血液検査で早期に悪性がんを捕捉する新時代のがん検査「マイクロCTC検査」|LOUNGE

代々木ウィルクリニック

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2023年12月20日

血液検査で早期に悪性がんを捕捉する新時代のがん検査「マイクロCTC検査」|LOUNGE

LOUNGE|マイクロCTC検査

これからの時代のがん検査「マイクロCTC検査」

一生涯のうち、2人に1人以上が「がん」と診断される現代。一方で早期に発見、治療した人の生存率は総じて高く、これからの時代はいかにして早くがんを発見できるかが鍵となりそうだ。そのような中、全身のがんリスクを血液検査のみで発見できる「マイクロCTC検査」が注目を集めている。

Text by YANAKA Tomomi

簡便な採血のみで、浸潤や転移する高い可能性を持つ「間葉系のがん細胞」だけを特定

がんは早期発見すれば治る病気──。頭では理解しているものの、がん検診が面倒なのも間違いのない事実。
胃がんであればバリウムを飲んで検査するか、胃カメラでの検査が必要だし、肺がんならレントゲンなど、がん検診は部位ごとに受ける必要がある。検査によっては身体的な負担があったり、時間がかかったりする。PETやCT、MRIなどによる被ばくの不安などもある。
そのような中、血液検査で悪性度の高いがん細胞のみを捕捉する「マイクロCTC(Circulating Tumor Cells=血中循環がん細胞)検査」に関心が向けられている。
「マイクロCTC検査」とは、悪性度の高いがん細胞のみを補足することができる血液検査。「マイクCTC検査」を専門的に行っている代々木ウィルクリニックの院長で、マイクロCTC先進医療研究所所長の太田剛志氏によると、「がんは、浸潤や転移をしなければ実はそんなに怖くない病気」という。
代々木ウィルクリニックの太田剛志院長
「がんが怖いのは浸潤や転移により全体を蝕んでいくこと」であり、「上皮性のがん細胞」が上皮間葉転換(MET)し、悪性度の高い「間葉系のがん細胞」になることで、浸潤や転移する高い能力を有するようになるという。
従来のCTC検査は、「上皮性のがん細胞」を捕捉してきたが、「マイクロCTC検査」はさらに進化した検査ツールとなる。
検査にはアメリカのMDアンダーソンがんセンターが開発したCSV(細胞表面ビメンチン)抗体を利用。浸潤や転移する高い能力を持ち、血中に漏れ出て循環している「間葉系のがん細胞」だけを特定して検出できる仕組みにより、悪性度の高いがんがあるかどうかを判断する。
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この「マイクロCTC検査」の最大の魅力といえるのが、検査の簡便さ。たった1回、5分の採血で血液がん以外の全身のがんリスクを発見することが可能だ。さらに、採血した血液中に「間葉系のがん細胞」が何個あるかも明示されるのだ。
全身がん検査でメジャーなPETやCT、MRIの場合、検査前の絶食はもちろんのこと、所要時間も長く、身体的負担も大きい。

また、苦手な部位や、足りない部位(胃や大腸など)を追加で検査する必要もあり、本当の意味で全身をくまなくチェックしようとしたら1日以上かかる。

さらに、環境省が定める民間人の放射線線量限度は年間1ミリシーベルトに対し、PETやCTを1回受けると10-25ミリシーベルトの被ばく線量となるなど、逆に発がんリスクが高まる可能性もある。
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40代以上になると大腸がんや肺がんといった、毎年のがん検診が推奨されているものもあるが、検査に取られる時間や身体的な負担が“面倒くさい”という気持ちになり、ついついがん検診を先延ばしにしてしまっている人も多いだろう。
それが「マイクロCTC検査」であれば、1回5分の採血で済むので、身体的な負担も少なく、血液がん以外の全身がんのリスクを把握できるという、大きなメリットがある。また「マイクロCTC検査」で使用される細胞表面ビメンチン抗体の「がんでない人が陰性となる正確性(特異度)」は94.45%という高い精度もポイントのひとつだ。
一部のがん専門クリニックでは、海外の検査機関を利用したCTC検査を実施しているところもあるが、この場合、空輸で検査機関に持ち込まれるまでに何日もかかり血液の劣化が進み、分析精度が低くなることも。
「マイクロCTC検査」では、採血後すぐに国内の検査センターに運ばれるため、迅速な検査が実施でき、輸送費も低いため、より高品質かつ低価格での検査が可能となるという。
採血後は国内の検査センターで迅速に分析を実施
この「マイクロCTC検査」により、早期にがんリスクを発見でき、ひいては早期治療や治癒につながる症例もすでに発表されている。
例えば、フランスのパスツール研究所の2014年の論文によると、慢性閉塞性肺疾患の患者において、がんを認めない168人の患者のうちCTC検査により5人からがん細胞を発見。その5人全員は1-4年後に肺がんが発生し、いずれも早期がんのため、治療により全員治癒したという。
このほかにも、がんの再発の発見にも有効だということがアメリカの「MDアンダーソンがんセンター」の研究論文でも発表されており、がん治療後に定期的にCTC検査を受けることで、再発の可能性があるかないかを判断するツールとしても活用されているそう。
代々木ウィルクリニック
「マイクロCTC検査」ができる医療機関は直営の代々木ウィルクリニックのほか、北海道から沖縄まで35都道府県にある150のクリニックを展開。予約もインターネットから手軽にすることができる。
全身のがんリスクを安心に簡単に調べられる「マイクロCTC検査」は、これからの時代のがん検査として大きな一石を投じることとなりそうだ。
問い合わせ先

マイクロCTC検査
https://micro-ctc.cellcloud.co.jp/

代々木ウィルクリニック
https://willclinic.jp/

                      
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