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萩原輝美|ラフ・シモンズがディオールで描いたニュークチュール
萩原輝美のファッション・デイズ vol.59
ラフ・シモンズがディオールで描いたニュークチュール
クチュリエたちの仕事が華やかに披露される、パリ・オートクチュール。今回の目玉として前々から注目を集めていたのは何と言っても、ジル・サンダーを去ったラフ・シモンズの、デビュー・コレクションとなるディールのショー。ラフが表現した、クチュールの世界をここで。
Text by HAGIWARA Terumi
2012年秋冬オートクチュールコレクションが7月1日からはじまりました。今シーズンの注目は、ディオールのアーティスティックディレクターに抜擢されたラフ・シモンズのデビューコレクションです。会場は大きなビルの2階。シャンパングラスを手に会場に向かうと、そこは匂いたつ花の香り。ムッシュー・ディオールの生家グランビルのイングリッシュガーデンを思い出しました。少年ディオールが愛した花園です。ホワイトオーキッド、イエローミモザ、バラ……などが五つに分けられた部屋ごとにびっしりと飾られています。
ファーストルックはバージャケットにテーパードパンツの組み合わせ。シンプル&モダン。クチュールレースに刺繍をほどこしたペプラムトップにも黒のパンツを合わせています。カッティングにこだわり、手仕事の贅を尽くす。シアーミンクのドレスはアストラカンのような刈り毛に変化します。小さな花びらを何千と重ね合わせたドレスは優しいアワーグラスライン。ムッシュー・ディオールの遺産をいまに蘇らせたニュークチュールでした。
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萩原輝美|HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップのディレクションも担当。
オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/