自己を切り離して取り組んだ、新感覚の作品群

独特の空気感が観るものの心を捉えてやまない永瀬沙世の作品。柔らかいニュアンスが漂う作品であっても、根底には「つよさ」が感じ取れ、それは媒体や被写体にかかわらず一貫している。また、そこにはゆるぎない「何か」を追求しつづける彼女の生きる姿勢までもが反映されているようにも思える。

写真展「Water Tower」では、新鮮な視点でもって、私たちを取り巻く世界においての他者との繋がりや関係性を紐解くような作品、約20点を発表する。

これまで「作品制作にあたり、対象物に共感し、自己を投影していた」と語っていた永瀬沙世だが、2年ほど前から「自分への執着が自然となくなり、作品から自己を切り離すようになった」とのこと。今回はそのような新境地にて制作された作品群だ。

3月には同展覧会の写真集『Water Tower』（Yomogi Books刊）と、スウェーデンの出版社から『Asphalt & Chalk』（225×260mm／32Pages／ナンバリング入り限定品／価格未定／Libraryman Co.,Ltd 　 http://libraryman-sthlm.blogspot.com/）も発刊される。いま最も楽しみな女性写真家の一人の展覧会とあって、要チェックだ。

永瀬沙世 写真展「Water Tower」
会期｜3月25日（金）〜4月14日（木）　※月曜日定休 (3/28,4/4,4/11)
会場｜Nidi Gallery　東京都渋谷区桜丘町9番17号TOC第3ビル号408室
開場｜12:00～20:00
※開廊時間は、節電・計画停電により変更させていただく場合がございます。
お越しくださる前には下記URLでご確認、またはお電話にてお問い合わせください。
Tel. 03-6277-5579
info@nidigallery.com
http://nidigallery.com/
※東北関東大震災への義援金として、作品、写真集『WATER TOWER』の売り上げの一部を日本赤十字社へ寄付させていただきます。

永瀬沙世｜NAGASE Sayo
フォトグラファー。1978年兵庫県伊丹市生まれ。ファッション、ミュージックカルチャー等の媒体で活躍しながら、その作品のすべてに自らの色を保ちつづけている。展覧会、写真集などの作品制作活動を精力的におこなう。著書は2006年『青の時間～THROUGH THE LOOKING-GIRL～』（プチグラパブリッシング）。2011年3月にスウェーデンの出版社「LIBRARYMAN」より、写真集を発刊する。www.nagasesayo.com