ART|東京都写真美術館で『米田知子 暗なきところで逢えれば』展
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2015年4月7日

ART|東京都写真美術館で『米田知子 暗なきところで逢えれば』展

ART│そこにある記憶や歴史を捉えた写真群

東京都写真美術館で『米田知子 暗なきところで逢えれば』展

“記録”という写真の根本的な役割をベースにしながら、現実に見ているものだけではなく、そこにある記憶や歴史を背景に撮影した作品で知られる米田知子(よねだ・ともこ)による写真展『暗(やみ)なきところで逢えれば』が7月20日(土)から9月23日(月・祝)まで恵比寿の東京都写真美術館で開かれている。

Text by YANAKA Tomomi

期間中は米田知子とゲストによる対談も開催

米田知子写真展 02

1991年にロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アート修士課程を修了し、近年では日本や世界の近代化における記憶や歴史をテーマにした作品を精力的に撮影、発表している米田知子。日本を代表する写真家の一人である彼女の写真展が開催されている。

会場には、初公開の新作をはじめ、映像作品や近年の代表作品など68点を展示。激しい戦火に見舞われたサイパン島の青い空、そして何気ない道が撮影された作品には『道(サイパン島在留邦人玉砕があった崖に続く道)』というタイトルが付けられ、歴史的事実を知ったとたんに、最初見たイメージとはちがった錯覚を見る者にもたらす。

このほかにも、20世紀の著名人のめがねをとおして、その人物の原稿や手紙を見る『Between Visible and Invisible』、日本統治時代に蒋介石率いる国民党の支配を受けてきた台湾の日本家屋を題材とした『Japanese House』など、メディアのもつ特質を最大限に生かし、鑑賞する側に見ているものの本質をあらためて問いかけるような作品が並べられる。

期間中には米田知子とゲストによる対談も開催。7月27日(土)15:00からは小説家の半藤一利さんとのトークが繰り広げられる。さらに、会期中の第1と第3金曜の14:00からは担当学芸員によるフロアレクチャーもおこなわれる。

近年は台湾や韓国など、アジアをとらえたもの、特に日本の近代化にかかわる地域をモチーフにした作品が増えている彼女。20年以上海外で生活し、日本人としてのアイデンティティを強く意識している米田に、東日本大震災は大きな影響を与えたという。

そして、彼女はこう語る。「われわれは目の前に映し出された像を見ては無垢なき観念を見出す。それは外から染められた、しかし内に秘めた姿なき像である」と。

米田知子写真展 03

『米田知子 暗なきところで逢えれば』

会期│7月20日(土)~9月23日(月・祝) ※月曜休館。ただし、月曜が祝日の場合は開館し、翌火曜が休館

時間│10:00~18:00 ※木曜、金曜は~21:00 

会場│東京都写真美術館

東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内

Tel.03-3280-0099

観覧料│一般700円、学生600円、中高生・65歳以上500円

作家とゲストによる対談

日程│7月27日(土)

時間│15:00~16:30

ゲスト│半藤一利(小説家)

会場│東京都写真美術館

担当学芸員によるフロアレクチャー

日程│会期中の第1、3金曜日

時間│14:00~

           
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