益戸育江さんと行く、モルディブ「シックスセンシズ・ラーム」への旅
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2015年3月11日

益戸育江さんと行く、モルディブ「シックスセンシズ・ラーム」への旅

SIX SENSES RESORTS&SPAS|シックスセンシズ リゾーツ&スパ

エコでラグジュアリーなSLOW LIFEを実現する滞在を

女優 益戸育江さんと行く、モルディブ「シックスセンシズ・ラーム」への旅(1)

「SLOW LIFE」を実践するリゾートとは?――自然豊かな場所のなかにある、環境に最大限配慮をしたリゾートを展開する「シックスセンシズリゾート」を、女優 益戸育江(旧芸名|高樹沙耶)さんが体験した。OPENERSでブログももつラグジュアリートラベルのプロ、村井和之氏がリポートする。

text by MURAI Kazuyuki

エコ・ラグジュアリーを実践する「シックスセンシズ・ラーム」

多くのリゾート愛好者を魅了する、インド洋に浮かぶ楽園「モルディブ」。1000以上の島からなるこの国は、観光と漁業を主産業とする海洋国家。ワンアイランド、ワンリゾートが基本のモルディブだが、リゾートホテルの数は、100を超え、近年20近いホテルのニューオープンが控えているという。

以前は、首都マーレから、スピードボートや、水上飛行機でアクセス可能な範囲を中心にリゾートホテルのオープンラッシュであったが、すでにマーレ近郊は過密状態。最近では、国内線でアクセスする遠く離れた環礁に、リゾートホテルがオープンしはじめた。距離は遠くなったものの、日中しか飛べない水上飛行機に比べ、夜でも飛行可能な国内線を利用することで、夜間の到着が多い日本路線では、同日に乗り継ぎ、アクセス可能なリゾートが増えた。羽田空港の夜発便を使えば、モルディブに日中到着することもでき、モルディブへのアクセスは格段に良くなっている。

あらたなリゾートエリアとして注目されている、国内線利用の南部環礁エリアにあるラーム環礁に新リゾート「シックスセンシズ・ラーム」がオープンした。モルディブでもっとも人気が高いと言われるソネバフシやソネバギリなど、高級リゾート運営に実績のある「シックスセンシズ リゾーツ&スパ」の運営するリゾートだ。



シックスセンシズグループは、エコ・ラグジュアリーなホテルとして、世界の富裕層に厚い支持を受けている。いち早くカーボンタックスを取り入れ、宿泊料金の2パーセントを二酸化炭素削減活動に拠出したり、リゾート建築においても、極力、土に返せる素材を利用したり、海や土壌を汚さないよう、無塗装で建物を維持するなど、独自の試行錯誤によって多くのノウハウが蓄積されている。

モルディブにおける高級リゾートの先駆者「シックスセンシズ」が新規オープンした「シックスセンシズ・ラーム」で、9月30日~10月4日までのあいだ、世界の海洋保護団体の代表や、海洋学者、プロサーファーやフリーダイバーなどの世界の海で活躍するアスリートなど、海と密接に関係する人びとが集い、「Water /Wo/Man」というチャリティイベントが開催されるというので、私の友人の、フリーダイビングアスリートでもあり、自然とともに暮らすナチュラリストとしても名高い女優の益戸育江さんとともに、このイベントに参加しつつ、あらたな提案が詰め込まれたという「シックスセンシズ・ラーム」でバカンスを過ごしてみた。

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エコでラグジュアリーなSLOW LIFEを実現する滞在を

女優 益戸育江さんと行く、モルディブ「シックスセンシズ・ラーム」への旅(2)

思い立ったらどこからでも海に飛び込める、自然と一体化した環境

マーレ空港から、南へ約1時間のフライト。国内線もあまり高い高度を飛ばないので、上空から、海に浮かぶ首飾りのような美しい環礁帯を見ながらのフライトだ。

シックスセンシズ・ラームは、ラーム環礁にあるカドドゥ空港から、スピードボートに乗り換えて20分の距離にある。客室が水上にあることは、ここモルディブでは珍しくないが、このリゾートは、レセプション、レストランやウォーターアクティビティセンターなどのパブリックスペースのほとんどが水上に造られており、つねに海を身近に感じるリゾートで、思い立ったら、レストラン、バー、客室どこからでも海に飛び込むことができる。



このリゾートの特徴は、建物だけではない。海そのものが、特徴的なのだ。このリゾートの海域は、遠浅の海がつづいているというのではなく、水深が比較的深い。リゾートから、ボートで少し沖へ出れば、そこには、大きな波が立っている。そう! ここは、モルディブでは珍しいサーフ天国なのだ。


このアクティブな海があったからこそ、海洋保護活動家と、ウォータースポーツアスリートが集い、ともに考えるチャリティイベント「Water Wo/man」が
開催されることとなったのだ。


チャリティイベント「Water Wo/man」

イベントでは、世界を代表するプロサーファー、カイトサーファー、フリーダイバーなどがデモンストレーションやワークショップをおこなったり、環境活動家がカンファレンスを開催したり、また、アスリートと環境活動家がディベートをおこなうなど、海洋保護をテーマに、さまざまなスケジュールが組まれていた。参加者には、ハリウッド女優で、シーシェパードの支援者としても知られるダリル・ハンナ、スーパーモデルとして活躍しているヘレナ・クリステンセン、プロサーファーのテリー・シムズ、珊瑚保全基金代表のカール・ランディンなど、ビッグネームが名を連ねていた。


イベント自体はどうかと言うと、多くの著名人はいたものの、第1回目ということもあり、今ひとつ、何が主題なのか分かりにくかったというのが正直なところ。ただ、国も仕事も立場も異なる人びとが、海をテーマに集い、日夜語り明かす光景は、日本では見られない光景だった。

以前は、ファッションブランドなど、高級ブランド会社のお金のにおいに、いろんな人びとが群がっていたように思えるが、今は、環境保護というキーワードにまつわるお金に、ひとが群がっているなあと、つくづく感じた。つねに海とともに暮らし、海そのものを暮らしの糧としているウォータースポーツアスリートたちと、環境保護活動家が、海や環境保護についてともに語るのは、思考のベースがあまりにもちがうのではないかな? という違和感を感じた。アスリートやジャーナリストたちは、毎晩遅くまで飲み明かし、環境保護活動家は、カンファレンスやディベートの準備に余念がない。海を楽しむという感覚のちがいが大きいのだろう。

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エコでラグジュアリーなSLOW LIFEを実現する滞在を

女優 益戸育江さんと行く、モルディブ「シックスセンシズ・ラーム」への旅(3)

オーナー ソヌ氏が考える「これからのラグジュアリー」

しかし、シックスセンシズにステイすることで、自然環境について、意識を傾けるきっかけになってほしいと願うオーナーのソヌ・シブダサニ氏の想いの強さは、しっかりと伝わってきた。シックスセンシズリゾートのポリシーは、「インテリジェント・ラグジュアリー」。ソヌ氏は、最高のワイン、最高の料理は、パリでも東京でもニューヨークでも楽しむことができる。しかし、最高の自然や星空の下で、最高のワインや料理を楽しむことこそ、これからのラグジュアリーなのではと考え、極力自然環境に配慮したリゾートをプロデュースしたのだ。


今回、旅をともにした益戸育江さんは、オーストラリアの原住民、アボリジニの聖地を訪問したときに、アボリジニの人びとの自然と一体となり生きていく姿に、感銘を受け、みずからのライフスタイルを見なおし、地球や自然と一体になり、ともに生きていく道を選んだ。東京から、千葉の房総半島に転居し、自分の手で土を耕し、野菜を育て、海を感じながら、自然に囲まれて暮らす、この時代における贅たくな暮らしについて、新定義を実践している。フリーダイビングアスリートでもあり、海そのものが育江さんのテーマであることから、近々、さらに豊かな自然環境を求めて、日本の南端 石垣島へ移住することを決めたそうだ。
そんな育江さんとシックスセンシズのオーナーのソヌは、意気投合。育江さんは、ソヌ氏や妻のエヴァ氏との出会いについて、つぎのように語った。


「私は、ハワイにも住んでいたこともありますし、フリーダイビングをしていたこともあり、たくさんの海やリゾートを訪れました。青い海や心地よい風がいつも私を癒してくれますが、今回は、ソヌやエヴァのようなひとが、この世界にいるのだということを知れたことが、私の心の癒しになりました」

シックスセンシズの最高峰リゾート、「ソネバ・フシ」へ

ソヌとエヴァは、育江さんに、自分たちの想いのすべてが込められている、いわばふたりの子どものようなリゾート、シックスセンシズグループ最高峰リゾートでもある「ソネバ・フシ」をぜひ見てほしいと、育江さんを誘った。しかし、この時期は、中国の国慶節にあたり、国内線や水上飛行機はすでに満席。しかし、ソヌみずからが座席を確保するために、粘り強く航空会社に交渉した。そんな彼のピュアな姿を見て、育江さんは、シックスセンシズリゾートの本意が、どこにあるのか悟ったようだった。


イベント中の忙しい状況にもかかわらず、オーナーみずから手配するソヌを見て「本当に胸が熱くなった。ソヌとの出会いで、生きること、尽くすこととは何かを考えさせられた。私も、環境にかんする活動をしていて、周囲を見わたしたとき、気がつかないひとが多すぎる! どうして、何も感じないんだろう? と憤りを感じてしまうことが多かったのだけれど、まずは、自分が実践して見せることをコツコツとつづけるしかないことを再認識するいいきっかけになった」と育江さんは語る。SMART TRAVELER育江さんが訪れた「ソネバ・フシ」は、マーレから、水上飛行機で約45分の距離にあるバアア環礁にある。モルディブでは珍しい非常に大きな島で、豊かな植生が特徴だ。ほかのリゾートのように水上コテージはなく、自然の木々に囲まれたビーチ沿いに、すべてのヴィラが建てられている。今では、リゾートホテルでは、よく目にする「オーガニックベジタブルガーデン」。リゾートで消費する野菜やハーブ類を、敷地内のオーガニック農法の畑で栽培して諸費するというものだが、その試みも、リゾートオープン当時からつづけている。ナチュラルライフスタイルの先駆けだ。

というのも、ソヌは、インド系イギリス人の大富豪ファミリーの出身、エヴァは、1980年代、世界的有名ファッション雑誌『VOGUE』の表紙も飾ったトップモデル。大富豪の家に生まれ育ったピュアなソヌと出会ったエヴァは、ブランド服とメイクアップで、つねにカメラの前で苦笑いをしなければならない人生に別れを告げ、ソヌと結婚した。そんなふたりが、エヴァがモデル時代にたびたび撮影で訪れたモルディブに行き、ふたりでこのモルディブに住むことを決め、そのなかでもとくに選んだ場所が、このソネバ・フシなのだ。

そんなソネバ・フシは、育江さんに、何かインスピレーションを与えることができたのだろうか……。


「地球と共存する生き方を目指すようになって、出会ったフリーダイビング。コンペディションに参加するために、日々、海に深く、深く潜り、クジラやイルカと泳ぐ毎日。さらに地球の意識とひとつにならざるを得ない経験。これらの経験から、海や環境の汚れに気づき、私たち、人間の生活の改善が必要なのだと感じたとき、出会ったのが、人間にとって、恒久的持続的な生活環境をデザインするパーマカルチャーでした。リゾートホテルにもパーマカルチャーが取り入れられているなんて、時代が変わってきたのだと実感。このリゾートがあることによって、人びとの意識革命は必ず起きる。そんなお仕事をされているソヌとエヴァおふたりに、すごく感謝と尊敬の念でいっぱいです。それに、センスがいい! お洒落でユーモアのセンスも抜群。日本では、震災の影響もあり、かなり落ち込んでいたのですが、やる気と勇気をもらいました! ひとつ残念な点は、ショップで、ジュエリーを扱っていたことかな。宝石の採掘にまつわる話は、映画などでも取り上げられたほど、有名。こんなすてきなリゾートなら、フェアトレード商品なんかをプロモートしてあげるといいと思う!」と地球を考えるナチュラリストらしいコメントを残し、帰国の途についた。



コスモクラーツトラベル

Tel. 03-5565-1157

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