特集|初夏を彩る、ジェントルマンの必需品 Vol.02 パナマハット
FASHION / MEN
2015年6月18日

特集|初夏を彩る、ジェントルマンの必需品 Vol.02 パナマハット

特集|初夏を彩る、ジェントルマンの必需品

Vol.02 盛夏帽の代表 "パナマハット"

名品と言われるものには、それに相応しい歴史と背景があり、紳士が愛した理由がある ―― 本特集の2回目となる今回は、夏の定番として愛されているパナマハットを紹介。クラシックな美しい作りに特徴があり、オンオフ問わず取り入れられるところにこの帽子の良さがある。世界のなかでも一流のハットメーカーのものを中心に、この価値をお伝えする。

Photographs by YUASA TohruStyling by IDA MasaakiText by MURAMATSU Ryo(OPENERS)

帽子がおとなの立ち振る舞いを変える

盛夏帽の代表であるパナマハット。これは、中南米などの熱帯地域に存在するパナマ草を原料にしたもの。トキヤ草とも呼ばれ、ヤシに似た細長い葉に特徴がある。この若葉を細かく割いて乾燥し、編み込んだものがパナマハットだ。この歴史にはさまざまな捉え方があるが、大筋は16世紀ごろまで遡る。当時、スペイン人が、南米征服のためインカ帝国だったエクアドルに上陸。先住民が被っていた帽子に着目し、取り入れたことに由来すると言われている。

現在では、夏の帽子のスタンダードと言われるパナマハットも、時代の変化とともに目にする機会が減っている。その理由は、往年の映画に登場するような正統派の紳士が少なくなり、休日のカジュアルなシーン以外では、なかなかパナマハットを取り入れることが難しいところにある。しかし、帽子にはおとなの立ち振る舞いを変える力がある。お洒落の象徴であり、夏のインフォーマルなスタイルに、思い切って取り入れてみると、コーディネートの幅もより一層広がってくる。

今年は、ドレスやパーティの装いにも合わせられる、オフホワイトのエレガントなパナマハットをおすすめしたい。下に選んだものは、すべてエクアドル産の天然草で仕立てられた帽子で、編み方やクラウンの形、ブリムの長さにそれぞれの個性が表現されている。夏の定番であるリネンやシアサッカーのスーツを始め、ドレスシャツとの相性もよく、帽子の前方のツバをのばすと見た目をよりクールなものに演出してくれる。この夏、パナマハットを加えた、あらたな装いを楽しんでみてはいかがろうか。


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