VULCANIZE LONDON|2011-12 冬のウォームビズ特集 「ヴァルカナイズ・ロンドン」杉本浩一
VULCANIZE LONDON|ヴァルカナイズ・ロンドン
2011-12 冬のウォームビズ特集 「ヴァルカナイズ・ロンドン」杉本浩一
「日本より寒いロンドンでもOKのスリーピース」
今回登場する杉本浩一さんは、20代前半に、昼は販売の仕事をしながら、夜間にファッション専門学校のデザイン科に通っていた。日本のテーラーでも修行をしつつ、ロンドンのサヴィルロウのニュービスポークテーラーとして知られるリチャード・ジェームズで働きたいと考え、何度か作品集を持ってロンドンにも行ったという。そして専門学校を卒業したタイミングで、彼の地のテーラーの門を叩いたそうだ。ヴァルカナイズ・ロンドンでは半年のキャリアながら、26歳にして風格を漂わせている。
Text by KAJII Makoto(OPENERS) Photos by HOZUMI Hitomi (fixakey)
ロンドンほど寒くない日本でなら、スリーピースで冬が越せる
リチャード・ジェームズで1年半近く、カッター(パターン)としての修行を積んだという杉本さん。「カッターは、お客さまのデザイン相談からサイジング、フィッティングまで担当する仕事です。リチャード・ジェームズでの経験を活かす現場で働きたかったので、迷わずヴァルカナイズ・ロンドンに入りました」と語る。カッターは、フルオーダーやパターンオーダーの良き相談相手として重要な仕事で、ゲストとの会話から、ちょっとした体型のクセから、最適なサイズを見つけ出していく。「服作りのなかで、唯一の客の顔が見えるものづくりはドレスメイキング。それがテーラリングの最大の魅力です」という言葉は、とても力強い。
今回、杉本さんがチョイスしたのは、フォックスブラザーズのフランネル生地を用いたハケット ロンドンのスリーピース。シーワード アンド スターンのニットタイを組み合わせた。「ウォームビズがこれまでで最も注目されているこの冬は、素材本来がもつ特性を感じながらの着こなしがカギとなります。このハケット ロンドンのスリーピースは防寒性にも秀でており、マフラーなど巻きものがあれば、アウターがなくともランチに出かけるぐらいは十分に対応。素材の持ち味を十分楽しめるでしょう」
ネクタイをニットタイにしたのは「フラノ素材のスーツに対して、少しカジュアルダウンさせるために選んだもの。ソリッドタイでは堅いイメージになってしまうので、ラフさを加味しました」という。
日本に戻ってきてヴァルカナイズ・ロンドンを選んだのは、「イギリス好きが最高に楽しめるお店といったらここ。イギリスに住んだことのあるスタッフも多く、英国人のライフスタイルを追求しながら、さらに日本の生活に馴染んだモノを提供しているショップです」と魅力を語る。
杉本さんが個人的に気になる有名人は、「本木雅弘さんの着こなしと雰囲気が好きですね。イギリス人の着こなしでは、ロンドン生まれの俳優のポール・ベタニーやガイ・ピアースのモダンブリティッシュな着こなしにも注目しています」。ちなみに冬のオフスタイルは、ローゲージのニットにコートを羽織るのが好きなんだとか。
「スーツやコートは適正なフィッティングが命ですから、信頼できる販売員とともに選んでください」と杉本さん。冬もスマートに、ジャストフィットのスタイリングを心掛けたい。
VULCANIZE LONDON
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