ART|越後妻有里山現代美術館[キナーレ]で『Lights in Snowland』
LOUNGE / ART
2015年2月10日

ART|越後妻有里山現代美術館[キナーレ]で『Lights in Snowland』

ART|雪のなか春を待ちわびる心をアートで感じる
越後妻有里山現代美術館[キナーレ]

『Lights in Snowland(ライツ イン スノーランド)』

雪に閉ざされる地に住むひとびとが抱く、さまざまな想いをアートへと昇華させた展覧会『Lights in Snowland(ライツ イン スノーランド)』。新潟県十日町市の越後妻有(つまり)里山現代美術館[キナーレ]で、3月23日(日)まで開かれている。

Text by YANAKA Tomomi

花のプロジェクションでもらたらされる一足早い春

地域に流れる信濃川や越後の土、集落、濃密な風景、縄文土器、雪といった越後妻有特有の地勢や歴史をテーマとした、常設作品群を見ることができる越後妻有里山現代美術館[キナーレ]。建築家の原広司による建物のなかには、地元の人も親しめる入浴施設やバルなどもあり、世界や現代、地域が交錯する空間が生み出されている。

今回の展覧会は、長いときには5カ月、3メートルもの雪に閉ざされるという越後妻有ならではの魅力に照射しようと企画。困難な自然を克服しようとする科学的な探求ではなく、それらがあってこその越後妻有を“作品”として浮かび上がらせ、地域のあらたな魅力を発見してもらおうと開かれる。

Lights in Snowland 02

Lights in Snowland 03

本展に参加するのはアーティストの大巻伸嗣、木村崇人、高橋匡太、中村敬、松尾高弘の5人。なかでも、ライティングプロジェクトを数多く手がける高橋匡太は、日没後からおこなわれるナイトプログラムで、キナーレの回廊にある美しい列柱をライトアップするとともに、花と一緒に写る人々の写真をプロジェクションし、その花の色が建築を染める光の演出で雪国に一足早い春を生み出す。

また、中村敬は、十日町市で高度経済成長期に途絶えたものの、1990年に約30年ぶりに蘇った伊沢和紙を使った作品を発表する。このほかにもキナーレ内では、コレクションされている国内外のアーティストの作品も見ることができる。雪のなかで春を待ちわびる心。厚い洋服を脱ぎ捨てて思い切りからだを動かしたいという想い、重さから開放されたいという希求。そんな雪国の人々の営みに寄り添う『Lights in Snowland』。豊かな自然を礼賛し、生み出されるダイナミックな体験に身も心も投じたい。

会期中の3月1日(土)には、3年1度「大地の芸術祭」が開催される、越後妻有地域の雪原を舞台に2万個のLEDを用いた高橋匡太による幻想的な光のインスタレーションと、雪の中の花火を組み合わせた「越後妻有 雪花火」が開催する予定。

「Liminal Air Space-Time:Wave」の映像

『Lights in Snowland』展

会期│1月11日(土)~3月23月(日) ※水曜休館

時間│11:00~20:00 ※ナイトプログラム17:30~20:00(日没時間により変更あり)

会場│越後妻有里山現代美術館[キナーレ]

鑑賞料│一般1000円、小中学生600円 ※日中・ナイトプログラム各1回、計2回が鑑賞可能

新潟県十日町市本町6

Tel.025-761-7767

Lights in Snowland 04

越後妻有 雪花火

開催日|3月1日(土)

料金|大人 1000円、小中学生500円

会場|ナカゴグリーンパーク

※花火鑑賞メイン会場および高橋匡太「Gift for Frozen Village 2014」展示会場

新潟県十日町市上野甲2924-28

Tel.025-757-2637

           
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