MIKIMOTO|エレガンスの新解釈~メンズアイテムとしての真珠
MIKIMOTO|ミキモト
Get dapper in PEARLS;
浅野忠信、パールを纏う(1)
エレガントなアイテムをラフに身につける──スタイリッシュとは究極、そういうことであろう。一提案ではあるが、OPENERSはメンズアイテムとしてのパール、すなわち真珠に着目した。フォーマルジュエリーという概念にとらわれないこなし方。そこにセオリーは存在しないはずだ。
Modeled by ASANO TadanobuModel Photographs by HATA Junji(Cyaan)Still Photographs by HAYASHI Toshiichiro(forest)Styling by SHIMAZU YoshiyukiHair by ABE(M0)Makeup by YUKI(M0)Text by TSUCHIDA Takashi
フォーマルな場だけではなく
真珠とは、人類最古のジュエリーのひとつである。その華麗なる歴史を紐解くと、遠く、クレオパトラの時代にまで辿り着く。他の鉱石資源と異なり、カットや研磨を必要としない真珠は、採れたままの状態ですでに美しい光沢を帯びる一方で、母貝の養殖技術が確立する19世紀末までは自然界の偶然の産物であり続けてきた。
中世の富豪たちはこぞって真珠を探し求め、その質と量を競い合ってきたのだ。もちろん真珠に魅了されたのは、女性たちばかりではない。真珠の稀少性の高さはすなわち社会的地位の象徴となり、当時は勲章の一部にまで用いられるなど、貴族、王族、騎士といった特権階級の男性にとっても欠かすことのできないアイテムとなった。
ここで注目したいのは、中世の王侯貴族たちにおける真珠のつけ方だ。ネックレスやペンダントヘッド、指輪やブローチに留まらず、服に直接縫い付ける、多数の真珠のカンザシを挿す、ターバンの上から真珠のロープを巻くなど、そのスタイリングを、肖像画や歴史写真からうかがうことができる。
贅の限りを尽くした彼らの装いをそのまま現代に落とし込むわけにはいかないが、欲求の赴くままに、フリースタイルで真珠と対峙する発想力の豊かさを、見過ごすわけにはいかない。
日本では、真珠はフォーマルなジュエリーという印象が強いが、それは真珠の輝きがギラギラと光を照り返すものではなく、落ち着いた輝きを発するゆえのこと。ほかにも、真珠にはヒーリング効果のパワーを持つ、といった説もあるが、そうしたものは実のところどれも定かではない。
とまれ、そんな真珠の来歴に因するかは定かではないが──ひとつ言えるのは、翻って現代、世界のセレブリティたちが牽引するカジュアルミックスのコーディネイトに、真珠がとても良くマッチするということだ。エレガントなジュエリーをあえてラフにこなすのがスタイリッシュとするならば、真珠という最もフォーマルな(と認識されている)アイテムこそ、気取らぬ服に合わせてみたい。
ジュエリーとは、本来自由であるべきもの。真珠を普段の装いに加える。そんな挑戦に価値を見出してほしい。
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浅野忠信、パールを纏う(2)
極上のクオリティ
ここで紹介するアイテムは、すべてMIKIMOTOが手掛けたものだ。日本が世界に誇るこの宝飾ブランドは、1893年に創業者・御木本幸吉氏が世界で初めて真珠の養殖に成功したことにはじまる。以来、真珠のオリジネーターとして歴史を歩み、デザインとクラフト技術の研鑽を120年以上もつづけているのだ。
またMIKIMOTOが扱う真珠は、品質が一様に素晴らしい。真珠層と呼ばれる真珠の光沢を作り出す層が緻密で厚く、輝きが美しいのだ。その証拠に、顔を近づけてみれば分かる。真珠の一粒一粒に自分の顔が映り込むはずだ。ブランドの象徴であるパールネックレスは、それらひとつひとつの真珠をもとに、完璧なマッチング(隣り合わせの真珠が同じ大きさ、同じ光沢を放つようにする入念な作業)を経て、見事な調和が生み出される。
また真珠というと、アコヤ真珠の純白の輝きを思い浮かべるかもしれないが、南洋で採れる真珠のなかには黒や金色の輝きを持つものがある。これらは日本のアコヤ貝と異なり、母貝が大きく、真珠が大きく成長することから、ゴージャスなボリューム感を楽しむことができる。またファッションによってはその色彩を楽しむこともできる、というわけだ。
最後にひと言。真珠は汗や化粧品、香水などの酸に弱い。ゆえに水道水での洗浄をせず、使用後は柔らかく乾いた布で拭く。これだけ守れば、あとは自由だ。固定観念にとらわれず、さりげなく真珠を生活のなかに取り入れてみる。そこには、素晴らしい発見が必ずあるはずだ。
ミキモト カスタマーズ・サービスセンター
0120-868254