グッチ ジャルディーノが日本酒を手掛ける理由

スパークリング日本酒「密花(みっか)」。グッチカラーのディープグリーンをまとったボトルが、日本酒であることを忘れさせる。

LOUNGE / EAT
2026年6月9日

グッチ ジャルディーノが日本酒を手掛ける理由

 

GUCCI × SAKE HUNDRED|グッチ×サケハンドレッド 密花

 
グッチ ジャルディーノが日本酒を手掛けた——この一文が放つ意外性は、やがて必然へと変わる。フィレンツェで1921年の創設以来、100年を超える歴史を刻んできたラグジュアリーメゾンと、日本酒の未来を切り拓いてきたSAKE HUNDRED。両者の邂逅から3年の歳月をかけて結実したのが、スパークリング日本酒「密花(みっか)」だ。この一本が問いかけるのは、「日本酒は、どこまで行けるのか」という問いである。
 

Text by TSUCHIDA Takashi

グッチ ジャルディーノと日本酒の“必然”

 
フィレンツェの歴史的なシニョーリア広場に端を発し、大阪・梅田にその世界観を表現した「グッチ ジャルディーノ」は、グッチの美学とミクソロジーが交差するカクテルバーだ。革新的なカクテル技術と厳選されたフードを提供するこの空間では、土地の文化とメゾンのコードが融合し、交流と発見が促される。
 
ワインや蒸留酒が長らく席を占めてきたラグジュアリーダイニングの世界で、シャンパーニュやブルゴーニュなどとの対等な選択肢として日本酒を認める——グッチ オステリアの感度は、食の多様性の最前線を体現している。日本酒がもつ旨味の深さと酸のやわらかさは、イタリアンの複雑な味わいと驚くほど親和性が高い。その事実を、いち早く取り込んでいた。
 
2023年2月、グッチ ジャルディーノとSAKE HUNDREDの対話のなかで両者の美意識に共鳴が生まれ、共同開発への扉が開いたという。SAKE HUNDREDのブランドオーナー・生駒龍史氏は、まずグッチ ジャルディーノとはどういうブランドかを改めて学ぶことから始めた。そして「伝統の中に飽くなき挑戦を宿す」という在り方を理解したとき、自ずと答えが導き出されたそうだ。16年氷温熟成のヴィンテージ日本酒「礼比(らいひ)」と、同じ蔵の新酒スパークリングをブレンドする——熟成と新生の対比。それこそが、発想の原点だった。
 
深みのある空間に映える「密花」。グッチ ジャルディーノが体現するエレガンスと、日本酒の持つ奥行きが自然に溶け合う。
 
醸造パートナーとして選ばれたのは、群馬県川場村の永井酒造。6代目蔵元・永井則吉氏は、フランス・シャンパーニュ地方で学んだスパークリングとヴィンテージの概念をいち早く日本酒に応用してきた革新者である。今年、創業140周年を迎えたこの蔵では、「伝統を守るために革新し続ける」という信念が脈々と受け継がれている。
 
深緑のボックスに“GUCCI GIARDINO”と“SAKE HUNDRED”の名が金箔で刻まれる。贈り物としても、コレクションとしても、相応しい佇まいだ。
 

薫り立つ、伝統と革新の結晶

 
外観は輝きのあるレモンゴールド。グラスを傾けると、焼き菓子を思わせる甘やかな香りにハーバルなトーンが重なり、やがてサワークリームやヘーゼルナッツのニュアンスが顔を出す。口に含むと、絹のようになめらかな泡が濃醇な果実の甘みと旨味を包み込み、穏やかな酸が全体を引き締める。フィニッシュは長く、淡いビターネスが余韻を美しく刻む。
 
バターを思わせるアロマとシルキーな泡は、料理に対する驚くべき包容力を持つ。ウニやトリュフ、あわびやオマール海老といった味わいのしっかりした食材との相性は抜群で、魚介を使ったイタリアン、唐辛子を効かせたスパイシーなトマトソース、クリーム系のソースとも見事に調和する。推奨供出温度は6度。ヴィンテージシャンパーニュ型グラスで、その真価を堪能してほしい。
 
グッチカラーのディープグリーンを背景に、繊細な泡を湛えた「密花」。きめ細やかな気泡の一つひとつに、瓶内二次発酵という製法の精巧さが宿る。
 
その多層的な表情を生み出す核心は、SAKE HUNDREDの16年氷温熟成ヴィンテージ日本酒「礼比(らいひ)」(※「密花」の原料としては15年熟成時点のもの)と、川場村産ブランド米「雪ほたか」を使った瓶内二次発酵スパークリングのブレンドにある。「礼比(らいひ)」とは、“氷温長期熟成”“フレンチオーク樽貯蔵”“累乗仕込み”という三重の技巧を重ね、マイナス温度の環境で16年をかけて熟成させたヴィンテージ日本酒だ。熟成時にフレンチオーク樽ごとマイナス温度でゆっくり貯蔵することで、ラクトン(ココナッツ様)とバニリン(バニラ様)の成分を酒にじっくりと溶け込ませ、独特の甘やかさを生み出している。その特徴はそのまま、スパークリング酒として乾杯などハレの席にふさわしいアイテムへと昇華させたのが、今回の「密花」だ。
 
熟成酒の複雑で多層的な味わいに、新米を使ったフレッシュな新酒の軽やかな発泡が重なる体験は、これまでの日本酒にはまったく存在しなかったものだ。蔵元・永井氏はこう述べる。「ブランドの歴史と美学、精神性に深く共鳴し、繊細さと奥行きを併せ持つエレガントな一本へと結実させました」。
 
なるほど、100年を超えるイタリアの美意識と、140年にわたる永井酒造の日本トップクラスの醸造技術、そしてSAKE HUNDREDという新進気鋭の日本酒ブランドの卓越したセンスが交わった場所に、この一本は存在している。日本酒は、もっと世界へと羽ばたき、真価が問われるべきなのである。
 
密花| MIKKA
製造者|永井酒造(群馬県川場村)
内容量|720ml
価格|19万8000円(税込)
数量|世界100本限定
発売日|2026年6月3日(水)
販売場所|グッチ ジャルディーノ(大阪府大阪市北区梅田2-2-22 ハービスPLAZA ENT)
グッチ オステリア ダ マッシモ ボットゥーラ トウキョウ(東京都中央区銀座6-6-12 グッチ並木4F)
 
問い合わせ先

グッチ ジャルディーノ

Tel.06-6343-0080
 
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