Watch & Jewelry
2015年8月19日
A. Lange & Sohne|カバレット
A. LANGE & SÖHNE|A.ランゲ & ゾーネ
CABARET|カバレット
Text by OPENERS
1998年の誕生以来、優美な湾曲を帯びたレクタンギュラーケースで人気を博す「カバレット」。英語で「キャバレー」を意味するモデル名の通り、古き良き時代のエレガンスを感じさせる名品である。
まず特筆すべきは、ランゲが得意とする“アウトサイズデイト”の搭載だろう。日付を大きく表示するためには、2枚のディスクを必要とするが、通常の角形ウオッチでこれを実現するのは、スペースの制約上、非常に困難をともなう。しかし、同社は特許取得済みの新機構を開発することで、スペース効率を最大限高めながら、大型の日付表示を実現。工芸レベルの審美性だけには終わらない、機能性に対するあくなき追求も、雲上ブランドならではの矜持といえる。
そして、時計を裏返せば、角形ムーブメント「Cal.L931.3」が、シースルーバックから眺められる。角形ケースに対して、丸形の汎用ムーブメントを搭載するのではなく、きちんと角形ムーブメントを搭載する律儀さも、ランゲらしいこだわり方である。ケースフォルムに合わせたムーブメントを開発することで、不用意にケースを大型化することなく、あくまで紳士の腕元に相応しい端正なプロポーションを保つことができるのだ。
手巻き。毎時2万1600振動。42時間パワーリザーブ。ケース縦36.3mm×横25.5mm。18KPGケース。クロコダイルベルト。3気圧防水。235万2000円。