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2015年4月20日

松浦俊夫｜夏のランニングチャレンジ！

松浦俊夫｜from TOKYO MOON 7月17日 ON AIR

夏のランニングチャレンジ！（1）

日曜の夜、上質な音楽とともにゆったりと流れる自分だけの時間は、大人たちの至福のとき。そんな豊かな時間をお届けするのは、DJ松浦俊夫によるラジオプログラム『TOKYO MOON』──。彼が世界中から選りすぐったすばらしい音楽や知的好奇心を刺激する大人のためのトピックスを、毎週日曜日Inter FM 76.1MHzにて19時からオンエア。ここでは、毎週オンエアされたばかりのプログラムをお届けします。今週はブルージーなセレクトでお送りするなか、来年2月に予定される東京マラソンに向け（出場できるかはまだわかりませんが）、先日うかがった『アシックス・ランニングラボ東京』での体験リポートを紹介しました。

文＝松浦俊夫写真＝JAMANDFIX

猛暑を乗り切るためのブルース

今回はFrank Sinatra（フランク・シナトラ）に並ぶ、アメリカの偉大なるヴォーカリストのひとり、Mel Torme（メル・トーメ）の息子、James Torme（ジェイムズ・トーメ）が、かつて父も歌った名曲「Comin' Home Baby」を現代に歌い上げたものから、Sammy Davis Jr.（サミーデイビス・ジュニア）や、Oscar Brown（オスカー・ブラウン・ジュニア）が残した1960年代の名作まで、ブルージーな楽曲群をご紹介。また、侍ジャズ集団Soil & "Pimp"（ソイル・アンド・ピンプ・セッションズ）リリース直前のニューシングルより、サックス奏者 Wayne Shorter（ウエイン・ショーター）のアルバム『Night Dreamer』（64年）に収録された「Armageddon」のカバーバージョンを聴いてもらいました。

Patchworks / RIP with John Coltrane

Sammy Davis Jr. & Count Basie /
Our Shining Hour

Buddy Greco / I Like It Swinging

James Torme /
Love for Sale

Soil & "Pimp" Sessions / Movin'

REVIEW｜TRACK LIST

01. Sammy Davis Jr. & Count Basie / Work Song (Verve)
02. Buddy Greco / Fever (EMI Columbia)
03. James Tormé / Comin' Home Baby (Victor)
04. Oscar Brown Jr. / Mr Kicks (Columbia)
05. Earth, Wind & Fire / Running DK- Edit (Columbia)
06. Soil & "Pimp" Sessions / Armageddon (Victor)
07. Herbie Hancock / Come Running To Me (Columbia)
08. Patchworks / RIP with John Coltrane (Heavenly Sweetness)

Oscar Brown Jr. / Sin & Soul

Earth, Wind & Fire / Running DK- Edit

Herbie Hancock / Sunlight

フルマラソン初挑戦にむけての体力測定

以前からランニングを趣味でつづけていた私ですが、4月におこなわれたロンドンマラソンで、友人のGilles Peterson（ジャイルス・ピーターソン）がフルマラソンに初挑戦し、みごと完走したことに刺激を受け、私も来年2月に開催される東京マラソンにエントリーすることを決めました。そこで身体能力的にフルマラソンを走り切れるのかどうか、きちんとチェックしたいと思い、銀座にある『アシックス・ランニングラボ東京』という、ランニング能力を科学的に測定し、そのひとにとって最適なトレーニング法をアドバイスしてくれるスペースを見つけたのでさっそく行ってきました。

ガイダンス
まずはラボ内でスタッフの草山次郎さんから測定内容や注意事項について説明を受けました。はやる気持を抑えつつ約15分間。ドキドキしながらお話をうかがいました。

足形・下肢アライメント・体組成測定
いよいよ測定開始！　ランニングには正しい靴選びが必要とのことで、3次元足形計測機を使い、足の長さや回りなど全7項目について0.1ミリ単位で計測します。ここであらためて扁平足であることを実感……。おかげで足が疲れやすいとのこと。

つづいて骨の配列のチェックと、関節の可動域、柔軟性を調べ、最後はプロフェッショナル用の体組成計を使用して体脂肪率を調べました。筋肉はほぼ全域にわたり“非常に硬い”、もしくは“硬い”という結果に……。これも想像どおりの結果に。また、体脂肪率がランナーとしては高めの20パーセントという数値。ちなみに目安は13パーセントとか。どうりでここ数年風邪をひかないわけです（笑）。

草山　筋力も大事ですが、体の柔軟性はもっと大事です。運動をしていて、どこかを傷める大きな要因は、身体が固いか、筋力が弱いかのどちらかと言ってもいいくらい。

松浦俊夫｜from TOKYO MOON 7月17日 ON AIR

夏のランニングチャレンジ！（2）

ここからが本番！

脚筋力測定
ランニングでは自身の体重の3倍の力が足にかかるため、それに耐えうる脚力が必要とのことで、「等速性筋力測定機」という、スポーツジムにあるレッグ・エクステンションのような機械を使用し、片足ずつ下腿の振り上げ、下げを全力で一気におこない、各動作の最大筋力を測ります。レッグ・エクステンションとちがうのは、等速性筋力測定機の場合、どんなに力をいれてもおなじスピードでしか動かないため、ただただ重く……番組では思わず力が入り、もだえるような私の声から、その苛酷さが伝わったのではないでしょうか（笑）。

リハビリに励むプロアスリートが、苦悶の表情を浮かべている、そんなイメージを想像していただければと思います。この時点ですでに翌日の筋肉痛を予感しました（笑）。

草山　数字は最大筋力をあらわしています。筋力は筋肉の断面積に比例しますので、どうしたって前の方が数値は高くなります。だいたい割合としては前と後ろで10対5から10対6くらいが標準的といえるでしょう。ランニングに大事なのは後ろの筋肉です。走ろうと思ったら、ハムストリングからくる大臀筋の強化が必要となります。また、つねに全力で頑張っているはずなのに、角度によって発揮される力の大きさがちがうことがグラフからわかります。ここから力の出し方が適当かどうかがわかります。

左右の足に筋力差があると、走るときにどちらかに頼った走り方になりますので、弱いほうを痛めてしまうことがあります。ランニング障害で怖いのは、たとえば左が痛いと思っても我慢して、左をかばって走りつづけることで右に負担がかかり、今度は右も痛くなってしまう、という悪循環です。

松浦俊夫｜from TOKYO MOON 7月17日 ON AIR

夏のランニングチャレンジ！（3）

このATペースのまま徐々に距離を伸ばしていきましょう

ランニングフォーム＆全身持久力測定
いよいよ走ります。「トレッドミル」と呼ばれる、これまたジムにあるランニングマシーンの上を、胸に電極（心拍数）をつけ、口にゴムマスク（呼気）を装着して前・横・上・後の4方向からビデオ撮影し、フォームをチェックしました。これは意外にも問題なく走れていると聞き、ひと安心。あとでダイジェストDVDをもらえるので、みずからフォームをたしかめることができます。これはうれしいですね。

持久力測定は私の場合、一番低いペースで時速7.0キロ（1キロ8分34秒ペース）からスタートして、1分ごとに時速0.5キロずつ速度を上げていき、時速14.5キロ（1キロ4分8秒ペース）まで17分間走りました。これにより、走っても心臓に疲労が溜まらない「ATペース」と、きついと感じ出す「RCTペース」と呼ばれるものを割り出し、ハーフ＆フルマラソンの予想タイムを算出してくれます。もちろんまだ一度もフルマラソンに出場していないのでよくわかりませんが、私は4時間35分（ハーフで1時間59分）で“走ることのできる心臓”をもっているとのこと。

無論、これらの距離を走るに耐え得る筋力がないと、この数字も意味がないのですが。

草山　エネルギー補充さえあれば、いつまでも継続できる運動強度、ようはガソリンさえ入れてあげれば、ずっとエンジンがまわっている状態というのが「ATペース」です。4時間35分というのはあくまで単純計算です。それだけの心臓が現在あるということですが、では今週末42キロ走って、4時間35分で完走できるのかといえば、それはわからない。では東京マラソンを4時間35分で完走することを目標とした場合、トレーニングの中心はこのATペースのまま徐々に距離を伸ばしていくことです。しかし毎回、毎回おなじペースで走っているとマンネリ化してしまうので、めりはりが必要。スピードと距離に変化をつけて走ることをトレーニングに組み込むことをお薦めします。

松浦俊夫｜from TOKYO MOON 7月17日 ON AIR

夏のランニングチャレンジ！（4）

ランニング初級を卒業しようとしている方にお薦め！

走る前は少し寒いくらいの室温でしたが、走り終えると全身から汗が吹き出し、暑くてたまらないほどになっていました。ラボのシャワーをお借りして汗を洗い流し、最後はカウンセリング。とてもわかりやすく、丁寧に各パートについての測定結果の説明や分析をしてくださり、アドバイスをもらえます。後日送られてくる詳細なリポートの説明などもしてくださり、最後には“初マラソンでも今からきちんと準備すれば余裕で間に合います！”と励ましていただき、さらにやる気を起こさせてくれました。

参加は抽選によるものなので出場できるかはまだわかりませんが、もし走れることになったら前述のジャイルスらとともに東日本大震災の被災地へチャリティができるような仕組みを考えたいと思っています。約3時間におよぶ充実の測定。いろいろな意味で参考になりました。ランニング初級を卒業しようとしている方にはぴったりのプログラムだと思います。興味がある方はぜひ試してみてください！