ART|現代の東北から獣とともに生きた太古の姿を写し出す、田附勝写真展『東北』
LOUNGE / ART
2014年12月5日

ART|現代の東北から獣とともに生きた太古の姿を写し出す、田附勝写真展『東北』

ART|2012年の木村伊兵衛写真賞を受賞

現代の東北から獣とともに生きた太古の姿を写し出す、田附勝写真展『東北』

昨年の木村伊兵衛写真賞を受賞したばかりの写真家、田附勝(たつき・まさる)さんによる写真展『東北』が4月6日(土)から21日(日)まで京都市のフォイルギャラリーで開かれる。

Text by YANAKA Tomomi

受賞後第一作となる写真集『KURAGARI』も販売

田附勝写真展 02

[相馬野馬追の武者]福島県南相馬市2008年7月

1974年に富山県に生まれた田附さんは、1998年よりフリーランスとして活動を開始。これまでに電飾や装飾を施した“デコトラ”やそのドライバーを撮影してきたほか、2006年からは東北地方を、そして現在は縄文をテーマに撮影。“写真界の芥川賞”ともいわれる昨年の木村伊兵衛写真賞を受賞するなど、今後の期待が高まる写真家として知られている。

写真展『東北』では、田附さんが2006年7月から2011年4月まで東北各地で撮影した写真のほか、2011年11月に岩手県釜石市唐丹町で東日本大震災後はじめておこなわれた鹿猟の様子を写したシリーズ「その血はまだ赤いのか」の作品が並ぶ。そして、2009年から2012年にかけて釜石市唐丹町で撮影した夜の鹿の写真を収め、木村伊兵衛写真賞受賞後第一作となる写真集『KURAGARI』も会場で販売される。

震災により多くの人命が奪われ、心身が傷つけられ、田附さんに写真を撮らせてくれたひとたちの多くも被災した。それから同じように時を過ごし、同じように接しても、これまでと同じように撮ることはできなくなってしまったという。

獣と人間、死者と生きる者がともに棲んでいたころの記憶を視覚化しようと、これまで現代の東北人にカメラを向けながら、太古の東北の姿、脈々と受け継がれてきた何かを写そうとしてきた田附さん。展示される写真から、自問を繰り返しながら撮影に臨むひとりの写真家の等身大の、姿を見ることができるのではないだろうか。

田附勝写真展『東北』
日程│4月6日(土)~21日(日) ※水曜休廊
時間│11:30~20:00
会場│フォイル・ギャラリー
京都市上京区笹屋町通智恵光院西入笹屋町1-519 マーブルビルディング3F
Tel.075-451-6162

           
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