手仕事の温かみを大切にする、Timeless & Current な大人のクラシックアメリカン|SHINOLA
SHINOLA|シャイノラ
大量生産、大量消費にNo !
Live Wellな人たちが作り出す
“いつも”がちょっと素敵になるアクセサリー(1)
2017年10月4日(水)、伊勢丹新宿店本館4階にアメリカ・デトロイト発のデザインブランドSHINOLAのレディス店舗がオープンした。今年5月、伊勢丹新宿店メンズ館7階に国内初のSHINOLA直営店がオープンしたばかりだが、早くも2店舗目が同じく伊勢丹新宿店内にオープンすることになる。世界にアンテナを張り巡らせる伊勢丹が、創業わずか6年の新興ブランドにこだわる理由は何なのか?
Text by KOIZUMI Yoko
アイテムひとつひとつに、ハンドメイドの温もりを添えて
SHINOLAは、「丈夫で長持ちする製品を提供する」というコンセプトにもとづき、アメリカ・ミシガン州にあるデトロイト市にて2011年に創業。デザインブランドとしての確かな技術力と、伝統の職人技に裏打ちされた数々の製品を生み出すことで、名声を確立している。
「使い捨ての時代はもう終わった」
かつて市の中核を担ってきた自動車産業の技術者のように、真面目で手先の器用な人材がここにはいる。SHINOLAは彼らのスキルを活用して、高品質で長く愛用できる製品作りを目指した。量産しても価値を失わない、妥協のない工業製品を作ろうと決めたのだ。
同社のクリエイティブ・ディレクターのダニエル・コーディル氏は「SHINOLAが顧客に約束するのは、“すべてに丁寧であること”です」と話す。品質が高く、経年変化が楽しめる風合いを持ち、一過性のデザインにしない。それはかつてのアメリカ製品が備えていた価値観である。
「現在、ファストファッションが世界的に隆盛を極めていますが、SHINOLAはその対極と捉えています。ファストフードに対して、意識の高い消費者は距離を置くようになってきましたが、同様にファストファッションに対しても意識を持って向き合う人が増えてくるのではないかと考えています」
ファストフードが、カロリーは高いが栄養素は少ないことは周知の事実。良い食べ物がLive Wellにつながるのであれば、良質な製品もまた、日々、手にしているうちにユーザーの感性を育み、心の栄養になり、Live Wellへと導く。
大量生産・大量消費の陰には、労働力搾取といった問題も見えてくる。コストカットに奔走し、疲弊する市場ではなく、消費者の満足に加えて、作り手も笑顔でいられる製品であり、市場でありたいと願う――。
SHINOLAのそうした姿勢は、アメリカ各地で受け入れられている。
直営店第1号が本拠地デトロイトにオープンすると、多くの人々がSHINOLAに賛同、現在はニューヨーク、ワシントンD.C.、シカゴ、ロサンゼルス、サンフランシスコなど全米25店舗に広が
っている。また伊勢丹新宿店をはじめ、ロンドン、パリなど、世界各地の主要百貨店で、SHINOLAの取り扱いがスタートしている。
Page02. 作り手の顔が見える、だから大切にできる
SHINOLA|シャイノラ
大量生産、大量消費にNo!
Live Wellな人たちが作り出す
“いつも”がちょっと素敵になるアクセサリー(2)
作り手の顔が見える、だから大切にできる
SHINOLAは品質よりも生産性を重視する慣習から大きくシフトし、デトロイトのクラフツマンシップと人材を活かしてスタート。当初は数人で時計作りから始めたが、やがて革製品、ジャーナル、自転車、オーディオ製品とアイテムを増やし、現在は650人もの従業員を抱える企業に成長している。
そしてこの規模となった今でも、基本姿勢である「丁寧なモノづくり」がブレることはないとコーディル氏は胸を張る。
同社製品を手に取ると、手間を惜しまずに製品を作っていることが伝わってくる。製品の向こうに作り手の顔が見えてくる。だからこそ製品を大切に使おうと思える。
製品を通じて、心のキャッチボールができるのだ。
いまや生産拠点を海外に置くアメリカンブランドが多いなかで、SHINOLAではデトロイトを中心とする国内生産がメイン。パーツは最良のものを国内外から取り寄せ、製造自体はアメリカで行なっている。その意味でも、アメリカンブランドを標榜できる稀有な存在なのだ。
腕時計はブランド創業時からスタートしたアイテムだが、そのムーブメントはスイスのRONDA社から技術提供されたものだ。一般的なメーカーなら、ムーブメントを購入するのみに留まるだろう。しかしSHINOLAはRONDA社から製造方法を学び、自社でムーブメントを組み立てている。SHINOLAにとってのRONDA社とは、ビジネスパートナーだ。
「世界のエキスパートたちが持つ優れたモノづくりの技術を、アメリカに根付かせることが目的だからです。時計製造の技術をマスターしてこそ、修理もできるようになるし、習得した技術を次の世代に伝えていくことができるからです」
SHINOLAは、スタート当初から、ユニセックスに楽しめる製品ラインナップを目指してきたが、この10月、新宿伊勢丹本館4階に誕生するストアではレディスアイテム中心となる。そのラインナップの中核をなすのが腕時計、レザーアイテム、そしてジャーナルだ。
「製品のデザインは古き良きアメリカを感じてもらえるようなスタイルを目指しています。ですが、それはヴィンテージやヘリテージを求めているのではなく、どこかファミリア、つまりよく知っていて、親しみが感じられるものであり、なおかつモダンであることを目指しています」
SHINOLAの時計にはLimited Lifetime Guaranteeが付いている。他に類を見ない保証の長さだが、これも品質に対する自信の証であり、顧客とのコミュニケーションの在り方を見せるものといえる。
またSHINOLAではユニークなWillard Watch Service(ウィラード・ウォッチ・サービス)がある。これは時計本体とストラップを、店頭で自由に組み合わせられるサービスであり、これにより、自分だけのコーディネイトが楽しめる。また一部のレザーアイテムやジャーナル製品(ノート類)にはイニシャル等をエンボス加工する無料サービスも用意されている。これらのカスタマイズサービスも、すべては“長く愛用してもらう”ためのものだ。
「ファストファッション全盛のいま、SHINOLAの姿勢を伝えることは本当に難しいことです」
少し考えるようにして、言葉を発したコーディル氏だったが、彼の表情はどこか誇らしく見えた。それは伝えづらいことだからこそ、伝えるべきことだと確信しているからなのだろう。
店鋪に関する問い合わせ先/伊勢丹新宿店Tel.03-3352-1111
ブランドニュース
Tel.03-3797-3674
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