ART│『福永敦ハリーバリーコーラス-まちなかの交響、墨田と浅草』展
ART│面積約260平方メートルの広い空間に満たされる東京下町「音」風景
『福永敦ハリーバリーコーラス-まちなかの交響、墨田と浅草』展
ドイツ・ベルリン在住のアーティスト福永敦による初の大規模な個展『福永敦ハリーバリーコーラス-まちなかの交響、墨田と浅草』が、1月12日(土)から2月3日(日)まで墨田区のアサヒ・アートスクエアで開催される。
Text by YANAKA Tomomi
福永敦が音を使って描き出す浅草、墨田界隈
若手現代美術作家の飛躍のためアサヒ・アートスクエアが昨年からスタートした公募展「オープン・スクエア・プロジェクト」の第2回に選ばれた福永敦。「オープン・スクエア・プロジェクト」では、アートスクエアにある高さ約6メートル、面積約260平方メートルという、普段の制作ではなかなか対峙することのできない広い空間を生かした作品制作をおこなう機会が与えられる。
1980年生まれで、音や擬音語に関する制作をおこなってきた福永は、犬が「ワンワン」ほえる、目が「グルグル」まわるといった擬態表現「オノマトペ」をダイナミックにときに繊細にオブジェやビジュアルへと変換する作品を発表してきた。
今回の作品展のために福永が注目したのは、東京の下町の代名詞、墨田と浅草エリア。朝から夜までくまなく歩き回り耳にした、隅田川の音や観光地の喧騒、町工場の機械音、国技館の太鼓の音など、街の特徴的な音を、合唱のような“音声”に変えて、アサヒ・アートスクエアの空間に満たすという。
また、展覧会の開催に合わせて関連イベントも開催。1月13日(日)には福永自らが講師となる子ども対象のワークショップ『ざわめき隊 まちなかの音を描こう!!』が開催されるほか、福永とゲストが展覧会について語り合うクロストークなどもおこなわれる。
「『音声』とはなにか。それは言葉で表すものであるがゆえに、そのひとの個性や培われてきた文化、経験を物語る。それらを『まち』の構成の一部として置き換えれば、私たちが誰なのか、そしてどこにいるのかを知るきっかけになる」と語る福永敦。巨大なアートスペースに埋め尽くされる地域性やときに時代性が混じりあう、多様な文化の“音風景”を味わいたい。
『福永敦ハリーバリーコーラス-まちなかの交響、墨田と浅草』
日程│1月12日(土)~2月3日(日) ※休館日は火曜日および1月27日(日)
時間│11:00~19:00
会場│アサヒ・アートスクエア
東京都墨田区吾妻橋1-23-1 スーパードライホール4F
Tel. 090-9118-5171
入場料│500円、高校生以下および18歳未満は無料