MOVIE｜正反対の二人の友情がユーモアと涙をもたらす『最強のふたり』

MOVIE｜ヨーロッパでの空前のヒット作が日本上陸

正反対の二人の友情がユーモアと涙をもたらす『最強のふたり』

首から下が麻痺した大富豪と、彼を介護するスラムの黒人青年。まさかの親友になったふたりの実話をもとに描いた、笑いと感動あふれる『最強のふたり』が、9月1日（土）からTOHOシネマズシャンテ、TOHOシネマズ六本木ヒルズなどで全国ロードショーされる。

Text by YANAKA Tomomi

東京国際映画祭でグランプリと主演男優賞のW受賞

フランスでの昨年の興行収入ナンバーワンをはじめ、ヨーロッパで空前のヒットを飛ばした『最強のふたり』。昨年秋に開催された第24回東京国際映画祭でグランプリ受賞と、主演の二人が主演男優賞をダブル受賞するなど、日本でも話題をさらった映画がついに公開される。

映画の製作、脚本は、本作のもととなったドキュメンタリーを見て感銘を受けた、オリヴィエ・ナカシュとエリック・トレダノのふたりの監督。これまでにもタッグを組んで作品をつくりつづけてきた彼らが、長年温めてきた構想を実現させた。

辛辣な顔の下に繊細な魂を秘めた、孤独な大富豪フィリップには、フランスが誇る演技派フランソワ・クリュゼ。いっぽうの自信過剰で乱暴でありながら、慈悲の心をもったドリスには、人気コメディアンとして知られるオマール・シーが、底抜けに明るくチャーミングに演じている。

クラシックとソウル、高級スーツとスウェット……正反対のふたりが描く友情

スラム街出身で無職の黒人青年ドリス。そして、パリの邸宅に住む大富豪フィリップ。パラグライダー事故で首から下が麻痺したフィリップの、介護者選びの面接で出会った何もかもが正反対のふたり。他人の同情にうんざりしていたフィリップは、不採用の証明書でもらえる失業手当が目当てという、ふざけた態度のドリスを採用する。

クラシックとソウル、高級スーツとスウェット、文学的な会話と下ネタ……。相容れないふたりだが、ともに偽善を憎み、本音で生きようとする姿勢は同じ。いつしか互いを受け入れはじめたふたりの生活は、ワクワクする冒険に変わり、ユーモアにあふれた最強の友情が生まれてゆく。