FASHION /
WOMEN
2014年12月22日
萩原輝美|ディオール2014SSコレクション「本物と偽物」未来を旅するミステリアスウーマン
萩原輝美のファッション・デイズ vol.91
ラフ・シモンズのディオール2014SSコレクション
「本物と偽物」未来を旅するミステリアスウーマン
ロダン美術館に建てられた温室を飾ったのは、生花と造花が入りまじるつる花。ミステリアスな雰囲気の会場でコレクションが発表された。
Text by HAGIWARA Terumi
ひねり加えて、じわりラフ色
ディオールのクリエイティブ・ディレクターに就任して3シーズン目のプレタに挑んだラフ・シモンズ。ムッシュー・ディオールの遺産であるバージャケットやエイトラインをベースにしながらも徐々にラフ色を強めているようです。布を交差させるようにボディにフィットさせたバージャケット。その下から花柄プリントのキュロットスカートが風に揺れます。
ランダムにたたまれ、バイアスに流れるプリーツは16バリエーション。そのすべてにクチュールの技が潜みます。ラフが今シーズンイメージした女性は、未来を旅するミステリアスウーマンです。
空港でトランクに張られるステッカーを胸につけ、ドレスにまきつけたメッセージリボンは未来の色の名前とか。ロダン美術館の中に建てられた温室は、生花と造花の入りまじるつる花に覆われました。偽物と本物。嘘と真(まこと)を併せ持つミステリアスウーマンを象徴するかのようです。つる花のようなスワロスキーのネックレスをアシンメトリーに巻き、大きなエキゾチックレザーのバッグを軽快に持ちます。
フィナーレは、バージャケットにシガレットパンツ、ペプラムドレスなど、新しいアイコンスタイルを並べました。
萩原輝美|HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップのディレクションも担当。
オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/