BOOK|『相対性コム デ ギャルソン論 なぜ私たちはコム デ ギャルソンを語るのか』
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2015年2月6日

BOOK|『相対性コム デ ギャルソン論 なぜ私たちはコム デ ギャルソンを語るのか』

BOOK|建築家やキュレーター22人が繰り広げる意欲的な考察

『相対性コム デ ギャルソン論 なぜ私たちはコム デ ギャルソンを語るのか』

 

コム デ ギャルソンをファッションのみならず、建築やアート、デザイン、都市論など多彩なアプローチで解決する『相対性コム デ ギャルソン論 なぜ私たちはコム デ ギャルソンを語るのか』が、ファッションエディターの西谷真理子氏により編集され、フィルムアート社から出版された。

 

Text by YANAKA Tomomi

 

多角的なアプローチでブランドの哲学を浮き彫りに

1969年に誕生し、1981年にパリに進出以来、世界のファッションやクリエイション全般に大きな影響を与えつづけているコム デ ギャルソン。『相対性コム デ ギャルソン論 なぜ私たちはコム デ ギャルソンを語るのか』は、その比類なきブランドをファッションジャーナリズムとは異なる視点で、さまざまな分野で活躍する計22人が、エッセイやインタビュー、座談会をとおしてかつてない“コム デ ギャルソン論”を生み出した。

「ファッションはもっと言語化されなくてはならない」と語る編者の西谷真理子氏は、かつて雑誌『装苑』や『ハイファッション』に在籍したエディター。「ファッションはなにも業界内部の住人だけのものではない。それぞれの人がそれぞれの仕方で、コム デ ギャルソンに出会い、関心を持ち、なにかを発見し、それを言葉にする。逆に言えば、これだけのファッションの外野たちが語りたくなる何かが、コム デ ギャルソンという日本の誇る稀有なブランドにはある」と前書きで述べている。BOOK|相対性コム デ ギャルソン論 なぜ私たちはコム デ ギャルソンを語るのか 02

執筆者には、建築家の坂牛卓氏や入江徹氏、藤原徹平氏や、選曲家でクラブキング代表の桑原茂一氏、建築史が専門の五十嵐太郎氏、東京都現代美術館のチーフキュレーター長谷川祐子氏、批評家の千葉雅也氏らが登場。5つのチャプターにわけ、「自由・平等・コム デ ギャルソン」(井上雅人氏)や五十嵐太郎氏と浅子佳英氏による対談「少女性から思考する建築とファッション」、「コム デ ギャルソン運動体分析試論」(藤原徹平氏)など、意欲的な考察が繰り広げられた。

多角的なアプローチによりブランドの哲学や社会に与えた影響をあらためて浮き彫りにする本書。コム デ ギャルソンとファッションがもつ無限の可能性を再確認できる一冊だ。

BOOK|相対性コム デ ギャルソン論 なぜ私たちはコム デ ギャルソンを語るのか 03

『相対性コム デ ギャルソン論
なぜ私たちはコム デ ギャルソンを語るのか』

編集|西谷真理子

サイズ|四六判、400ページ

出版社|フィルムアート社

価格|2730円

執筆者(50音順)|浅子佳英、井伊あかり、五十嵐太郎、井上雅人、入江徹、小澤京子、菊田琢也、木ノ下智恵子、工藤雅人、桑原茂一、坂牛卓、千葉雅也、永江朗、成実弘至、西谷真理子、長谷川祐子、平芳裕子、藤原徹平、本間直樹、松田達、森永邦彦、柳本浩市

           
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