BE@RBRICK DEATH STRANDING発売記念! コジマプロダクション代表・小島秀夫氏インタビュー | MEDICOM TOY
DESIGN / FEATURES
2021年6月24日

BE@RBRICK DEATH STRANDING発売記念! コジマプロダクション代表・小島秀夫氏インタビュー | MEDICOM TOY

MEDICOM TOY|メディコム・トイ

人と人は触れ合わないと生きていけない動物である

先日PS5用にリマスターされた『デス・ストランディング ディレクターズカット』のリリースが発表され、世界中のファンを熱狂させているコジマプロダクション。小島秀夫監督が創造する未だかつてないゲーム体験が話題を集めた『デス・ストランディング』の2つの世界観を表現したBE@RBRICKが、ついに発売決定。そこで今回はコジマプロダクション代表・小島秀夫氏に本作に込めた思い、メディコム・トイの印象などをうかがった。

Text by SHINNO Kunihiko|Edit by TOMIYAMA Eizaburo

Tomorrow Is In Your Hands

ゲームの舞台となるのは「デス・ストランディング」の発生によって、人々や都市が引き裂かれ、分断された世界。 繋がりを失った人類は滅亡の危機にさらされた中、主人公サム・ポーター・ブリッジズは、孤立し動くことができなくなった人々のために “未来”を運ぶ任務に赴く。「デス・ストランディング」とは何なのか。サムは何を運び、何を繋げるのか。
小島秀夫氏率いるコジマプロダクションにより制作され、2019年11月に発表されるやゲームの枠を超えた大作として絶賛されている『デス・ストランディング』。主人公サムを演じるノーマン・リーダスをはじめ、マッツ・ミケルセン、レア・セドゥ、リンゼイ・ワグナーら世界的名優たちが出演したことも広く注目を集めた。
「僕の体の70%は映画でできている」と語り、本作の企画・脚本・監督・ゲームデザインを手掛けた小島氏に本作、そしてBE@RBRICKについて語っていただいた。
コジマプロダクション代表・小島秀夫氏

遊びを創造することで新たな文化を生み出し、進化を遂げることを目指す

──コジマプロダクションがスタートして5年半が経過しました。まずはいまのお気持ちをお聞かせください。
小島 もう5年半も経っているんですね。スタジオの創立から『デス・ストランディング』が発売になる2019年11月までは、がむしゃらに、ひたむきに、一歩一歩前進を続けているうちに月日が過ぎていきました。
特にこの1年間はコロナで時間が止まってしまった感じがあるので、そんなに経ったという実感がありません。収束にはまだほど遠い感じがありますが、今できることを着実に進めながら次の仕込みをしています。
──スタジオの象徴である「ルーデンス(遊ぶ人)」に込めた思いを教えてください。
小島 オランダのヨハン・ホイジンガ(註1)が提唱した、人類とは遊ぶことで進化し文化を創造してきた「ホモ・ルーデンス」であるという説があります。
我々コジマプロダクションは「遊びを創造することで新たな文化を生み出し、進化を遂げることを目指す」という思いをこめ、スタジオのアイコンとしました。
ルーデンスは、未開の宇宙やデジタル世界など、人類未踏の地へ我々の作った「遊び」を届けに行くための船外創作活動服(EVC Suits)というコンセプトでデザインしています。
(註1)『中世の秋』『ホモ・ルーデンス』などの著作で知られるオランダの歴史家(1872年12月7日生。1945年2月1日没)。遊ぶことこそが人間活動の本質であり,文化を生み出す根源だと主張した。
──コジマプロダクション第1回作品『デス・ストランディング』は世界中のプレイヤーに絶賛され、The Game Award 2019にて3部門受賞など輝かしい功績をあげています。そうした中で小島監督が最も嬉しかったことは何でしょうか。
小島 少年時代の憧れの存在だったリンゼイ・ワグナーさん(註2)と一緒に仕事が出来たことです。宇宙に行くという夢が叶うのと同じくらい、自分にとってインパクトのあることでした。子供のころは、リンゼイさんがテレビに映るたび、「この人と結婚するんだ」と言っていたくらいでしたので。
(註2)1970年代に放送され日本でも大ヒットしたテレビシリーズ『地上最強の美女バイオニック・ジェミー』の主演女優として人気を博し、1977年のエミー賞主演女優賞を受賞。「デス・ストランディング」では主人公サムの義姉サマンサ・アメリカ・"アメリ"・ストランドの声を演じている。
──ノーマン・リーダス(註3)、マッツ・ミケルセン(註4)といった豪華な俳優陣が出演していることも話題になりました。彼らとの交流で特に印象的だったエピソードを教えてください。
小島 エピソードではないのですが、作品作りを通してプライベートでもメッセージを送り合う関係性を構築できたことですね。
このような状況下では直接会うことはかないませんが、今もお互いの近況を報告し合っています。

(註3)『ウォーキング・デッド』のダリル・ディクソン役で知られるアメリカの俳優。写真家、画家、モデルなど多方面で活躍している。

(註4)デンマーク出身の実力派として「北欧の至宝」の異名をとる俳優。『007 カジノ・ロワイヤル』(06年)での敵役ル・シッフルや、NBCのテレビシリーズ『ハンニバル』でのハンニバル・レクター役の他、現在製作中の『ファンタスティック・ビースト』シリーズ3作目のゲラート・グリンデルバルド役にも決定している。
写真左/サム・ポーター ・ブリッジズ(演:ノーマン・リーダス)、写真右/フラジャイル(演:レア・セドゥ)
──FPSが主流の中、「歩く」「届ける」「つながる」というシステムは画期的でした。小島監督が本作でプレイヤーに楽しんでもらおうと思われた部分についてお聞かせください。
小島 プレイヤーが孤独感を感じられるように意識して作っています。その一方で、プレイヤーはオンラインで繋がっている。
自分と同じ人(サムワン)が世界中にいるということもわかる仕掛けです。この体験によって、ゲームの世界でも現実の世界でも、「決して一人じゃないんだ」ということが伝わるようにしています。
──今回『デス・ストランディング』のBE@RBRICKを製作するにあたっては、主要キャラクターを落とし込む、ゲーム内のグラフィックを使用する、など様々なアプローチ方法があったと思います。最終的にこのデザインに決定するまでの背景を教えてください。
小島 デザインに関してはメディコム・トイさんからの提案でした。
デス・ストランディングをモチーフにしたBE@RBRICKを作りたいとのことだったので、サムをデフォルメしたデザインになるのかなと思っていたのですが、表裏でゲームの世界観を表すようなデザインが上がってきたのを見て、これは良いなと。
量産品でありながら、製法の特性上同じ画像の配置になるものは2つとないというところも良いですね。
──これまでもメディコム・トイとは数多くプロダクトを製作されていますが、メディコム・トイ、およびBE@RBRICKに対する印象についてお聞かせください。
小島 メディコム・トイさんは「おもちゃ=子ども向け」というイメージを覆し、大人のオタクの要求に堪える商品を送り出したパイオニアですよね。今、そういった市場が拓かれ、多様な大人向けの高価格商品が出るようになったのも彼らの先見性あってのものだと思います。
BE@RBRICKに関しては“オタク × アート”のアイコンになったような感じですよね。20年前にはメディコム・トイさんも想像していなかったくらい、世界中で評価されているのではないでしょうか。
──最後に、コロナ禍以降の現実世界で小島監督が感じられたこと、今後のコジマプロダクションが進む方向性で思うことをお聞かせください。
小島 やっぱり「人と人は触れ合わないと生きていけない動物なんだ」と、改めて感じました。テレワークやビデオ通話などテクノロジーが補完してくれる面も多々ありますが、直接会って、触れ合うことが人間にとっては不可欠なんだと。
人間は群れる動物で、ムラ・社会・国といった集団を形成し進化してきたという根本的なことを、自由に交流が出来なくなって再認識しました。
家(シェルター)でひとり、ネットやゲームをしながら暮らしていくということは、不可能ではないかもしれませんが、誰かと直接触れあえることに喜びを感じられる日常が戻ってくることを願っています。
BE@RBRICK DEATH STRANDING 100% & 400% / 1000%
『デス・ストランディング』より2つの世界観を再現したBE@RBRICKが登場。
サイズ|各全高約70mm / 280mm / 700mm
販売方法|2021年6月24日(木)00:00~2021年7月10日(土)23:59、メディコム・トイ直営各店舗及び、オンラインストア各店、他一部店舗にて受注
価格|[100% & 400%]1万6500円(税込)/ [1000%]7万4800円(税込)
発売日|2021年11月発売・発送予定
©️ Sony Interactive Entertainment Inc. Created and developed by KOJIMA PRODUCTIONS.
BE@RBRICK TM & ©️ 2001-2021 MEDICOM TOY CORPORATION. All rights reserved.
問い合わせ先

メディコム・トイ ユーザーサポート
Tel.03-3460-7555

                      
Photo Gallery