萩原輝美 連載 vol.130|ディオール、フェンディによる華麗なオートクチュール
FASHION / WOMEN
2015年8月14日

萩原輝美 連載 vol.130|ディオール、フェンディによる華麗なオートクチュール

「ディオール」「フェンディ」の最新コレクション

メゾンのDNAを秘めたオートクチュール

絶妙のバランスダウンで新しさを出したディオール。はじめてのクチュールファーに挑んだフェンディの“オートフリュール”。2015-16年秋冬オートクチュール、今シーズンも話題満載でした。

Text by Terumi Hagiwara

アイコンのバージャケットを蘇らせたディオール

2015-16年秋冬パリ・オートクチュールコレクションです。ディオールは極彩色のガラスで組み立てた「快楽の園」を作りました。床には紫の芝生カーペットを敷き詰めています。

はじめに登場した白いシフォンドレスは、抜けるような透明感でイノセントなイメージを出しています。そのシフォンドレスに片方だけ量感あるファー袖をつけたマントを重ねます。巨大フラップ、大きくAラインを描くマントでバランスダウンさせています。大きな衿、アシンメトリーなヘム、ミンクやチンチラにカシミアを合わせてボリュームを出します。ケープの裏はドレスに使われる、クレープデシンにプリーツをほどこしたリバーシブル仕立てです。スーツ、コート専門のアトリエ・タイユールとドレスのアトリエ・フルーがひとつになって、新しいシルエットを作り出しました。ラフ・シモンズによってはじまった試みです。意表つく点描画プリントのクラシックなAラインドレス、アイコン、バージャケットも袖口を大きく広げてモダンに変身しました。快楽の園と名づけたこのコレクション、妖しさと品、クラシックとモダンを交差させて新ディオールに挑みました。

フェンディの初クチュールが披露

フェンディは、“オートフリュール”と名付けたクチュールファーだけのコレクションを初めてパリで披露しました。リンクスにセーブルなど高級ファーに刺繍、パッチワークなどクチュール技が加わります。いつもはすべてイタリアメイドですが今シーズンはパリの老舗刺しゅうメゾン、ルサージュによる蝶モチーフの3D刺しゅうもほどこされました。パリに引き続き日本上陸50周年を記念して行われた東京国立博物館でのショーには、アジアの顧客が集まりました。平均5000万円というクチュール価格でアジア系の顧客にもスポットを当てています。

萩原輝美

萩原輝美|HAGIWARA Terumi
ファッションディレクター
毎シーズン、ニューヨーク、ミラノ、パリ・プレタポルテ、パリ・オートクチュールコレクションを巡る。モード誌や新聞各誌に記事・コラムを多数寄稿。セレクトショップのディレクションも担当。
オフィシャルブログ http://hagiwaraterumi-bemode.com/

           
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