
BOOK|レスリー・キー写真集「SUPER LOVE」
BOOK|500人の愛のカタチを写し出す
活動15周年記念、レスリー・キー写真集「SUPER LOVE」
フォトグラファーとして活動15周年を迎えたレスリー・キー(Leslie Kee)。世界中を飛び回り、さまざまな国籍や人種、職業、親子、恋人、友人などの「愛」を表現した写真集「SUPER LOVE」を発表した。
Text by KUROMIYA Yuzu
愛に向き合った500人と、故・山室一幸氏がともに作った渾身作
アジアを代表する写真家として精力的に活動しているレスリー・キー。彼の原点である「ファッション」「ヌード」「ポートレイト」というすべての要素を含んだこの写真集は、素肌に一枚のスカーフをまとうというシンプルな見せ方によって、人間の愛情を描写。被写体が放つ愛を1枚のスカーフがやさしく包み込み、力強く大胆な絆で結びつける。さまざまな違いを尊重して受け入る“ダイバーシティ(多様性)”のすばらしさ、人間が平等にもつ「愛」という感情を見事に表現した写真が印象的だ。
アートディレクションはレスリー・キーと写真集「SUPERシリーズ」を共に手がけてきた千原徹也氏が担当。今回の撮影で被写体がまとっているスカーフは、「エルメス」と「コム デ ギャルソン」のコラボレーションによって誕生した「コム デ カレ」。これは、レスリー・キーが絶大な信頼を寄せつつも、今年3月に急逝したWWD元編集長、山室一幸氏から「このスカーフだけは絶対に買っておくべきだ。君にとってとても重要なスカーフとなるはずだ」とすすめられて購入したもの。この写真集では、被写体から放つ愛を引き出すだけではなく、故・山室一幸氏に向けての愛も表現している。
また、12月1日(日)までパルコパート3にある「PARCO GALLERY X」にて、写真展も開催中。さまざまな人びとの愛のカタチを引き出した写真集「SUPER LOVE」。レスリー・キー自身の愛もまた、500名の被写体から引き出されている。