松田智沖｜「ジョンロブなオトコ」山野エミールさんを迎えて（1）

ヤマノアンドアソシエイツCEO 山野エミールさんを迎えて（1）

「英国の文化や歴史の最たるものとしての靴」

今回のゲストは、イタリア・フィレンツェの世界最古の薬局『サンタ・マリア・ノヴェッラ』などライフスタイル商品・食品の輸入販売から、マーケティングおよびコンサルティングまで幅広い事業を展開する「ヤマノアンドアソシエイツ」のCEO、山野エミールさんです。
以前はイタリアのファッションブランド「タイユアタイ」の輸入販売に携わっていらっしゃったということもあり、日本のファッションリーダー的存在としても知られる方です。ジョンロブ歴も日本正式上陸前からと大変長く、私もジョンロブジャパン代表就任当初からおつきあいしています。
今回はそんな山野さんだけに、いつもとは少し趣向を変え、思いきって全面的に靴の話をさせていただきました。非常に鋭く、そして、靴を愛する気持ちが伝わってくるコメントの数々に私もうれしい気持ちになりました。

まとめ＝竹内虎之介（City Writes）ホスト＝松田智沖（ジョンロブジャパン）写真＝原恵美子

ジョンロブとの出会いは、20年ほど前の英国でした

松田　いつもありがとうございます。山野さんとは本当に長いおつきあいをさせていただいています。

山野　そうですね、気がつけば僕の靴も、いまや9割がジョンロブですよ（笑）。

松田　もちろん最初にお履きになったのは、日本に正式に上陸するより前のことだと思うんですが、一足目のジョンロブはいつごろですか？

山野エミールさん

山野　もう20年ぐらい前でしょうか。イギリスでローファーを買ったのが最初です。

松田　やはり、まだ日本ではほとんど見ることができなかったころですね。

山野　当時は、知る人ぞ知る、という存在でした。

松田　第一印象はどういうかんじでした？

山野　正直、重いなぁ、と（笑）。当時僕は「タイユアタイ」の輸入販売にかかわっていましたので、当然、服も靴もイタリアのものが多かったんです。
ご存知のとおり、イタリア靴は軽く繊細ですから、それに比べるとずいぶんガッシリしていて重い印象でした。

松田　重いけど気に入ったんですね？

山野　そう。最初は少し硬いかんじがしますが、しばらく履いて慣れてくると足にしっくりとなじむ。その履き心地は格別でした。また、かねてから僕は英国の文化や歴史に魅了される部分が少なからずあったのですが、そうした英国らしさの最たるものが靴だと思います。服のほうはいまでもイタリアのものが好みですが、足もとだけはジョンロブの質実剛健なかんじが好きですね。

履かなくなった靴も、しまい込むのではなく、誰かに履いてもらいたい

松田　スタイル的にはどんなタイプがお好みですか？

山野　断然クラシックです。僕はクルマと靴には目がないんですが、スタイル的にはどちらもクラシックがいい。もちろんジョンロブの靴には新しいデザインのものもたくさんありますが、しっかりとしたクラシックのベースがあるから、新しいものでも自分のスタイルに合いますね。

松田　靴も洋服も新しいものがどんどん増えてくると収納は大変じゃないですか？

山野　ええ、置くスペースは限られていますからね。僕の場合、洋服もそうですが、昔履いていたイタリアの靴などは、けっこう社員にあげました。もちろんサイズが合えばですけど。実際、僕自身、年齢とともに似合うものも変わってきています。それなら、しまっておくより、誰かに履いてもらいたいというのが、私の考えるひとつの愛情表現なんです。

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