more trees × LOUIS VUITTON|「ルイ・ヴィトンの森」が長野県小諸市に誕生
more trees × LOUIS VUITTON|モア・トゥリーズ × ルイ・ヴィトン
「ルイ・ヴィトンの森」が長野県小諸市に誕生
ルイ・ヴィトンは、坂本龍一氏が森の再生を目的として創立した「more trees(モア・トゥリーズ)」とタッグを組み、長野県小諸市の浅間山の山麓に「ルイ・ヴィトンの森」をつくると発表、9月7日にその調印式が行われた。
Text by OPENERSPhoto by LOUIS VUITTON
浅間山の麓に広がる壮大な森
長野県小諸市は、世界でも有数の活火山・浅間山の南斜面に広がる詩情豊かな高原都市。雄大な自然に恵まれながらも、東京から新幹線で約1時間半という環境と利便を兼ね備えた土地だ。「ルイ・ヴィトンの森」が誕生するのは、そんな小諸市の中心部からクルマで約30分の山麓の森のなか。more treesの取り組みとしては、高知県中土佐町、高知県梼原町、北海道下川町、フィリピン キリノ州につづく5つ目のプロジェクトとなる。
人間の身勝手な環境破壊により溢れてしまったCO2をオフセット
日本は、国土の約70%が森に覆われ、世界第2位の森林率を誇る国。しかし、そのほとんどが手入れを怠った人工林で、ひとの手を離れた森は、生い茂る木のおかげで地面に光が届かず、保水力も低下し、とても不健康な状態だという。more treesは、そんなスギやヒノキなどの間伐を進めることで健全な森を増やし、人間の身勝手な環境破壊により溢れてしまったCO2をオフセットすることを目的としている。
今回の、ルイ・ヴィトンによる具体的な支援は、間伐や草刈りなどの整備資金約1千万円。グランドデザインは、自然の恵みを体感できる「美しい森」、森を次世代につなぐ「サステナブルな森」、人間の営みを超越した「荘厳な森」。このイメージを基調に、3年間にわたって104ヘクタールの森を整備していく予定だ。
more trees代表の坂本龍一氏は「日本には目を向けなければならない森が本当にたくさん存在します。今回のプロジェクトも、僕らがお金を投下することによって森全体を健康にしていくことが大きな目的です。森が健康になることで自分たちの生活が豊かになり、地球環境も良くなっていく」と話した。
素材を育む自然を大切にするのは、ラグジュアリーブランドの社会的責任
また、more treesの活動に共鳴したルイ・ヴィトンの5代目当主パトリック―ルイ・ヴィトン氏は以下のように語った。
「ルイ・ヴィトンの環境保護への取り組みは長年にわたりおこなわれてきました。たとえば、フランスの郊外に環境に優しい倉庫を作ったり、飛行機よりもCO2排出量が少なくてすむ船を使った輸送などがその一例です。その取り組みは、ものづくりにおいての素材の品質をとても大切にしているためです。わたしたちはトランクづくりに革や金属も使いますが、ポプラの木も使用します。高品質なものを作るには、良い素材が不可欠なのです。ですから、素材を育む自然を大切にしなければならないというのは、我々の社会的責任だと考えています。木を使ったものづくりをしている精神というのは、森の保護をされている方たちの精神とまったく一緒なのです。それは、将来を考えて活動しているということです」
創業当時より、絶えず自然に対する恩恵、尊敬の念をもってものづくりをしてきたルイ・ヴィトンが、今回のプロジェクトに共鳴したのはごく自然な流れであった。ラグジュアリーブランドとエコプロジェクト、相反するように感じるふたつの要素は、見えないところで深く繋がていたのだ。