dunhill|オーダーメイドの粋フィッターとレザーモデリスト職人の矜持
dunhill|ダンヒル
ダンヒルが誇るオーダーメイドの粋
フィッターとレザーモデリスト職人の矜持
ダンヒルの男らしさや英国らしさ、高い機能性や品質が堪能できる『アルフレッド ダンヒル 銀座本店』。そのテーマは“体験”であり、大人の男にとって究極の体験ともいえる自分だけの誂え品に身を包むよろこびも味わえる。伝統的な英国調のビスポークテーラリングやパターンオーダー、レザーアイテムのカスタムオーダーなどができるのだ。では、ほかのピスポークとはなにが異なるのか。その一端をクラフつマンシップに見ることができた。
写真=吉澤健太文=平格彦
英国から来日するプロにオーダーするよろこび
2007年度末、銀座の中央通り沿いにオープンした『アルフレッド ダンヒル 銀座本店』。いまではすっかりランドマークのひとつとなっているが、ロンドンや上海に先駆けて提案された“HOME”と呼ばれるあらたな旗艦店であることを知るひとは多くないだろう。“男の隠れ家”を思わせるリラックスできる店内で、こだわりあるものづくりの精神を受け継いだアイテムを落ち着いて吟味することができるほか、グルーミングサロンやラウンジバーまで併設している。
銀座本店ならではの限定品も豊富だが、自分だけの1着を誂えることができるのも大きな魅力。2階のカスタムサービスエリアでは、スーツやシャツを恒常的にオーダーすることができるが、年に数回はフィッターのダニエル・ウィリアムズ氏が来日し、実際にフィッティングをしてくれる。
「イングリッシュドレープやロープドショルダー、タイトにシェイプしたウエストや細身のアームなどを採用する英国スタイルが基本です。お客様の意見をうかがい、その先にある本当の要望を引き出しつつ、サビルロウで経験を積んだテーラーとしての提案をさせていただいたうえで、擦り合わせた結果をシルエットやディテールに落とし込んでいきます」
ダニエル・ウィリアムズ氏が注文に対応するさいは、すべての要素を手書きで書き留めて職人に指示。あらゆる工程で伝統が受け継がれている。
スーツをオーダーする手順としては、第一に生地選び。ヘビーウエイトのアイリッシュリネンや、耐久性の高いモヘアなど特殊生地まで、およそ2,500種類のバリエーションが揃う。つぎはディテール部分のデザイン。ポケットのかたち、ラペル幅、アームホールの位置、袖幅、トラウザースのデザインなど、ダンヒルのスペックに則ったかたちで決定する。そして採寸。必要な部分のサイズをすべて計ると同時に、サイズ別ゲージサンプルで微調整もおこなう。仕上がりのイメージがしやすく、仮縫いをする手間を省くことができる。仮縫いが届くのは約3カ月後。実際に袖を通し、全体のバランスを見て調整をくわえる。それからさらに3カ月を要して完成となる。
「ハンドステッチならではのナチュラルなストレッチなど、ビスポークスーツでしか味わえないよさはたくさんありますが、どこか一部分にこだわっているというよりも、それが集合したときの完成度の高さがいちばんのこだわり。お客様が満足してハッピーになってくれることが最終的な目標です」
価格はスーツ61万9500円~、ジャケット43万3650円~、トラウザース18万5850円~。
次回の来日予定は11月21日(火)~22日(月)に大阪店、11月23日(火)~28日(日)に銀座店となっている。
また『アルフレッド ダンヒル 銀座本店』では、レザーアイテムもオーダーすることができる。ダンヒルには馬具製造卸業を営んでいた背景があり、革製品を1世紀以上つくりつづけている経験とクラフツマンシップが根づいている。年に何度かはレザー工房のシニアモデリスト、トーマス・ノザルゼフスキー氏が訪れ、ステッチングのデモンストレーションなどがおこわれる。
「たとえば、ドキュメントケースに使用するパーツは58個。それを組み立てるのに他社では4時間ほどですが、ダンヒルのビスポークでは16時間以上を要します。可能なかぎりハンドステッチで仕上げているのです。ロンドンの工場でカットからステッチまで手作業でおこない、堅実な古典的製法でつくり上げる男性のためのレザーアイテムは、数あるブランドのなかでもNo.1のできだと自負しています」。名立たるブランドで経験を積んできた氏の言葉だけに重みがある。
オーダーできるアイテムとしては、植物なめしのカウハイドを使用する英国的なバッグが挙げられる。具体的にはアタッシュケース、ホールドール、ドクターズバッグを選ぶことができ、カラーはブラック、タンカラー、チェストナット・ブラウンのいずれか。ライニングはブラック、マスタード、レッドから選択可能で、ハードウェアもブラッシュ仕上げのゴールド、ブラッシュ仕上げかポリッシュ仕上げのパラジウム、ブラッシュ仕上げのガンメタルからセレクトできる。
一方、ラグジュアリーなエキゾチックレザーでバッグを誂えることも可能。オストリッチレザーかアリゲーターレザーが使用でき、アリゲーターレザーにかんしては艶のありなしも選べる。カラーはブラック、ベージュ、ブラウンという定番にくわえ、グリーン、レッド、オレンジ、ボルドーまでが揃う。そんな贅たくな素材を用い、フォーマルなアタッシュケースやドキュメントケース、カジュアルなホールドールやメッセンジャーバッグを作り上げることができる。また、ライニングやハードウェアの色や仕上げまでセレクト可能。
さらに小物類は、財布、名刺入れ、カード入れなどの6型を用意。エキゾチックレザー×カーフスキンのライナーという組み合わせを、豊富なカラーバリエーションのなかから選ぶことができる。
「クオリティやデザインなど、あらゆる面でお客様に納得していただくのが職人としての誇りです」
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ビスポークのレザーアイテムやスーツを手にすると、ダンヒルがいかにものづくりにこだわっているかが如実に伝わってくる。伝統に裏打ちされた技術で自分のための逸品を誂えられるのは、男にとって究極の贅たくではないだろうか。