特集|夏の装いを完成させる“ハンサム”なバッグたち
特集|2010年春夏メンズバッグ
リゾートにもタウンにも、“デカバッグ”を小脇に抱えて
休日の旅には大振りなサイズのバッグを連れていきたい。それも、大きくてなんでも詰め込めるというだけでなく、どこか“遊び”のあるほうがいい。ビジネストリップではないのだから、おとなしくてまじめ過ぎるのはつまらない。コーディネイトのアクセントになってくれるようなルックスのいいバッグを選びたい。そして、どうせなら普段づかいにも対応してくれるものがいい。バッグの容量の割には少なめの中身を詰めて、ボディをくったりとたゆませて持ち運ぶのがいまの気分に合う。リゾートだけでなく街でも絵になるはずだ。そんな視点でセレクトしたメンズの“デカ”バッグたちを紹介しよう。
Text by OPENERSPhoto by Jamandfix
ラージサイズながらやわらかなレザーのもつ素材感で、肩掛けにしてもからだになじんで使いやすいボストンバッグ。プラダで人気のマテリアル──全面にパンチングをほどこした“サフィアーノフォリ”ならではの、片手に提げて持っても意外なほどの軽さに驚かされる。側面にまでまわり込んだトップのジッパーで、ものの出し入れも容易だ。グレイにブラックを大胆に配した2色づかいがコンテンポラリーな印象のこのバッグ。高さを抑えマチを深くとったバランスが新鮮なプロポーションからは、プラダらしい先鋭性とユーモアも感じられる。
まさにリゾートに映える“カゴ”バッグ。それはなにもウィメンズだけに限ったものではない。このグッチのバッグは一見、ラフィアなどの素材が用いられているように見えるが、じつはコットンとナイロンを混紡してその“風合い”を再現したもの。丈夫さは比べるべくもない。通常のカゴバッグであれば使いつづけているうちに、ところどころがほつれてくるものだが、このバッグならばそんな不快な思いをすることもない。老舗ブランドならではの丁寧なものづくりや行き届いた配慮が、このようなカジュアルなアイテムにまで徹底されているのはさすがだ。
Salvatore Ferragamo
サルヴァトーレ フェラガモ
ウィメンズでならよくあるタイプの、カーブした開口部の両端がハンドルにつながるように伸びあがったホーボーバッグも、サルヴァトーレ フェラガモの手にかかれば力強い迫力さえ感じられるマスキュリンな仕上がりに。それはサイズ感にもよるのだろうが、ストラップのあしらいやメタルの金具づかいによるところが大きい。もち手になったストラップ状のダブルのハンドルは、接合部の凝ったレイアウトにより、手を離せば絶妙なポジションに収まる。しなやかなレザーはなじみ具合もよく、ワンショルダーで肩掛けするにもちょうどいい。
いわゆる“ブラウンバッグ”を模した遊び心溢れるレザートート。ヌメ革の色合いもペーパーショッピングバッグのシンプルなイメージにつながっている。しかし、ライニングを排した一重のつくりながら上質なレザーが用いられ、自立するほどに構築的なたたずまいを見せる。ハンドルのデザインや開口部の処理なども、徹底してペーパーバッグに似せさせてはいるが、そこはレザーのあつかいに一日の長があるロエベならではで、そこはかとない品格が漂っている。おなじデザインのサイズちがいがふたつ揃うので、3つ一緒に使ってみるのもいいだろう。