ART|東京都現代美術館で「驚くべきリアル」展
LOUNGE / ART
2014年10月29日

ART|東京都現代美術館で「驚くべきリアル」展

ART|「日本スペイン交流400周年事業」を記念

「驚くべきリアル」展 スペイン、ラテンアメリカの現代アート-MUSACコレクション-

スペインの1990年代以降にフォーカスし“驚くべきリアル”をテーマにした作品がカスティーリャ・イ・レオン現代美術館(MUSAC)から到着。「驚くべきリアル」展 スペイン、ラテンアメリカの現代アート-MUSACコレクション-が、2月15日(土)から5月11日(日)まで、江東区の東京都現代美術館で開かれる。

Text by YANAKA Tomomi

スペインならではのリアリズムにもとづいた「現代アート」

慶長遣欧使節団派遣から400年を記念し、昨年から今年にかけてさまざまなイベントが開催されている「日本スペイン交流400周年事業」。その目玉のひとつともいえるのが「驚くべきリアル」展 スペイン、ラテンアメリカの現代アート-MUSACコレクション-だ。2005年にスペイン北西部レオン州都のレオン市に誕生し、時代を映す現代作品を精力的に集めてきた美術館カスティーリャ・イ・レオンにある、スペインならではのリアリズムにもとづいた現代アートが来日を果たす。

17世紀以降ベラスケスやゴヤなど、脈々と受け継がれてきたスペインのリアリズムの系譜。それは、1980年代以降のアントニオ・ロペス・ガルシアに代表される、マドリード・リアリズムへと受け継がれてきた。そのリアルの所在は、対象が精密に再現されているという描画上の特質を意味するものではなく、アーティストたちのリアルに対する執着の仕方からきているという。

驚くべきリアル展 02

驚くべきリアル展 03

そんなスペインのひとたちの“リアル”が体感できる本展では、人間の生と死を深く掘り下げた現代絵画をはじめ、映像作品やインスタレーションなど27作家の作品を紹介。家のなかの家具がすべて真っ二つに切断された部屋、馬に乗り大学の建物内を闊歩するビジネススーツの紳士など、ユニークな作品がつぎつぎと登場する。

さらに、ラテンアメリカの作家の作品も並べられ、中南米のトロピカルな風土のなかで、スペイン的なリアルの感覚がどのように変容し、“発酵”するのかというのも見どころのひとつといえるだろう。

驚くべきリアル展 04

かつて詩人ガルシア・ロルカが語った「スペインでは、ほかのどの国よりも死者がいきいきとしている」という言葉。死は生よりも活気をもって受け入れられてきたというスペインの文化をふまえ、アクティヴェイト(活性化)された死に裏づけされた重い生をいかにしてリアリズムをもって表現するのか。その驚くべきイマジネーションの飛翔を楽しみたい。

「驚くべきリアル」展 スペイン、ラテンアメリカの現代アート-MUSACコレクション-

会期|2月15日(土)~5月11日(日) ※月曜休館。ただし5月5日は開館し、5月7日(水)は休館

時間|10:00~18:00(入場は17:30まで)

会場|東京都現代美術館

東京都江東区三好4-1-1

Tel.03-5245-4111(代表)

観覧料|一般1100円、大学生・65歳以上800円、中高生600円、小学生以下無料

           
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