ART|いまも軟禁されつづけている劉霞による写真展『沈黙の力』
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2014年12月3日

ART|いまも軟禁されつづけている劉霞による写真展『沈黙の力』

ART│ノーベル平和賞受賞の劉暁波の妻であり、中国を代表する現代芸術家

いまも軟禁されつづけている劉霞による写真展『沈黙の力』

2010年ノーベル平和賞を受賞した劉暁波(リュウ・ギョウハ)の妻で、いまも自宅軟禁状態に置かれている芸術家の劉霞(リュウ・カ)による写真展『沈黙の力』が5月24日(金)から6月16日(日)まで京都市のフォイル・ギャラリーで開かれる。

Text by YANAKA Tomomi

静かな力強さを根底にたたえた26枚の写真

1959年、北京で生まれた劉霞。詩人、画家、写真家として中国の現代芸術における特筆すべき人物とされているが、現在、彼女の作品は中国での公的な展示を禁じられている。1996年には民主主義を求める執筆活動により投獄された作家の劉暁波と結婚。ノーベル平和賞受賞時も劉暁波は4度目の投獄中で、現在も自由は奪われたまま。劉霞も自宅軟禁がつづいている。

彼女の作品をより多くのひとに知ってもらおうと企画された『沈黙の力』展は、劉霞が自宅軟禁される前に中国から持ち出された26枚の写真で構成。これまでにニューヨークやベルリン、バルセロナなど世界各地で開催され、大きな注目を集めてきた。また、会場ではこれらの写真を収録した写真集『沈黙の力』も販売される。

沈黙の力 02

沈黙の力 03

検閲から逃れて獄中の夫に想いを伝えるため、何よりも自分自身を表現することへの情熱から制作をつづけてきた劉霞。モノクロの世界に写された彼女が“醜い子どもたち”と呼ぶ一対の男女の人形は、まるで不当な圧力を受けている夫婦をあらわしているようにも見ることができる。

どの写真からも呼び起こされる痛みや恐怖。しかし、根底にある静かな力強さを感じずにはいられないこれらの写真から、命がけで求める自由の重みについて、自由を奪われることのむごさについても思いを巡らしてほしい。

劉霞『沈黙の力』展
会期│5月24日(金)~6月16日(日) ※水曜休廊
時間│11:30~20:00
会場│フォイル・ギャラリー
京都府京都市上京区笹屋町通智恵光院西入笹屋町1-519 マーブルビルディング3F
Tel.075-451-6162
入場料│300円 ※中学生以下無料

写真集『沈黙の力』
写真│劉霞
サイズ│190×190ミリ、56ページ、ソフトカバー
価格│1365円

           
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