟たち(フレールとは、フランス語で兄弟の意味)。彼らはスイス時計のメッカ、ジュウ渓谷(ヴァレ・ド・ジュー地方)に拠点を置き、スイス時計史に名を残す時計職人にして、世界的なからくり人形師だったジャケ・ドローの工房に、“シンギングバード”のムーブメントを卸していた。

“シンギングバード”は、1時間ごとの時報機能(ソヌリ)付きの置時計とからくり人形を組み合わせたもので、定時になると、からくり人形の鳥が動き出し、同時に鳥のさえずりやオルゴールの音を奏でる。フレール・ロシャは、デヴィッド・ロシャと3人の息子たちから“シンギングバード”の製造の伝統を受け継ぎ、2013年にスイスで復活したブランドなのである。

今回、日本に上陸したのは、現代的な解釈をくわえた“シンギングバード”である。

「アルシュ ノワール」はゴールドの台座に、精緻な“シンギングバード”の機構をセットする。上面はガラスのプレート、センターには装飾が施されたゴールドの蓋がセットされる。この蓋が演奏ボタンを押すと開き、ゴールドで形作られた小鳥が姿を見せる。同時に内部に仕掛けられたフイゴが動作し、美しい鳥の鳴き声か、美しいオルゴール演奏を奏でる(任意のタイミングで作動させることもできる)。これらの一連の機構の動作が鑑賞できるという点で、スペクタクルにあふれている。

「コンタンプラシオン・デュ・セリジエ・インペリアル」は、その外観の豪華さと優雅さに目を奪われる。18Kホワイトゴールドのボックスは、桜のモチーフにダイヤモンドをセットした意匠に埋め尽くされ、フェミニンに仕立てられている。演奏ボタンを押すと蓋が開いて、現れた鳥が美しい声を聞かせてくれる。

かつての“シンギングバード”は、大がかりな仕組みで、鳥かごを模したスタイルが多かった。フレール・ロシャは現代の精緻な技術で作り上げられ、コンパクトな設計になっている。どのモデルも人の手のひらに乗せられるほどのサイズである。

贅を尽くした応接間のテーブルにさりげなく置いて、上品に訪問客を驚かせることができる、そんなウィットにあふれ、文化の香りも高いラグジュアリークロックを一度は目にしたいものである。

tp1

アルシュ ノワール
ケース|18Kローズゴールドの台座+ダイヤモンド付き18Kローズゴールドの支柱
ムーブメント|手巻き(Cal.FR2903)
機能|演奏ボタンの操作により作動するソヌリ:2つのバードソング(ミソサザイ、アメリカムシクイのさえずり)またはオルゴール演奏(モーツァルトの交響曲第40番からの抜粋)
予価|1億8000万円

tp2

コンタンプラシオン デュ セルシエ インペリアル
ケース|ダイヤモンド付き18Kホワイトゴールド
ムーブメント|手巻き(Cal.FR2903)
機能|演奏ボタンの操作により作動するソヌリ:2つのバードソング(ミソサザイ、アメリカムシクイのさえずり)またはオルゴール演奏(モーツァルトの交響曲第40番からの抜粋)
予価|2億5000万円

問い合わせ先

ノーブルスタイリング

Tel. 03-6277-1604

http://noblestyling.com

           
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