BOOK|『寺山修司幻想図書館~書を捨てよ、町へ出よう』展
BOOK|没後30年を迎えた偉大なる表現者の“言葉の宇宙”と出合う
『寺山修司幻想図書館~書を捨てよ、町へ出よう』展
表現者として、言葉をとおして人生を紡いできた寺山修司の世界を、図書館にして現出させる『寺山修司幻想図書館~書を捨てよ、町へ出よう』展。8月8日(木)から、原宿のGYRE(ジャイル)ではじまった。8月31日(土)まで、膨大な数の書籍やポスターや映像などが展示される。
Text by YANAKA Tomomi
ゆかりの人たちによるトークセッションも
今年、没後30周年を迎える寺山修司は詩人、俳人、歌人、劇作家、映画監督、小説家、写真家として、多岐にわたるインスピレーショナルな活動を繰り広げてきた。なかでも彼の残した多くの偉大なる言葉はいまなお、鮮烈なエネルギーを放ち、多くのひとたちに影響を与えつづけている。
そんな寺山修司の言葉と邂逅できる『寺山修司幻想図書館~書を捨てよ、町へ出よう』展。会場には、寺山修司が主宰した演劇集団「天井桟敷」にも参加していた横尾忠則による寺山作品のポスターや、映像作品に囲まれた空間が登場。そのなかでは寺山修司からのメッセージと出合うことができるのだ。
また期間中は、寺山修司にゆかりのある人たちが出演するトークセッションを8月10日(土)と8月20日(火)に開催。8月20日には、女優の松田美由紀さんと小説家の田口ランディさんらが『いま考える~書を捨てよ、町へ出よう』と題してトークを展開する。
寺山修司を代表する評論集のタイトルであり、映画化や演劇のタイトルとしてももちいられた名キャッチフレーズ「書を捨てよ、町へ出よう」。さしずめ、いまの言葉に置き換えると「携帯を捨てよ、町へ出よう」ともいえるだろうか。インターネットが普及し、記号としての言葉がいままでとはちがったベクトルでエネルギッシュに活躍しはじめたいま、寺山修司から届くメッセージは、21世紀を生きる私たちにあらたなカタチで未知なる“言葉の宇宙”への旅を体験させてくれることだろう。
『寺山修司幻想図書館~書を捨てよ、町へ出よう』展
日程│8月8日(木)~31日(日) ※8月19日(月)は休み
時間│11:00~20:00
会場│EYE OF GYRE
東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE3F
Tel. 03-3498-6990
トークセッション『寺山修司の言葉の魔力』
日程│8月10日(土)
時間│16:00~
出演│九条今日子(寺山修司元夫人)、白石征(演出家、編集者)
司会│笹目浩之(ポスターハリス・カンパニー代表、テラヤマ・ワールド代表)
トークセッション『いま考える~書を捨てよ、町へ出よう~』
日程│8月20日(火)
時間│18:30~
出演│松田美由紀(女優)、田口ランディ(小説家)
司会│生駒芳子(アートダイナミクス代表)