ART│山口信博と+折形デザイン研究所による『つつみのことわり』展
ART│江戸時代の伊勢貞丈による折形の“バイブル”『包之記』を解き明かす
山口信博と+折形デザイン研究所による『つつみのことわり』展
伊勢貞丈(いせ・さだたけ)により江戸時代に折形の手法をまとめて出版された『包之記』を、グラフィックデザイナーの山口信博氏と彼が主宰する折形デザイン研究所が紐解く『つつみのことわり-伊勢貞丈「包之記」の研究』展。2月19日(火)から3月21日(木)まで銀座のクリエイションギャラリーG8で開かれる。
Text by YANAKA Tomomi
期間中はトークショーやワークショップも開催
贈り物や慶事や弔事。日本では古来からさまざまなものを紙や布に包んできた。贈答の際の包みと結びの礼法である「折形」をモダンデザインの観点から捉えなおし、現代の暮らしに取り入れることを目指して活動している折形デザイン研究所と、その代表であるグラフィックデザイナー山口信博氏があらたなアプローチをくわえる『つつみのことわり-伊勢貞丈「包之記」の研究』展が開催される。
折形のバイブル的な存在である『包結図説』は江戸の中期、天保11年(1840年)に伊勢貞丈により出版され、上巻の『包之記』と下巻の『結之記』からなる。その『包之記』には18種の折形が図入りで紹介されているものの、ほとんどが見開きに完成図と展開図で占められているのみだという。
この完成図と展開図の間の省略された手順をダイアグラム化し、それをとおして思考の原理や原形、文化的無意識を説こうというのが本展だ。
期間中の2月19日(火)には山口氏と、家具デザイナーであり本展の会場構成も手がけた小泉誠氏によるトークショーを開催。また、3月2日(土)には山口氏と人類学者の石倉敏明氏、3月16日(土)は山口氏と塗師の赤木明登氏の組み合わせでもおこなわれる。さらに、山口氏と折形デザイン研究所のメンバーが講師となり、実際に折形に挑戦できるワークショップも3月2日(土)、3月9日(土)、3月16日(土)に開かれる。
山口氏と折形デザイン研究所が10年あまりにわたり、古典とどのように向き合い、そこから何を生み出してきたのか。日本の伝統とモダニティが紙の上で競演する世界には、わたしたちの暮らしをさらに豊かにするヒントが隠されている。
『つつみのことわり-伊勢貞丈「包之記」の研究』
会期│2月19日(火)~3月21日(木) ※日曜、祝日休館
時間│11:00~19:00
会場│クリエイションギャラリーG8
東京都中央区銀座8-4-17 リクルートGINZA8ビル1F
Tel.03-6835-2260
入場料│無料
トークショー ※いずれも入場無料、要予約
☆第1回
日程│2月19日(火)
時間│19:10~20:40
出演│山口信博、小泉誠(家具デザイナー)
☆第2回
日程│3月2日(土)
時間│17:30~19:00
出演│山口信博、石倉敏明(人類学者)
☆第3回
日程│3月16日(土)
時間│17:30~19:00
出演│山口信博、赤木明登(塗師)
折形ワークショップ ※要予約
講師│山口信博、折形デザイン研究所
定員│各8人
材料費│各回1000円
☆第1回
日程│3月2日(土)
時間│13:00~14:30 / 15:00~16:30
☆第2回
日程│3月9日(土)
時間│13:00~14:30 / 15:00~16:30
☆第3回
日程│3月16日(土)
時間│13:00~14:30 / 15:00~16:30
クリエイションギャラリーG8
Tel.03-6835-2260