中川政七商店|東北被災三県で生まれた「3つの起き上がり小法師」
ART|中川政七商店
国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会 記念品
東北被災三県で生まれた「3つの起き上がり小法師」
10月13日(土)に東京都内にて開催された「国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会」において、参加者が入室ID として使用するピンバッジを中川政七商店が担当。ピンバッジには、東北地方に伝わる「刺子織り」を採用した。それに関連して、東北の被災三県で制作された「3つの起き上がり小法師」が、日本国から総会参加者へ記念品として贈呈された。この起き上がり小法師が、大日本市伊勢丹新宿店にて販売される。
Texy by IWANAGA Morito(OPENERS)
不屈の精神を被災地から世界へ発信
起き上がり小法師は、福島県会津地方に伝わる縁起物・郷土玩具のひとつである。何度倒しても起き上がるという「七転び八起き」の精神をかわいらしく体現する。それぞれの起き上がり小法師には福島、宮城、岩手の代表的な素材と製造方法が用いられた。
紙小法師(福島張り子)
福島県会津地方でもっとも古くから伝わる民芸品。約400年前に当時の藩主が作らせ、正月に売り出したのがはじまりとされている。何度倒しても起き上がることから忍耐と人生の象徴としても有名。けなげに元気良く起き上がる姿がとても愛らしい。
産地・製造|福島県会津若松市
寸法|H33mm×W23mm
木小法師(宮城ケヤキ製)
宮城県の県木「ケヤキ」を使用し、こけしの産地である東北地方伝統のろくろ技術を活かした白木に、描彩をほどこした。青森県の津軽系温湯こけし工人・小島俊幸氏がひとつひとつ丁寧に仕上げた。
産地|宮城県白石地区他
製造|青森県黒石市
寸法|H34mm×W25mm
鉄小法師(岩手県南部鉄器)
南部鉄器伝統の鋳造所とハイテク原型設計工場が、製造を担当。コンピューターを駆使して、鉄器の内部に空洞を設け重心を計算し、何度も試作をかさねた。試行錯誤の末、鉄が立ち上がるという驚きのプロダクトが完成した。
産地・製造|岩手県奥州市水沢区
寸法|H26mm×W25mm
日本、そして世界経済がふたたび起き上がり回復するようにというメッセージと、震災復興に向けて世界中から寄せられた支援にたいしての感謝の気持ちを込め、東北の被災三県で生まれた「3つの起き上がり小法師」。このかわいらしくも力強い起き上がり小法師たちが、世界をより良い未来へと導くヒントを与えてくれるかもしれない。