NIKE|世界の女性トップアスリートによる「THE LOOK OF SPORT:ペリー・シェイクス・ドレイトン」
FASHION / WOMEN
2015年8月12日

NIKE|世界の女性トップアスリートによる「THE LOOK OF SPORT:ペリー・シェイクス・ドレイトン」

NIKE|ナイキ

2012 サマーシーズン ナイキウィメン

THE LOOK OF SPORT:ペリー・シェイクス・ドレイトン(イギリス人ハードル選手)

ペリー・シェイクス・ドレイトンはプロのアスリートだ。今年はじめの選考会ではふたつの種目で優勝、22歳の若さでスポーツ界の話題となった。先日の土曜日の400メートル走では51秒52で前チャンピオンに勝利、翌日の日曜日には得意の400mハードルへ乗り込み、ゴールすると小さなダンスと満面の笑みでよろこびを表現した。

Text by OPENERSPhotographs by NIKE

ドレスアップするのが好きですが、流行を追う時間がないのです

ペリー・シェイクス・ドレイトンと会って、まず最初に目に入ったのは、長く、スラリと引き締まった2本の脚。上半身の倍ほどもあろうかというその長い脚に、グレーのマール素材の短パンをはいている。そのつぎに目に入ったのは、彼女のスマートフォン。目を疑うほど派手に光り輝いていた。シルバーのミラースタッズとラインストーンで飾ったキーパッドは、ディスコのミラーボールが電話になったような眩さだ。そして、最後の仕上げが彼女のネイル。ピンストライプや雲の模様など爪の一本一本をちがう色に塗っている。その爪の先で例の電話をつねにタップし、あらゆるソーシャルメディアを意のままに使いこなしている。「朝起きると、まずソーシャルメディアのサイトをチェックします。中毒です!」という。

彼女はイースト・ロンドンで生まれ育ち、競技トラックの横でチャーミングなアクセントでおしゃべりをし、ハイストリートよりもブリックレーンのブティックで買いものをする方が好き。そして地味な色より、大勢の中でも目立つ明るい色が好き、という普通の「ペリー」だ。「私のクローゼットはさまざまなスタイルのものでいっぱいです。普段は毎日ナイキのトレーニングウェアを着ているので、ドレスアップするのが好きです。ですが、正直なところ流行りのファッションを追いかけることはしません」。そう、そういう時間がないのだ。

「私は祖母、叔母、従妹たちと一緒に育ちました。家はこの夏の大会開催場所からそう遠くない場所にあり、みんなひとつ屋根の下に住んでいました。母は私のことを応援してくれていましたが、一度も私にやりなさいと無理強いしたことはなく、言ったのは従妹なんです」とペリーは一人笑いをする。「従妹が薦めたんです。彼女は私の出る大会は全部見に来ます。英国国内の試合会場には、必ず彼女の姿があります!」。

ナイキ|ペリー・シェイクス・ドレイトン 03

ナイキ|ペリー・シェイクス・ドレイトン 08

トレーニング場所は、彼女の生まれ育った町だ

そして、彼女がスポーツをつづけている唯一の理由というドレッドヘアの男性のコーチの存在。「コーチはどこへでも私と一緒に行きます。たくさんのコーチをもつひとが多いのですが、私は彼ひとりで、私が行くところには必ず一緒に来てくれるのです」。彼はずっと最初からペリーのコーチで、かれこれ10年ほど一緒にいる。ペリーは、「私は、自分がスポーツ選手になれるなんておもったことがありませんでした。スポーツ観戦もしなければ、スポーツのことも知りませんでした。ただ、やったら良くできただけで」と冷静に言うが、コーチは世界レベルのアスリートになるように後押しし、彼女の自己満足をキャリアに変えた。

1000分の1秒のレベルまでタイミングがすべてという世界にいるペリーだが、彼女は毎朝8時半にコーチに電話をかけ、トレーニングスケジュールの詳細を聞く。トレーニング場所は彼女の生まれ育った町に数限りなく存在する施設のどこかだ。

トレーニングがはじまると、コーチがペリーにスタンドを走りまわるようにと指示を出す。ペリーは試合の時の顔になり、トレーニングセッションに100%集中する。ウォーミングアップが終わると、彼女は「今日はウエイトの日です」と言う。「以前はウエイトトレーニングが大嫌いでしたが、それも一連の作業のうちなのだと気づきました」。トレーニングセッションは一つひとつ異なる。「ある日はウエイト、翌日はトラック、そのつぎの日はストレッチという具合です。トレーニングは毎日やります。週末は休みましたが、また再開です」。

ナイキ|ペリー・シェイクス・ドレイトン 12

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「あなたがあのアスリート?」と聞かれると、すごくうれしい!

ペリーは「ダイエットはしません。正直、食べたいものはなんでも食べるし、楽しみとしてファーストフードも食べます」と言いながらも、ドルストンにある有名なウエスト・インド料理のテイクアウトに向かう途中、彼女は大好きな色のライムグリーンとイエローのナイキバッグからヘルシーなバナナを取り出し、音楽を聴く。彼女はロンドンのアンダーグラウンド・ミュージックシーンに囲まれて育った。「よくユースグループの集まりに行き、みんなで楽しみました。彼らのことは誇りにおもいます。皆この辺の出身で、今やビルボードに名前を連ねています」。

ペリーの質素なルーツは世界中の大会に参加する国際的なライフスタイルと相反する。「旅は大好きです。行ったことのない場所を見るのが大好きなのです。ベルリン、パリ、ニューヨークと、数多くの大都市に行きました。香港や北京はすばらしいと思いました。韓国もです」。

ペリーは世界選手権への道を切り開き、この夏の競技にも出場するが、「レースの前には必ずリップクリームを塗ります。もし持って来るのを忘れたときは、コーチがスペアを持っています。アップで映ったときに唇が渇いているのって最悪ですから!」という。彼女は普通の20歳がやっていることをできない、と感じているのだろうか。「やはりときどきは」と声を落とす。「友人がやっていたことの多くを私はできませんでしたが、私はハッピーです。世界の舞台で競技に参加し、いろいろなひとに会えます。それに私はナイキの顔でもあるのです。ひとが近寄ってきて「あなたがあのアスリート?」と聞かれたりするとすごくうれしいです」。

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