ART|諏訪綾子展 ゲリラレストラン「LOST TONGUES」開催
ART|まったくあたらしい「食」の世界へ
諏訪綾子展 ゲリラレストラン「LOST TONGUES」
“フードクリエイション”の名のもとに活動をつづけるアーティスト 諏訪綾子。食べ物をモチーフとしたパフォーマンスエキシビション、その独創的な世界観によって日本はおろか世界からも注目を集めている。そんな彼女の過去最大規模となる大型企画展「ゲリラレストラン“LOST TONGUES”」が10月9日(土)、10日(日)、11日(月・祝)の3日間、ラフォーレミュージアムにて開催される。
Text by OPENERS
レストランなのか、演劇なのか、パフォーマンスなのか?
「胃までコンセプトをとどけます」――そんなユニークなキャッチコピーのもと、“フードクリエイション”という名でその活動をスタートしたアーティスト 諏訪綾子。展覧会やパフォーマンス、ケータリング、商品開発など、「食」にまつわるさまざまな取り組みをおこなう。
とりわけ、その活動が注目を集めたのは2008年に金沢21世紀美術館デザインギャラリーでおこなわれた初の展覧会「食欲のデザイン展 感覚で味わう感情のテイスト」だろう。喜怒哀楽といった人間の感情を表現した食べられる作品「感情のテイスト」を、鑑賞者が実際に味わうことができるというこれまでにない試みは、大きな反響を呼んだ。
また、近年では個人名義でも表現活動を展開。環境演出をほどこした空間で「感情のテイスト」をあじわえるフードパフォーマンス「ゲリラレストラン」を国内外で発表。レストラン、演劇、パフォーマンスなどを融合させた、既成の枠にとらわれない彼女の作品は世界各国で高い評価を得ている。
ひとは欲望があったから進化してきた、
食欲をおさえきれず進化してきた、未知なるテイストへの好奇心と、
すべての感覚を満足させるためのたべもの。
色艶かたち、テクスチャー、におい、味、温度湿度、歯ごたえと食感、のどごし、
身体へとけ込んでゆく感覚と刺激、脳の奥底に眠っていた記憶、
すべては感情をゆさぶるあじわいとなり、本能を解放する。
栄養源でもエネルギー源でもない、グルメでも美食でもない、
あなたの失われた欲望を思い起こさせる挑発のディナー。
レストランLOST TONGUESへようこそ。
今回開催される諏訪綾子の過去最大規模となる大型企画展では、なんと場内にゲリラレストラン『LOST TONGUES』を出現させ、連日「感情のテイスト」をあじわえるフードパフォーマンスを展開。会場はまるで本物のレストラン! ゲストはここでアートのフルコースを堪能することとなる。
フロアの周囲にはこれまで彼女が制作してきた食べ物をモチーフとした立体作品や写真、グラフィックにくわえ、過去の“フードクリエイション”による活動をおさめた映像などが展示上映されるので、ウェイティングタイムに観賞するのもいいだろう。
彼女の最大の特徴、それは五感をとおして伝える「表現としての食」。味覚だけでなく、目で味わい、匂いで味わい、想像で味わい、口のなかの感触と音で味わう──空腹を満たすためでも、グルメとしての美食でもない、あらたな「食」の価値をどうぞご堪能あれ。
諏訪綾子展 ゲリラレストラン‘LOST TONGUES’
会場|ラフォーレミュージアム原宿(ラフォーレ原宿6F)
会期|10月9日(土)~11日(月・祝)
時間|展示 11:00~20:00
フードパフォーマンス 14:00開演/19:00開演
チケット|展示 入場無料
フードパフォーマンス S席(着席・フルコース) 前売5000円
※こちらはすでに完売しております
・「感情のテイスト」フルコース
(フィンガーフードおよびドリンク 計9品)
・“フードクリエイション”タブロイド誌付き
※ドレスコード:黒を取り入れた装い
A席(立見・テイスティング) 前売 1500円/当日 1800円
・「感情のテイスト」テイスティング(フィンガーフード2品)
※日時指定
※10月9日(土)14:00公演はA席のみを販売
チケット販売|チケットぴあ
Tel. 0570-02-9999
http://t.pia.jp/
主催|ラフォーレ原宿
企画制作|ラップネット、point of view co.,ltd.
協力|岩原大輔、Kaori K (uslu airlines)、梶谷好孝(YOSHiKO
CREATiON)、北川幸江、コスモテック、D&DEPARTMENT PROJECT、東芝、トーヨーキッチン & リビング、中川司、畑中サンプル、VITSŒ、福光屋、北陸製菓、宮原夢画
ラフォーレ原宿
Tel. 03-3475-0411
http://www.laforet.ne.jp/
諏訪綾子|SUWA Ayako
1976年石川県生まれ。金沢美術工芸大学卒業後、2006年より“food creation”なる活動を開始、主宰を務める。以降コンセプチュアルなケータリングサービスというスタイルで企業とのコラボレーションワークをおこなう。また、食べ物を感覚的コミュニケーションの究極の素材としてパフォーマンスエキシビションをつうじてあらたな食の価値を提案するアーティストとしての活動も展開する。2008年7月 金沢21世紀美術館にて初の個展「食欲のデザイン展 感覚であじわう感情のテイスト」開催。
同年横浜トリエンナーレ2008のオープニングレセプションでフードパフォーマンス「タイム・クレヴァス」発表。09年10月パリのホテル『ムーリス』にて「THROUGH THE LOOKING GLASS」展示・パフォーマンス参加。アジア圏で唯一参加のフードアーティストとしてヨーロッパメディアに高く評価される。同年12月には香港 ワールドトレードセンターにてパフォーマンス。そして10年7月パリの現代アートセンター「パレドトーキョー」NOMIYA にてジル・スタッサート氏とコラボレーション発表するなど、世界での活躍もめざましい。
http://www.foodcreation.jp