HANKYU MEN’S TOKYO|「2014 スプリングナイト」リポート
FASHION / MEN
2015年5月1日

HANKYU MEN’S TOKYO|「2014 スプリングナイト」リポート

HANKYU MEN’S TOKYO|阪急メンズ東京

一夜限りのスペシャルイベントに1800人を超すゲストが集結!

「2014 スプリングナイト~PopUp GentleMan」リポート(1)

2月28日夜、OPENERS読者招待10組20名をふくむ1800人を超すゲストを招いて開催された阪急メンズ東京「2014 スプリングナイト~PopUp GentleMan」。19時のオープニングと同時に多くのゲストが入場し、春のファッションはもちろん、全館挙げてのスペシャルイベントを満喫した。OPENERSでは、4人編成の「沖野修也 Special Session」ライブと、「山田五郎×沖野修也×大住憲生」トークショーをプロデュースした。

Text by KAJII Makoto (OPENERS)Photographs by JAMANDFIX

沖野修也の生ライブ

「2014 スプリングナイト~Pop Up Gentleman」スタートから1時間後の夜8時。阪急メンズ東京1階スペシャルステージに、特別編成の「沖野修也 Special Session」メンバー4人が登場。

DJの沖野修也氏、ジャズカルテット「quasimode(クオシモード)」のパーカッショニスト松岡“matzz”高廣氏、「JAZZ COLLECTIVE(ジャズ コレクティブ)」リーダーで、トロンボーンの廣瀬貴雄氏、そして紅一点、同じくトロンボーンの藤村美緒さん。阪急メンズ東京でのセッションを意識してか、それぞれの個性的な装いも目を引いた。

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1曲目は、ベーシスト兼プロデューサーの、池田憲一ことROOT SOULのアルバム『ROOT SOUL』から「Sky High」。オープニング曲らしく、エモーショナルなサウンドがフロアに鳴り響く。ROOT SOULならではのハイブリッド・ファンクが身体を自然と揺らしていく。

この『ROOT SOUL』からは、アフロ・ファンク・ハウスの「Fuselage」と「Moog Rock」も演奏された。

トロンボーンの2本の混合サウンドは、DJ KAWASAKIのアルバム『BLACK&GOLD』に収録の「My Roommate」の演奏で見事に開花。ハウス・テクノ・ディスコが融合した名作として知られる同アルバムの世界観を大胆に表現した。

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ノンストップで4曲を演奏し、メンバー紹介のあと、トロンボーンの廣瀬貴雄氏が所属するJAZZ COLLECTIVEから「The Jazz Collective」を。フィナーレを飾るこの曲は、JAZZ COLLECTIVEのファーストアルバムからで、iTunesダンス・アルバム・チャートで1位を獲得した沖野修也氏監修のコンピレーション『TOKYO CROSSOVER NIGHT』にも選ばれた名曲。フロアを圧倒的な高揚感で包み込む。

ソウル、ヒップ・ホップ、ジャズ、ハウス、ラテン、テクノ、ロック、ブレイクビーツ……音楽のジャンルを軽々と超えながら最新のクラブ・ジャズ・シーンを阪急メンズ東京で披露した「沖野修也 Special Session」。ライブを堪能したゲストから惜しみない拍手が沸き上がった。

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HANKYU MEN’S TOKYO|阪急メンズ東京

一夜限りのスペシャルイベントに1800人を超すゲストが集結!

「2014 スプリングナイト~PopUp GentleMan」リポート(2)

「沖野修也 Special Session」の濃密な演奏のあとは、評論家 山田五郎氏と、ライブが終わったばかりの沖野修也氏とともに、OPENERSファッションディレクター大住憲生がナビゲートする「山田五郎×沖野修也×大住憲生」トークショーを開催。阪急メンズ東京の3月のテーマ「PopUp GentleMan」を語り合った。

なぜ男の服は地味なのか

阪急メンズ東京の3月のテーマは「PopUp GentleMan(ポップアップ ジェントルマン)」。確実に進化しているスーツにネクタイや靴、バッグなどで色をくわえながら、“ポップアップ(=飛び出る)な気分”をスタイリングで表現する。

阪急メンズ東京1階スペシャルステージに、西洋美術史の知見も深く、講談社『ホットドッグ・プレス』編集長の経歴をもつ山田五郎氏と、ライブを終えた沖野修也氏、大住憲生が登場。沖野氏のジャケットの赤い色がひときわ目を引く。

トークは、山田氏の「どうして男の服装は地味、女性の服装は派手になったかをご存じですか?」という問いかけからはじまった。

「江戸時代の大名や、フランス革命の貴族たちの服装を見てわかるように、昔は金持ちは男も女も派手で、それは階級の証だったんですね。世界中どこでも、働かないひとは派手で、働くひとは地味でした」と山田氏。

「それが市民革命で階級が崩れて、地味/派手は性差の図式になった。地味になった男たちは、自分の身の回りの女性を着飾らせて派手にして、ますます地味/派手の差が生まれたんです」とつづける。

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「その失われた男の派手さを取り戻そうというのが、1960年代に起こったピーコック革命なんですね。それと、地味/派手以外に、男女を振り分けたのがズボンとスカートです。昔は貴族階級は男も女もスカート型の衣装を着ていて、ズボンは労働者の服でした。フランス革命のサンキュロット派というのは“キュロットを穿かない人たち=労働者”のことで、ズボン=パンタロンをはいているひとによる革命でした。男のスカートは──たとえばゴルチエは何度もトライしていますが──定着せず、ズボン=地味という図式になってしまったのです」と語った。

ジャズマンがスーツでステージに立った理由

また沖野氏は、「ステージで、スーツにシャツ、ネクタイを着用するのは演奏も大変なんですが、ジャズマンの多くはスーツスタイルに美学を感じていて、ステージ衣装として愛用していました。お客さんとおなじスーツを着ていることで、演奏は見世物ではなく、ステータスを誇示するためにもスーツが必要だったのかもしれません」と語る。

60年代後半にアメリカからジャズを広めるためにヨーロッパに移ったジャズメンが多くいて、彼らが広めたのが、いわゆる“コンポラ”スタイル。コンテンポラリースタイルは、1965年にIACD(国際衣服デザイナー協会)が発表したスーツのデザインで、黒人俳優のシドニー・ポワチエなど、ハリウッドスターが好んで着たワンボタン型のスーツといった派手なデザインが特徴でした。ジャズとファッションの関係は面白い。

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基本を知ることが、モダンアレンジへの近道

山田氏は、「男は地味ななかでどう差をつけるか。アイテムではなく、着方で差をつけようと実践したのが、ボー・ブランメルなんです。彼は、世界史でただ一人、たんにおしゃれをしただけで名前が残ったひとです」と笑いを誘う。

「彼は、毎朝30分かけてネクタイを結んだという伝説もあるほどで、男のファッションというのは細かいところで差別化を図るということを教えてくれました。メンズファッションは依然としてルールによって縛られていますが、それをモダンに昇華するためには、クラシック(基本)を知ったうえで、上着の丈や袖の長さ、ネクタイをどう結ぶかなど自分なりの差異化にトライしてみてください。みなさんもそれぞれの、スーツの着こなしを楽しんでほしいですね」と結んだ。

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HANKYU MEN’S TOKYO|阪急メンズ東京

一夜限りのスペシャルイベントに1800人を超すゲストが集結!

「2014 スプリングナイト~PopUp GentleMan」リポート(3)

阪急メンズ東京全館を挙げて春のファッションを先取りするイベント「2014 スプリングナイト」。「沖野修也 Special Session」ライブや、「山田五郎×沖野修也×大住憲生」トークショーのほかにも、来場ゲストを楽しませるパフォーマンスやファッションショー、世界の銘酒サービスなどで盛り上がった。

ファッションメディアとのスペシャルコラボ!

「2014 スプリングナイト~PopUp GentleMan」では、最新コレクションを纏ったモデルプレゼンテーションもメインイベントの一つ。今回は、「ランバン」と「イッセイ ミヤケ メン」が鮮やかに登場した。

ランバンのモデルプレゼンテーションでは、春夏コレクションのランウェイで注目されたマイクロショーツのルックをはじめ、ランバンならではの加工をほどこしたラグジュアリーなジャケットやパンツが登場。メンズファッションの最新モードを披露した。

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また、阪急メンズ東京とOPENERSのコラボレーション企画以外にも、雑誌『MEN'S EX』は日本を代表するシューシャイナー松室真一郎氏のシューシャイン無料体験会を開催。雑誌『MEN'S CLUB』は戸賀敬城編集長が事前に作ったオリジナルフレグランスのチューブサンプルを限定数でプレゼントした。

雑誌『Safari』はフランスのシャンパン「ポメリー」とコラボレーションし、シャンパンをラッパ飲みしながらショーを楽しむ特別企画を実現。ファッション紙『WWD JAPAN』は、レミーマルタン&コアントローのコラボレーションによるデジタルスナップ記念撮影会を開催するなど、メディア各社の個性を生かしたスペシャルなイベントが各階でおこなわれた。

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全フロアがカーニバル!

さらに、ブラジルでのワールドカップを控える2014年にふさわしく、きらびやかな衣装をまとった本場ブラジル出身のダンサーたちによるパワフルでダイナミックなサンバが、1階のメインステージおよび、2階から7階までの各フロアで披露。「沖野修也 Special Session」演奏中にも飛び入り参加してゲストを沸かせた。

イベントは阪急メンズ東京全館を熱気で包み、各階で振る舞われたアルコールによって、さらに盛り上がっていった。1800人を超えるゲストは、ショッピングとイベントを存分に楽しんだ。

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